2011年12月19日月曜日

人を良くする

「食」という文字は「人」と「良」の二つの文字から出来ている。すなわち「人を良くする」源というわけだ。

尊敬する人から最近聞いたウンチクだ。結構気に入った。

その一方で、すべての食べ物は人間にとって害悪だという話も聞いた。もっとも、ただ害があるわけではなく、唾液をはじめとする様々な物質の働きで栄養になったり、プラスの作用をもたらすらしい。

そんなものなんだろうか。

食べ物の大切さに年齢とともに敏感になってきた。とはいえ、別にストイックに食材選びをするわけではなく、時には喜々としてジャンクフードも食べる。

喜んで食べるくせに卑怯な?言い方なのだが、ジャンクフードを食べた後は、身体から喜びの反応は感じられない。

良い素材、良い調味料、適切な調理法で食べれば、食後にわき上がる幸福感が大きい。感覚的なものだが、この違いは大きい。

最近、冷凍食品の進歩に感心して、立て続けに冷凍パスタをアレコレむさぼり食った。なんとも上手く仕上げている。コンビニで売っているパスタをチンするよりウマい。

とはいえ、集中して何度も食べてみると、やはり、いくら温めてアッチチになったとしても、食後しばらくすると、どことなく身体が冷えるような印象がある。

もちろん、気のせいなんだろうが、そんな気になるだけで健康にプラスになっているはずがない。

「人」を「良く」するには、やはり正しい食材を正しく摂取するほうがいいに決まっている。

というわけで、「正しい水炊き」を堪能してきた。新宿にある老舗「玄海」でしこたま肉を喰らいスープを飲み干してきた。


「正しい水炊き」などと表現したが、ここの鍋は野菜が一切入っていない。身体のために野菜は必要だろうが、私にとってはそんなものは正しくない。この店のスープを薄める恐れがあるものはすべて排除すべしだ。

名物の白濁スープにブツ切りの鶏肉だけ。あとは何にも無し。実に潔い。

漉したニンニクを少し投入して、コクを膨らましたスープをグビグビ飲むのがこの店での最上の喜び。

鶏肉はどこでも食べられるが、このスープはなかなかお目にかかれない。この店に今年の夏に出かけた時は、冷房で冷えた身体を芯からリセットするのに役立ったが、冬は冬で単純明快に五臓六腑に染み渡る感じだ。

冬の寒い日にこのスープをすすって、「ウヘ~」とか「オオッ~」など意味不明の音を発しないなら、その人は真っ当なオッサンではないと断言できる。

そういう味がする。私の場合、いつもつぎ足してもらって腹がカポカポするぐらい飲みまくる。酒の肴になる汁モノの極みだと思う。


この日、予約してあった時間は間違えるわ、頼んでおいた基本コースの値段は間違えるわ、店側の対応に正直オイオイって部分もあった。

普通だったらそんな目にあったら私は二度とその店には行かない。はずなのだが、残念ながら、ここのスープの魔力に勝てずにまた行くことになると思う。

しこたま食べても食後が爽快なのが鍋物の良さかも知れない。逆流性食道炎と死ぬまで付き合う予定の私にとっては、食後がシンドイかどうかは大きな問題だ。

別な日に、美味しく、楽しく過ごしたにもかかわらず、とある店の食事がきっかけで、夜中に結構な胸焼け大会になってしまった。

あくまで私の体質と持病のせいなので、店に責任はない。店は専門店として揚げ物を一生懸命に調理しているだけだ。


銀座・交詢ビルにある六角燈がその店。おまかせでどんどん串揚げを出してくる店だ。衣も軽めでそんなにクドい感じはなかったが、結局、夜中に胸焼けちゃんに変身してしまった。

野菜や魚もいっぱい食べたから身体には良いと思ったが、すべてに油をしっかりまとった衣がついている。さすがに胸焼け軍団に所属する私が選んではいけない店なのだろう。

逆流性食道炎の悩みがない人にはオススメできます。

今日は書き出しの部分で四の五の言ったが、結局、ただ、最近行った店の話に終始してしまった。

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