2012年6月1日金曜日

四駆魂

最近、続けざまに似たような夢を見た。昔乗っていたクルマの夢だ。もっと色っぽい夢が見たいのに意味不明だ。

そのクルマは私のクルマ遍歴のなかでも一番思い入れがあったヤツだから、以前から時々夢に出てくる。

内容は、ひょんなところで私が愛用していたクルマが、今も愛好家の元にあり、それを見つけた私が高値で買い戻すというもの。

とはいえ、そんな大それたクルマではない。

日産サファリという昔々の四駆だ。パワーウインドーもなければ、標準装備はAMラジオだけという実に素っ気ない商用車だった。


画像は昭和60年頃。愛車に乗り込む私だ。髪もふさふさだ。この当時、数年間どっぷりハマったのが四駆の世界だ。自分のアマノジャクぶりを痛感した時代でもある。

バブルが始まる前の上昇気流のなか、世の中に厳然と広まっていた「クルマヒエラルキー」の外に出たくて、あえてハヤリとは無関係なクルマを探して行き着いたのが四駆の世界だった。

若者が読むようなクルマ雑誌にも目もくれず「4X4マガジン」だけを熟読していた。

プレリュードだソアラだ何だと、若者の間でもクルマヒエラルキーの影は忍び寄っていた。ダサいかダサくないか、女の子にモテそうか否か、みたいなアホみたいな感覚でクルマが時代のツールになっていた。

そんな世相が鬱陶しくて、あえて誰も選ばなかった四駆を選んだわけだ。

今でこそSUVというカテゴリーはすっかりクルマ社会の中枢に位置するようになったが、当時はジープタイプの形をしたクルマは、あくまで商用車とか貨物車のイメージ。マニアが喜んでいただけだった。

あれから四半世紀が過ぎ、ランボルギーニやベントレー、マセラティまでもがSUVを作る時代になった。ただただビックリではある。

当時、私が愛するクルマを「変な貨物車みたい」とか言っていた馬鹿な連中をタイムマシンで連れてきて鼻で笑ってやりたいぐらいだ。

わが日産サファリは、当時でも物好き中の物好きが選ぶほどマイナーだった点がお気に入りだった。ランドクルーザーやパジェロ、はたまたジムニーが四駆愛好家のアイコン的存在だった時代だ。


あれこれと改造のために通っていた専門ショップのつながりで四駆愛好家のクラブにも参加した。あちこちのオフロードを目指してツーリングにでも出かけた。

運転技術のまずさもあったが、わがサファリはやたらと重量のあるクルマだったため、しょっちゅうスタックして皆さんに救援してもらった。そんなダメな感じも可愛くて仕方がなかった。

思えば、あの頃が同年代の友人以外と交遊を始めた最初だろう。オッサンフレンドに囲まれた世界で何となく大人になったように感じた。

過激なオッサン達に刺激されて愛車なのに随分乱暴に扱った。

2枚目の画像のようにジャンプばかりして、前輪の駆動系がやられてしまい、正面から見るとスキーのボーゲンみたいにタイヤがハの字になってしまって真っ直ぐ走らない時期もあった。

下品にならない程度に車高を上げたり、大きなタイヤを履かせてみたり、当時最新のオーディオシステムを搭載したり、あれこれ手をかけた。頭の中はそのクルマのことでいっぱいだった。

エンジンはディーゼル。燃費だけは良かったが、スピードの遅さでは無敵だった。

北海道までクルマの中で寝ながら一人旅をした時も、がらがらの東北自動車道の起点から終点まで、都合6カ所ぐらいでスピード違反取締りをしていたが、わがサファリは遅すぎて一度もひっかからなかった。

話は変わる。

当時の四駆と言えば、ディーゼルエンジンでマニュアルシフトがごくごく当たり前。三菱パジェロがガソリンエンジン搭載のオートマ仕様を出したことにビックリした記憶がある。



この頃、私が憧れていたのがフォードブロンコⅡとシボレーブレイザーS10だ。ここから先の画像はネット上でパクりました。スイマセン。

うーん懐かしい。今見ると充分クラシカルな感じだ。

いずれもバカでかいサイズではなく、私の目にはエレガントに映った。ガソリン大排気量、オートマ、室内も乗用車並みに整っているというだけでウットリした。

アメリカ旅行に行った際も、いたるところで見かけたこの2種類のクルマの写真をいっぱい撮った気がする。


別格の憧れだったのがホンモノのジープだ。CJシリーズには魅せられた。あの頃、宝くじに当たったら迷うことなく買ってしまったと思う。

その後、真面目な?社会人になり、四駆から足を洗ってしまったが、所有するクルマが無難な路線になっていくのに比例してセカンドカーとして何度も四駆に手を出した。一応、今も我が家のセカンドカーは四駆だ。

最初に離婚?した時なんて解放感のせいで、ふと目にした真っ赤なジープを即決で買ってしまった。中古だったのだが、一目惚れしてあとさき考えずに購入。ウキウキと乗り回した。

憧れのCJシリーズは生産が終わっていたから後継のクライスラー・ジープ・ラングラーだったのだが、小さいボディーに力強いエンジン、高速を走るとホロがばたついて会話が出来ない点以外は大好きだった。


その後、この画像と同じホロではないFRPトップの緑色のラングラーも手に入れた。オープンに出来ないタイプだが、実用車として最高だった。何より運転していて楽しい気分に浸れた。家庭の都合で手放してしまった自分のだらし無さを悔やんでいる。

今ではラングラージープにも4ドアが登場。すっかり普通っぽくなってきたが、私の欲しいクルマの筆頭格ではある。

その後も、普通のカッコのクルマをいろいろと乗り継ぐ一方、時々、昔を思い出してイマドキ四駆にも手を出した。キャデラックSRXとかポルシャカイエンにもちょっと乗っていたことがある。

不思議なもので、その手の無骨じゃない四駆はどうもしっくりこない。なんか運転席が高いだけで、昔の四駆乗り?が求めていた浪漫みたいな空気が漂ってこない。

変な感覚かもしれないが、扱いにくいジャジャ馬的な雰囲気がないと、四駆乗りとしてはどこか寂しい。あえて表現するなら、BGMはイーグルスかドゥービーで、ダンガリーシャツにウェスタンブーツを履いて運転席に乗りこみたい。

そんなブーツ持ってないけど・・・。

気付けば立派な中年になって、分別ヅラで日々を過ごすようになってしまった。いっぱしのつもりで、メルセデスやBMW、ジャガーとかの、それも4ドアセダンなんかを乗り継いできた。

割と頻繁に私の夢に出てくる日産サファリは、きっとそんな私の平凡さ、つまらなさに対するメッセージかもしれない。

「四駆魂を思い出せ、世間の眼を気にせずアマノジャッキーとして突っ走っていたお前はどこにいったんだ」。

昔の愛車が出てくる夢は、そんな叱咤激励の意味合いがあるのかもしれない。

なんかカッコつけたまとめになってしまった。

まあいいか。

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