2011年4月13日水曜日

災難と保険と落し穴

何かと世の中が殺伐としている。バカも増殖中だ。先日、娘と公園に行った際、公園横に路上駐車したクルマの窓ガラスを割られた。

そんな所に駐めておいた方が悪いのだろうが、駐車時間は30分程度。一応、チラチラと公園から遠目にクルマをチェックしていたのだが、一瞬の犯行だったようで、クルマに戻るまで気付かなかった。


この日はたまたま鬼嫁用のクルマを使っていた。私の不注意が原因だから、私自身が鬼嫁にトンカチで攻撃されかねない。ヘコむ。

後ろの窓ガラスをトンカチか何かで瞬時に割ったのだろう。直径15センチ程度の穴が開き、窓ガラス全体がクモの巣状に粉々だ。

物盗りとも思えないので、きっと、路上駐車を嫌った近所のバカがやったのだろう。温厚で純情な私はただ悲嘆に暮れていたのだが、一緒にいた娘はビビるどころか、激しく怒っている。母親の血だ。

しょうがないから、クモの巣状になったガラスをその場で落として、ディーラーに運ぶ。15万ぐらいの出費とか言われてまたヘコむ。

保険屋さんに「なんとかしろ」と連絡したら、なんとかしてくれた。実損はゼロで済んだ。最近入り直した自動車保険は、免責ゼロにしてあったので保険金で全額カバーされた。やれやれ。

今日の話は、人のクルマを壊すバカの話ではない。鬼嫁が恐い話でもない。保険がテーマだ。

なぜだかわからないが、私は結構な「保険好き」だ。昔から随分色々入っている。ひょんなことで医療保険の保険金をたくさん受け取ったりしたことが保険好きになった理由だろう。

ただ漫然と貯金するのも面白くないので、貯蓄性の高い保険にも加入している。いざとなった時の解約返戻金は結構貯まっている。この金額の範囲内で面倒な手続きなしに瞬時に借り入れることも出来るわけだから、すぐに使っちゃいそうな銀行口座に貯めるより堅実かもしれない。

保険といえば、今回の震災を受けて、生命保険各社が支払手続き簡素化や、そもそも保険に加入しているかどうかの確認作業を迅速に行うことをアピールしている。

保険会社が頑張っていることは認めるが、つくづく怖さを感じるのが生命保険の基本原則である「請求主義」だ。契約者からの請求があって始めて保険金が支払われるというスキームだ。

当たり前のように聞こえるが、今回のような急な災害を想定すると実に厄介。多くの人が思い当たるだろうが、「お付き合い」で生命保険に入る人は多い。自分がどんな保険商品を契約していたか完璧に把握している人は少数派だろう。震災で保険証券が無くなっちゃったらお手上げというケースはザラだ。

これだけなら、まだ各保険会社に問い合わせするという手段があるが、保険契約の存在を知っている人が亡くなり、保険代理店も被災したり、無くなっちゃったケースだと、残された人は保険を確認することにすら思いが至らない。

もっと悲惨な場合を考えてみる。災害で親が死亡。保険金受取人は子ども。当然保険のことは知らない。保険証券も見あたらない。保険料は当然、未納状態になる。保険会社から保険料の未納通知が出されても、通知自体が届かない――。

こうなると、せっかく親が子どものために長年契約していた保険自体が失効してしまう恐れが出るわけだ。まさに悲劇だ。

生命保険が請求主義に基づいている以上、当然起こりえる話。死亡保険金に限らず、ケガや病気をカバーする医療保険だって同じ理屈だ。せっかく何年も保険料を払い続けたのにパーになっちゃうのは悲惨だ。

被災地域の契約者の安否確認を保険会社が率先して行い、実態に応じて受取人に保険金を請求するよう促すことは制度上行われないし、そうした動きもない。

今回のような大災害では、人知れず失効する保険契約はかなりの数にのぼるのではないか。誰が悪いと言える話ではないが、なんとも気味が悪い話だ。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

このブログを拝見して、私が思うにはなにも
車のガラスを割らなくても ここに駐車すると通行の妨げになるので 以後駐車しないでほしいと伝えればすむのではないかと思いました。

個人の所有物である車の一部を破損すると
いう あるまじき行為だと思います。