2019年3月13日水曜日

「なんとなく」の恐さ


日々、残りの人生をいかに楽しく生きるかしか考えていない私だが、最近つくづく気になるのが、世の中に広がる政治への無関心だ。

今日は少しだけ固い話。

安倍首相の連続在職日数は歴代2番目である。あの吉田茂元首相よりも長い。このままいくと今年11月には通算在職日数でも歴代1位になる予定だ。

まれに見る長期政権である。民主党政権時代のズッコケぶりに辟易とした国民が選んだのが自民党一強という今の政治情勢である。

小選挙区制を柱とした選挙制度の副作用もあって、一強自民党の中で執行部もまた一強となった。必然的に安倍体制に反旗を翻す動きもない。

あくまで民意の結果が今の状態だが、その支持が積極的なものかといえば話は違う。

積極支持ではなく、「無関心」や「なんとなく」の広がりが安倍一強体制を支えている大きな要因だ。

「なんとなく支持」が広範囲に広がった理由が、いわゆるアベノミクスである。

経済政策が以前よりはうまく進んでいるというイメージが安倍政権の強みになっている。

無関心層にしても、経済対策で一定の成果を上げているとアピールされれば、「まあいいか」という思考回路になる。

確かに経済政策で成果を上げているのなら誰もがハッピーだが、その成果とやらが“演出”によるものだったら重大な欺瞞だ。

成果を裏付けるものはデータである。データ上の数値がすべてと言ってもいい。その意味では、厚労省の統計不正問題は単なる数字のインチキで済む話ではない。

現在の政権を「なんとなく」安定させている根っ子の部分のデータが明らかに間違っていたということに他ならない。

こればかりは無関心でいいはずがない。無関心が招くものは為政者の独りよがりであり、そのツケは国民すべてに跳ね返る。

私は社会主義者ではないし、共産主義も嫌いだから、必然的に支持政党は自民党だ。とはいえ、長期政権にあぐらをかく安倍体制には大いに疑問だ。

先日、森友問題の籠池被告の初公判が開かれたが、国会でそのことを問われた安倍首相は「そのことを存じ上げていない」と言い放つ傲慢ぶりを見せた。

同じ日の国会では、内閣法制局長官が野党議員に皮肉を言い出す珍事も起きた。官僚中の官僚であるそんなポジションの人間が脱線発言で結局は謝罪する事態になったことは、政権のユルユル加減を象徴する話だと思う。

傲慢だろうとユルユルだろうと、国民が無関心であり続ければ政権にとっては痛くも痒くもない。これって結構恐いことだ。

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」という有名な格言がある。最近の安倍首相の表情を見るたびにそんな言葉を思い出す。

0 件のコメント: