いまやスネ毛が私よりも濃い息子だが、知能的には小学校低学年レベルである。ここぞとばかりに私にべったりだ。散歩したり温泉やプールに入ったりして過ごした。寝る時までもそばにくっついてくる。
5年ほど前にもこの「元家族旅行」の意義について書いた。(https://fugoh-kisya.blogspot.com/2018/08/blog-post_13.html)。私にとっても毎年の課題になっている。
離婚して10年以上が過ぎたがこういうパターンの付き合い方は珍しいのだろう。まあヨソと比べる必要はないがこれはこれで悪くない。親っぽいことが出来た。
草津はとにかく温泉の泉質がバツグンである。日本全国の温泉地と比べても別格だと思う。それよりも何より夏場のこの時期は涼しいのが有難い。東京の猛暑に比べてあちらは昼でも高くても25度程度、朝夕は薄手の上着を羽織りたいぐらいの温度だったからエアコンいらずで過ごせた。
さて、今さら「元家族旅行」の意味などを書いたところで仕方ないので今日は旅の土産について取り上げる。普通の人より10倍か20倍ぐらい旅をしてきた我が人生において、旅の最大の楽しみは「無事に家に帰り着くこと」だと感じる。
元も子もない結論だが、どんなに最高の旅だったとしても家に帰り着いた瞬間のホッとした心地良い気分は類まれな感覚だと思う。ひょっとするとあの気持ちを味わうために旅に出かけるのかもしれない。
さてさて、旅にはお土産が付き物である。人に配るものはさておき、自分用のみやげをアレコレ選ぶ楽しさも旅行の楽しみの一つだ。たとえ現地の地名だけが書かれた安い使い捨てライターでも使う際にはその土地のことを思い出す。
Tシャツも買い続けてきた。潜水旅行ばかり出かけていた頃は当然ながら暑い場所ばかりだったから、みやげというより現地で必要な着替えとして買い続けた。人生において旅先で買ったTシャツは2~300枚にはなるのではなかろうか。今はその10分の1も残ってはない。
20年前にバリ島で買ったTシャツを今も寝間着に使うことがある。当然ヨレヨレだ。ナゼか生地感が柔らかくて妙に気に入って穴が空いているのに捨てられない。でも、時おり当時の旅を思い出して悦に入っている。
カリブ海の方で買ったチェ・ゲバラが葉巻を咥えたカッチョいいTシャツは娘に奪われてしまったのだが、娘がオーバーサイズ的にそれを着ている姿を見るたびに現地でのアレコレが思い出される。
7~8年前から始めたのがマグネット集めだ。マグネットなら何でも良いわけではない。現地の名物料理がモチーフになっているものに絞って買うようにしている。わが家の冷蔵庫にペタペタ貼り付けている。
食べ物のマグネットに絞っているから探すのが結構大変でもある。先日のタイ旅行でもなかなか見つからず苦労した。あきらめかけていた旅の後半でカオマンガイやガパオライスのマグネットを見つけて狂喜乱舞した。きっと探す楽しみと見つけた時の喜びが私の旅の目的の一つになっているのだろう。
集め始めたのがわりと最近なのが悔やまれる。マグネット集めを始める前のほうが頻繁に海外旅行に出かけていたからもっと早く始めていれば、それこそ全世界の奇天烈マグネットが我が家の台所に所狭しと並んでいたはずだ。
スペインのパエリヤ、フランスのワインやクロワッサン、ドイツのビールやソーセージ、台湾の小籠包など実際に現地で食べたわけだから、その気になってマグネットを見ると旅の思い出に浸れる。国内バージョンも函館のイクラ丼や福岡の豚骨ラーメンなどはブツとして可愛いからラインナップに加えている。
今後どんどん増えていけばそれだけ旅を重ねられるという意味である。私にとってはコレクションを増やすことは元気で順調に生きていることの証にもなる。いわばマグネットを増やすことがちょっとした人生の目標みたいになっているわけだ。
ところで草津温泉には名物の食べ物はない。強いていえば温泉まんじゅうだがそんなマグネットなど見たことがない。そうなると食い意地がはった私はどうでもいい食べ物を土産に買ってしまうのが常だ。
草津にはウン十年通っているから今さら蕎麦だの山菜だのには興味がない。今回入手したのはあんずジャムと謎のミルクジャムっぽい商品である。
びっくりするようなウマいものに遭遇することなど無いと知っているのに旅先だとこういうものが欲しくなる。普通に美味しかったのだがわざわざ我が家の冷蔵庫を大混雑させるほどの価値があったかはビミョーである。
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