2019年6月17日月曜日

内視鏡と特別食堂


毎年恒例の内視鏡検査に行ってきた。今年は昨年取らなかったやや小さめのポリープ切除があったので、例年より早い時期に行ってきた。

口とお尻からカメラを挿入されるなんて考えただけでも卒倒する話だが、実は私にとってこれがすこぶる快感。ピエール瀧の気持ちがちょっと分かるほどだ。



もちろん、挿入されるのが気持ちよいわけではない。私は挿入する方が専門だ。おっと話がそれた。

内視鏡を入れるのが快感ではない。検査前に強力鎮静剤で落とされるのが物凄い快感だ。

例年のことだからこっちも慣れたものだ。クスリで落ちないように必死に抵抗する。この抵抗している時のクラクラが抜群に気持ちよい。

クスリが効いてくると「来た来た~、来てる~。う~負けないぞ~」と叫びながら宇宙がグルグル回り始めてストンと落ちてしまう。

目が覚めたときには個室の処置室にポツンと一人。ホントに検査したのかいな?って思うぐらいアッサリ終了。

終了後、数時間は鎮静剤が残っているからフワフワ気分で過ごす。全身が弛緩するらしく肩凝りもなくなっている。

朝、昼を抜いての検査だから、楽しみはその後のドカ食いだ。今回は大きめのポリープを二つも取ったから、しばしの禁酒令を言い渡される。フワフワ気分のまま飲むビールが最高なのだが、今年は真面目に我慢する。

飲んじゃうと別に死んじゃうわけではないが、ポリープを切除した部位から出血しちゃうらしい。歩きながらお尻から血をビュービュー流すのもカッコ悪いので仕方がない。

空腹でたどり着いたのは日本橋高島屋本館の特別食堂である。ウナギを攻めようかと思ったが、帝国ホテルのメニューが色々揃っていたのでそっちを選ぶ。



帝国ホテル名物のシャリアピンステーキとエビフライである。エビフライの海老自体がさすがに味の濃い上モノだ。タルタルソースをベトベト付けまくってムホムホ食べる。

ノンアルコールビールでもウマい。近頃のノンアルビールは一昔前に比べて格段にそれっぽい味になった。技術の進歩が有難い。

それにしても高級デパートの「特別食堂」ってなかなかの穴場である。三越、高島屋クラスだと入っている店も高級老舗店が多い。

高島屋だって野田岩のウナギと帝国ホテルのシャリアピンステーキが一緒に頼めるわけだから画期的である。

平日の午後、楽しそうに食べているのはオバサマばかりである。世のオジサマ連中には無縁の世界のように見えた。

ああいう場所でああいう時間を過ごしているから、オバサマ達の平均寿命は男より遙かに長いのだろう。

さてさて、話を戻す。

それにしても揚げ物の茶色にはなぜあんんなに私を引きつける力があるのだろうか。

先日の週末もバンド練習の後の飲み会で胃が疲れているのに、結局注文したのは茶色い揚げ物だ。



クリームコロッケ、うずら串カツ、つくね串カツである。ソースをベトベト付けてニコニコと食べてしまった。

その前日も銀座の小料理屋「おかやす」で絶品メンチカツを頬張っていた。牛粗挽き100%の本気のメンチである。マズいわけがない。



揚げ物の茶色は私にとってセクシーダイナマイトと呼びたいぐらい魅力的だ。トンカツ、エビフライ、クリームコロッケだけでも1か月ぐらい余裕で暮らせるような気がする。

テーブルの上に置かれるだけでワクワクする。「茶茶茶っ、おもちゃの茶茶茶っ!」とヘンテコな鼻歌を歌いたくなる。




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