2020年2月19日水曜日

ナゼか漢検を受ける


先週末、何を血迷ったか「漢検」を受けてきた。漢字検定である。



娘にそそのかされて、というか、娘に「そんなもんチョロいぜ」と言ってしまった手前、受けないわけにはいかなくなり、親子一緒に2級の試験を受けに行った。

合格ラインは正解率8割だとか。娘は余裕だったみたいだが、私は7割に満たない程度で惨敗である。

読みに関しては100%出来たが、実際に漢字を書かされる設問が多かったから合格ラインには届かない。書けるつもりで書けないもどかしいものがいくつかあった。

一番のショックは「勃発」の「勃」が書けなかったことである。「勃起」の「勃」である。毎日のように口にしている言葉なのに、いざ書こうとしたら微妙に思い出せない。



悔しいったらありゃしない。「勃」が書けないなんて男として生き恥をさらしている。反省だ。

他にも旧字はダメだと分かっていたのに「蛍雪」と書くべきところをを「螢雪」と書いてしまう意味不明なミスを犯すなど完敗である。

さて、ここからは言い訳だ。私は漢字には強い方だ。なんてったって書きもの商売である。30年以上も書く仕事に携わってきた。

しかし、ここ20年以上、書くという作業はキーボードを叩くことになってしまったから、若い頃はすらすら書けた漢字がすぐに出てこない。

ついでに言うと、新聞業界は独特の送りがなを使うので、厳密にいえば正しくない用法でいつも漢字と向き合ってきた部分もある。

おまけに普通に書ける漢字も、殴り書きが習性になっているから、はねる、とめる等のキチっとした部分が曖昧になりがち。

ササっと書いても流し書きみたいになっちゃうと不正解にされてしまう。いちいち消しゴムで消してキチキチ書き直す作業に追われた。これに随分時間を取られた。



お手上げだったのは「部首」の問題。部首なんてこの40年以上まったく意識したことはない。中学高校時代ですらこんなものを習った記憶がない。そんなはずないか・・・。

この質問を見ても「何ですのん?」とポカンとしてしまった。当てずっぽうに答えたら半分は正解だったが、部首なんて基本から勉強し直さないと全然分からない。

一応、試験前に問題集を買ってはみたが、ちゃんと活用するほど開かなかった。やはり真剣に勉強しないとさすがに正解率8割は厳しい。私のようにナメてかかると痛い目に遭う。

ただ、過去問を10年分ぐらいしっかりこなして、部首の勉強を数日は真剣にやれば、オジサンオバサンだって合格は可能だろう。

問題はその「努力」をちゃんと出来るかどうかである。高校生の頃、参考書を買うだけで満足しちゃった人は多い。まさに私のことだ。



今回も受験申込みをして問題集を買った段階で、妙な達成感?があった。「こんな歳になって漢検を受けてみる自分」に満足していたのだろう。

バカである。

でも、とっても楽しい時間だった。これは予想外だった。いまさら試験というものを真面目に受ける機会はなかなか無い。

試験官の合図で答案用紙を開いた瞬間のアノ独特な緊張感にグっときた。必死に集中して設問を解いていく作業は結構刺激的だった。

シャープペンに消しゴムである。これまた日頃は使わなくなったアイテムだ。カリカリと解答を書いていく作業が新鮮だった。日頃ヌタヌタした?暮らしぶりの私の心が洗われていくような気がした。

脳トレには非常に良い。たかだか1時間程度だったのだが、試験が終わったら仕事の時とは違う心地良い脳ミソの疲れを感じた。

娘が不合格になってくれれば一緒に再挑戦するのだが、私ひとりではモチベーションが上がらない。

娘の鼻をあかすために、こっそり準一級を受けようかと考えたのだが、準一級の過去問を見たらまるで無理である。

準一級はちょっと異質な世界みたいだ。試験内容が専門家向けというか、あまりにもマニアックである。

日常的に役に立つというレベルでは2級の勉強をしたほうが賢明だと思う。

思いつきで1回受けたぐらいで終わりにしないで、きっちり合格を目指したい気持ちも一応は持っている。

問題はそこから先のモチベーションの維持だ。ヌタヌタした暮らしにどっぷり浸ってしまった私にとっては険しい道である。



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