インフルエンザにやられてしまった。何年ぶりだろう。年末に大迷惑な話である。
予防接種もしていたし、発症前にタミフルをもらっていたので大したことはなかった。
とはいえ大阪に行く大事な予定をキャンセルしたり予定が大幅に狂ってしまった。災難である。
感染源は愛しい娘である。だから怒りのぶつけようがない。一応、気にするだろうから娘には内緒にしてある。
ある週末、娘が泊まりに来た。一緒に買い物に行ったり楽しく過ごしていたのだが、突然、娘が熱を出したから優しいパパとしてあれこれ世話を焼いていた。ひと晩寝ても夏が下がらないから病院に連れて行ったらインフル判定を食らった。
娘が帰ったあとの週明けの月曜、会社の近くの医者に血圧の薬をもらいに行ったついでに念のためタミフルをよこせとお願いした。
予防投与の場合、アーだのコーだのうるさいことを言っていたが、強引に処方箋をもらって何も症状もない段階で飲み始めた。
翌朝から案の定、発熱スタート、まあどう考えても移っちゃうような時間を過ごしたので仕方ない。職場に菌をばらまくわけにもいかず、自宅謹慎状態。
運の良いことに事前のタミフルの効果はかなりのもので熱もせいぜい38度台。だいたい37度台だったのでヒーフー言いながら寝込むほどでもなく、ものの2日ほどでラクになった。タミフル万歳である。
さほど高熱でもない自宅軟禁だったからやたらとテレビを見た。バカになるんじゃないかと思えるほどいろんな番組を見た。
通販番組まで見た。フライパンやら暖っか毛布を買いそうになるがギリギリでやめた。もう少し熱があったらボーッとしたまま買ってしまったと思う。
録画したままになっていた忠臣蔵関係の映画やドキュンメンタリーを全部消化できたのが個人的には嬉しかった。
50年ぐらい前の東映の「赤穂浪士」、大映の「忠臣蔵」もじっくり見比べた。前者は片岡千恵蔵、後者は長谷川一夫主演の大作である。
テレビが普及していない時代の映画隆盛期の大作だけにそりゃあそりゃあ面白い。現在毎年のように作られる数々の忠臣蔵モノの原点みたいなものである。
里見浩太朗や松方弘樹あたりも若輩者の役で出てくる。今あの人たちが時代劇で別格の輝きを見せるのも当然だろう。あの時代のスターに揉まれていたわけだから別格だ。
それにしても昔の「時代劇専門のスター」は存在だけで神々しい。片岡千恵蔵と市川歌右衛門(北大路欣也のパパ)が向かい合って無言のまま思いをぶつけるシーンなど身震いしちゃうほどの迫力だ。世界遺産レベルだと思う。
東千代之介、大友柳太朗、黒川弥太郎、萬屋錦之介、市川雷蔵もカッコいい。まだまだ若手時代の鶴田浩二も勝新太郎もいい。いまどきの俳優のような爽やかさとは無縁の濃さが独特だ。
忠臣蔵に興味のない人には退屈な話題ですいません。
それにしても今年は娘とやたらと関わりが深い一年になった。
別々に暮らす様になって4年ほどたったが今年はかつてなく濃い付き合いが出来て父娘の絆も新たな段階に入ったように感じる。
プレゼントもいろいろもらった。お酒にポロシャツ、手紙なんかも貰った。全部宝物である。
そして年内最後のプレゼントがインフルエンザである。よりによって菌だ。
そんなものまで愛おしく感じたバカ親の年の瀬である。
2 件のコメント:
大石内蔵助を演じた片岡千恵蔵の重厚な演技は正に世界遺産ものですよね!ただ彼の若き日は結構、軽妙洒脱な演技もあって、もし機会があれば「弥次喜多道中記」や「鴛鴦歌合戦」をご覧になられてはと思います。特に後者は(時代劇ですが)ミュージカル映画として有名で千恵蔵だけではなく志村喬がリズムをとって歌っている姿が印象的な佳品です。あと忠臣蔵では外伝になってしまいますが、雷蔵ー勝新の「薄桜記」も非常な傑作でラストの雷蔵の殺陣は鳥肌ものです。
道草人生サマ
今年もよろしくお願いします!
昔の名作の数々をご教示いただき有難うございます。やはり、いにしえの俳優には独特の重厚感がありましたよね。時代のなせるわざなのでしょうか。
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