タマゴの謎

タマゴが大好きである。許されるなら日々、タマゴばかり食べて生きていきたい。

オムレツ、目玉焼き、スクランブルエッグ、ＴＫＧ（生卵かけご飯）、温泉卵に親子丼、はたまたエッグベネディクトにカルボナーラなど、タマゴぶりぶりのウマいものばかり頬張って生きていければどんなに幸せだろう。

タマゴ問題。健康に良いのか悪いのか。世の中には両論が渦巻いている。これって世の中の中高年にとって見逃せないテーマである。

ネットの世界でチョット調べてみても、肯定派、否定派それぞれがもっともらしい考察を展開している。

ちなみに板東英二はゆで卵を1日9個も食べるらしい。この伝説は肯定派にとって大変心強い逸話である。

あのぐらいの年齢のオッサンが大量に食べても元気なのだから、恐るるに足らずである。私自身そう考えていた。

ところが、ネット上で「タマゴ問題」を調べていたら何とも衝撃的な事実を知ってしまった。

板東さんに裏切られたような気がした。

由々しき問題である。

ということで、懲りずにネット上にあふれる肯定、否定それぞれの意見を一生懸命読んでみた。

最終的にどんな意見を信じるかは自分次第だが、結構勉強になった。

それにしても、ネット上の質問掲示板の多様性には笑える。この画像も何ともヘンテコである。

タマゴ問題のＱ＆Ａに関連して、似たような質問の一覧が表示されているのだが、上から二番目の質問がどうしてタマゴと関連しているのか謎である。

話がそれた。

タマゴ問題について勝手に総括すると、次のような考察が現在の主流のようだ。

健康体であれば、1日３個食べてもＯＫ。コレステロール値が病的に高い人やアレルギーの人以外は、さほど気にする必要はないというもの。

中高年のオッサンはたいてい健康診断でコレステロール値の高さを指摘されるから、そういう人はそれなりに注意しろというレベルである。

ホッとする話であるが、この定説には落とし穴もある。すなわちタマゴの質的問題だ。

いまどきのタマゴは昔のタマゴと違って「工業製品」だという指摘がある。

本来、鶏は一生に５～６個しかタマゴを生まないそうだ。それを３６５日、毎日産卵させているわけだから、いかに不自然なタマゴが出回っているのかという理屈だ。

親鶏は薬漬けである。化学物質だらけの親鶏から不自然に大量に生まれるタマゴが健康なものなのかどうか、確かに悩ましい。

まあ、現代社会で毒々しいものをさんざん食べて生きてきたのだから、今さら神経質になっても仕方がない。レトルト食品を喜んで食べ、コーラやファンタを飲んで、マックに感激して、タバコもバンバン吸ってきたのだから、きっと大丈夫だろう。

とはいえ、ビビリの私としてはスーパーに買い物に行っても安すぎるタマゴはつい敬遠してしまう。ちょっと高い値段の健康卵だぜ～とそれっぽくアピールしているような商品を購入してしまう。

主婦のような感覚が欠如しているから、陳列棚の中で値段が一番高いタマゴを買うことにしている。それこそが不健康になりがちな中年一人暮らしを成功させる鉄則だと勝手に信じている。

それっぽい健康卵を買っているだけならまだしも、2個で1000円というバカげた値段の烏骨鶏の卵を見つけちゃうとついつい買ってしまう。

そこまでいくと、健康、不健康以前に精神状態をチェックした方がいいかもしれない。

ところで、近頃、無償に食べたくなるのが「目玉焼きまぜまぜ御飯」である。実はこれ、私が子どもの頃のソウルフードである。

時間のない朝におかずの目玉焼きと茶碗によそわれたご飯を別々に食べているのがもどかしくて生まれた料理？である。

ドンブリではなく、パスタを入れるようなサイズの皿に炊きたてご飯をどかんと茶碗２杯分ぐらいよそい、その上に、流れ出さない程度に半熟の目玉焼きを２個トッピングする。これが基本である。

ホントは目玉焼きは３個にしたいが、オトナとしてそこは我慢する。

そしてウスターソースをかけて、スプーンで目玉焼きをガッサガサと細切れにしながらご飯と混ぜていく。

目玉焼きを作るときに少し使った油とウスターソースが官能的に混ざり合い、そこに半固形状態になった卵の黄身がミックスされる。そんな溜まらない味わいが白米の甘味、旨みと渾然一体となって口の中に拡がる。

何の変哲も無い味だが、その潔い味わいが非常に美味しい。大人になってから数え切れないほど、ウマいタマゴ料理を食べてきたが、ベスト１を選べと言われたら、ＴＫＧかこれのどちらかだ。

最近はＴＫＧばかりで目玉焼きを作る機会がない。ついつい億劫になって、ソウルフードなのに随分ご無沙汰している。

誰か作りに来てくれないだろうか。