2010年6月14日月曜日

やす幸

久しぶりに銀座の「やす幸」に行った。何年ぶりだろう。今回は、1階奥の個室を体験した。4人ぐらいなら余裕のある広さでなかなか快適。

変な表現だが、注文の仕方によっては“日本一高価なおでん屋”にもなり得るのがこの店だ。その分、味は良いし、銀座っぽい雰囲気も色濃い。結構情緒があって好きだ。

そもそも銀座あたりの飲食店になると雰囲気や空気感もお勘定の範囲に含まれるのだろう。京都・祇園あたりの料理屋なんかもそうだが、「あえてそこで過ごす時間」を選ぶ以上、あまり細かい値段のことは気にしてはダメだ。

ネット上のグルメサイトでは、そうした「空気感もお勘定に影響する店」は総じて評価が低かったりする。

「美味しいけどコスパがいまいち」とかなんとか書かれたりする。トンチンカンな話だ。そういう批評をしたい人は、チェーン店の居酒屋で安いおでんをすすっていればいいのだと思う。

随分偉そうなことを書いてしまった。まあ「富豪」を名乗る(目指す?)以上、このぐらいのことは書かないといけない。

なんだったっけ。そうだ「やす幸」で飲んだ日の話だ。この日は、個室だったので、コース料理を注文。

スズキだったか刺身が少々。少々ってところが良い。アレコレ食べたいのだから刺身がドカンじゃあ困る。3切れぐらいで充分。美味しかった。

前菜盛り合わせのような幕の内風セットが登場。酒肴盛り合わせみたいな感じ。ホタルイカの塩辛とか、牛タンの酒蒸しとか一品料理メニューに並んでいるツマミ類が盛り合わされている。どれもウマい。

やはりおでん屋さんで気の効いたツマミを食べる以上、お燗酒で決まりだろう。使い込まれたこだわりのやかんで絶妙な温度に燗をつけたお酒がコップに注がれる。ウヒョヒョって感じだ。

焼き魚も食べて、適当な頃合いでおでん登場。個室のテーブルにコンロが設置されているので、冷めずに食べられる。幸せだ。

この日の顔ぶれは、日頃、胃腸が悲鳴を上げている中年オヤジの集まり。薄味の優しいおでんにしばし癒される。さっきまで盛り上がっていたエロ話も忘れてフガフガズルズルとおでん汁をすする。

最後はおでんの汁かけご飯をちょろっと食べる。うっとりだ。

思えば、10年、20年前は、カルビだ、イタリアンだとガッツリコッテリの日々を過ごしていた。おでんの汁かけご飯をちょろっと食べてうっとりするような感覚はなかった。

確実に“人生後半戦の味覚”なんだろう。でもこういう滋味あふれるものを喜べるようになるのなら加齢大歓迎だ。

おでん屋さんで充分酔ったのに、その後、クラブ活動、スナック活動と動き回る。週末でもないのに相変わらず酩酊する。

深夜のタクシーで帰宅。へたくそな運転手のせいで酔っぱらいモード増長。ゼロカロリーコーラを一気飲みしてゲップを連発してスッキリして寝た。

いい日だった。

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