2010年6月30日水曜日

水中写真 バリ トランベン セラヤ

思えば潜水趣味に手を染めてからもうすぐ25年になる。我ながらよく続いたと思う。

撮影機材をデジタルに一新したついでに、各種の機材も新しく調達してしまった。時代の流れとともに格段に良いものが出回っていてビックリだ。

水中で呼吸をする以上、何より肝心な機材がレギュレーター。安物は2~3万円で買えるが、まともな商品は10万円前後だろうか。まあ命綱だからケチってはいけない。

馴染みのダイビング機材屋の若いお兄ちゃんスタッフにウンチクをかましていたら、うまくおだてられて最高級レギュレーターを買ってしまった。ここ10年ぐらいの間で急に“高級ブランド品”になったATOMIC製のオールチタンだ。

http://atomicaquatics-j.com/index.html

30万円以上の定価が付いたトンデモない商品だ。結構割引してもらったが、自分の見栄っ張り具合に腹が立つ。まあ富豪を名乗る以上仕方ない出費だ。

レギュ以外では足ヒレ(フィン)も新調した。数千円も出せば事足りると思っていたが、私も立派な中年だ。脚力にも問題が出てきた。そのつもりでこれまた3万円以上もするアポロ・バイオフィンを選んだ。

マスクもアポロ製バイオメタルなんたらを買った。妙に高かったが、水中に向かう目的は単純に撮影だ。マスクはある意味一番気を使うべきアイテム。マスク越しにファインダーを覗く以上、バイオメタルなんたらの特性は抜群。

一連のニュー機材を今回のバリ島旅行で使ってみた感想は「今まで何を苦労していたんだろう」という一言。

何事もベテランになると、昔気質こそカッコイイみたいな感覚に陥る。道具類も伝統的な一品が最高と思い込む。でも、ダイビング機材などはさっさとと最新のものをオトナ買いすべきだったと深く後悔。

レギュレーターは想像以上に軽く、まったくアゴや口に疲労感を感じない。おまけに呼吸のしやすさも想像以上。定評のあるマレス製のレギュよりも吸いやすい。

動きすぎ、泳ぎすぎで水中で息があがった時の呼吸の楽さは特筆モノ。これは安全性という意味でも素晴らしい。

フィンがまた思った以上の推進力。ラクでラクで仕方ない。マスクも内容積が小さく目とファインダーまでの距離が一昔前の商品と大違い。

全部高かったが、高いだけのことはある。もう若くないのだから、上等な機材に命を預けた方がよいだろう。

それにしても、昨年あたりから始まった水中撮影機材の新調や一連の潜水機材の買い換えで相当にお金をかけてしまっている。

トヨタ・センチュリーが1台買えるぐらいのコストがかかった。

といっても新車ではない。10年落ちぐらいの中古のセンチュリーだ。回りくどい言い回しだが、新車の軽自動車が買えるぐらいはコストがかかってしまった。

遊びにしては高い。うーん。。。でもせっかく良い機材が揃ったし、今後は伊豆とか近場にも潜りに行こうと思案中。

さてさてバリの話。

今回専属の水中ガイドを任せた現地人はトランベン出身でこのエリアで10年ほど潜っている人物。1日4回の潜水でヘバっていたが、「良い仕事には良いチップ」みたいな私の呪文のせいで頑張ってくれた。

画像をクリックすると写真が大きく表示されます。




ソフトコーラルとかに潜むエビカニ系が好きなようでやたらと撮影させたがる。彼は金属製指示棒を駆使して、1センチや2センチ程度のエビやカニを突っついて撮影しやすい角度に誘導してくれる。

今回、じっくり撮影したかったのがピグミーシーホース。全長1~2センチのタツノオトシゴの仲間だ。

とある日、宿からクルマで20分ほどのアメッド方面へ。「リパ」というダイビングポイントが撮影しやすいらしい。水深12メートルの浅瀬でピグミーちゃんを探してもらう。

結局、3個体ほど見つかったので、撮りやすい個体にレンズを向ける。カメラを嫌がり、反対側を向いてしまうところをガイドさんが指示棒を使って向きを変えてくれる。


肉眼で見るよりもマクロレンズの望遠効果でファインダー越しに見ていた方がカワイイ。萌え~って感じだ。

先日(6月28日)と今日の水中画像は、マイクロフォーサーズ規格のオリンパス・ペン(E-PL1)で撮影したもの。オリンパスオリジナルの水中撮影用防水プロテクターにカメラを格納して撮影(http://olympus-imaging.jp/product/dslr/accessory/underwater/ptep01/index.html)。

外付けの水中ストロボはイノン製のS2000を2灯使用。肝心のレンズはマイクロフォーサーズ規格のライカ45㎜マクロ(LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8)。

一部の写真は、プロテクター前面に水中着脱可能なイノン製クローズアップレンズを装着している。

ゴテゴテとアームやストロボをつけても、一昔前の撮影機材に比べれば相当な小型軽量化だ。画期的だ。画像の下に映っている100円ライターと比べればかなり小さいことがお分かりだろう。

今回泊まったリゾートでフランス人ダイバーにご自慢の撮影機材を見せてもらったが、あり得ないぐらい巨大で重かった。まあ彼らはその巨大で重い撮影機材を持っていること自体が誇りであり喜びらしい。実に前時代的だ。

見せてもらった撮影画像は「別に」って感じだった。

今回、オリンパス・ペンはマクロ撮影専用機にして、ワイド画像はキャノンのEOS-KISS・X3を使用。レンズはトキナーのフィッシュアイズームレンズ(AT-X 107 DX Fisheye)。

フィッシュアイのクセにズームも効くという画期的なこのレンズがある限り、撮影機材をすべてマイクロフォーサーズ規格に移行するわけにはいかない。

マイクロフォーサーズ規格のカメラにも間もなく魚眼レンズがラインナップされるが、あくまで単焦点だろうから、このトキナー製レンズは捨てがたい。



ギンガメアジが渦を巻くこの場面でも、フィッシュアイズームなら1本のレンズで雰囲気を随分変えることが出来る。

もともと私が水中写真を撮りたくなったのは、25年ほど前にダイビング雑誌で見た超ワイドアングルの沖縄・西表島の青い水中世界がきっかけだった。

ワイド画像はなかなか撮影が難しいが、その分、見ていて単純に気持ちのいい写真が多くなる。

小さな被写体を狙うマクロ撮影は透明度などのコンディションに左右されにくい。ただ、息をこらして必死にほふく前進をして、肩凝りガッチガチになりながら撮影する感じだ。時に激しく疲れる。

次回の潜水旅行は気持ちの良いワイド画像が撮影しやすい場所を候補にしようと思う。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

素晴らしい美しさ!驚きです!
ピグミー初めてみました。笑ってる?

まめ

富豪記者 さんのコメント...

まめ様

ピグミー、可愛いでしょう!
ホントに小さくて自分では絶対に見つけられないのですが、ガイドのおかげで撮影できました。

家で飼いたいぐらいです。。。