2011年4月22日金曜日

銀座の閑古鳥


スズメやツバメ、カラスの話は良く聞くが、最近の銀座は閑古鳥の話ばかりだ。震災を境に大きく環境が変わり、銀座のネオン街には淘汰の嵐が吹きまくっている。

「飲んでる場合じゃない」、「さっさと家に帰りたい」という一般的な理由の他に、「東京湾大地震が来たら銀座にも津波が来る」という声まであるらしい。

ホステスさんの自宅待機話もよく聞くし、老舗の閉店をメディアが取り上げたりしている。実際にシビアな状況のようだ。

まあ、銀座のネオン街に限らず、どこの世界、どんな分野にも確実に震災の余波はあるわけで、誰にとっても、今の時期をどのように的確に捉えるかが今後の商売の鍵になるのだろう。

銀座のクラブにしょっちゅう出かけるわけではないが、確かに最近は寂しげだ。おかげでハーレム状態だが、店によってはしっかり賑わっているところもある。

一般的には元気がないのは確かで、そこそこ人出があると思っても、よく見ると客引きとか黒服とか、夜の業界人ばかりだったりする。

噂では、お色気攻勢というか、肉弾攻勢が増えているという話も聞くが、残念ながら私にはそういうラッキーは降りかかってこない。どういうことだろう。

ちなみに「特攻隊」と称される肉弾攻勢担当のオネエサンが存在すると言う話はよく耳にする。とはいえ、一度としてそのような経験がない。情けないことだ。

私のようにケチケチとちんまり隅っこで隠れて飲んでいるような客の前には姿を見せない仕組みになっているのだろうか。

話を戻す。

飲食店の世界では、閉店やリストラの一方で、今を商機と捉える前向きな考え方もあるようだ。「こんな時だから攻めに出る」。成功する人って、その辺の判断が的確なんだろう。

確かに銀座のホステスさんで自宅待機やリストラに遭うのは、自分の客を持たない、いわゆるヘルプのオネエサンが中心だ。

しっかり客を持っているホステスさんは、個人事業主として、一種のテナントとして店を間借りしているようなものだから腕次第で荒波を乗り越える。

この図式だと、店自体が閉店した場合、客を持っているホステスさんは困るわけだ。逆に言えば、客を持っているのにテナント契約が無くなってしまったホステスが増殖中という図式も成り立つ。

そうなると当然、そういうホステスさんを集めて新しい店を出そうという動きが出てきてもおかしくない。ピンチをチャンスに変えるこの手の話は、きっと今後の銀座では珍しくなくなるのだろう。

いずれにしても、震災不景気の中で、飲食業界に限らず、あらゆるジャンルで「ウチなんて真っ先に切り捨てられる分野ですから」という弱気発言を耳にする機会が増えた。

もっともに聞こえるが、はたしてそうだろうか。今現在、仕事として成り立って存在しているものの中に不要なものなど無いと思う。

あるとしたら原子力安全院委員会とか原子力保安院だろう。民間企業である電力会社を監視・規制する役目なのに、すべて民間会社に責任を押しつけて、誰も謝らないし、一切責任も取らない。あんなもの不要だ。

話がそれた。

銀座の綺麗どころからも「無くなったって誰も困らない仕事だから・・・」などという投げやりなセリフを聞かされると嬉しくない。

無くなったら私が困る。

「だったら、もっと顔を出せ」と言われそうだからこの辺でやめる。

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