2024年4月12日金曜日

コンビニさまさま


20代の頃の一人暮らしの際、冷凍食品やコンビニメシに随分お世話になった。でも、ウマいものを食べるという感覚はなかった気がする。非常食というか仕方なく空腹を満たすだけだった。実際たいしてウマいものも無かった。

 

その後、家庭人生活を経て中年になってから再びシングルライフに返り咲いたのだが、この間にコンビニメシも冷凍食品も格段の進歩を遂げていた。びっくりするぐらいウマいものに出会って衝撃を受けることすらある。

 

便利な時代になったものだ。健康面を考えなければコンビニが近所にありさえすれば24時間365日食事の心配をしないで済んでしまう。

 

さすがにこの歳になるとコンビニメシをせっせと買うのは自尊心、いや自意識過剰が邪魔をしてちょっと気が引けるのだが、スイーツに関しては食事を買うよりも気軽に買える。実際にしょっちゅう買ってしまう。

 

前の住まいの隣にセブンイレブンがあった。その前の住まいは目の前にセブンがあった。というわけで私は自然にセブン派になった。今の住まいから一番近いコンビニもセブンだ。

 

今の住まいから最寄りのセブンまでは徒歩2分もかかる。それ以前の便利さからすると異常に遠い。だから寄った時はついつい多めにスイーツなどを買い占めてしまう。

 

セブンのスイーツの中でも冷温コーナーに置いてある商品はしょっちゅう新商品に入れ替わる。何年か前に私が死ぬほど好きだった「バニラ香るチーズテリーヌ」もアッという間に入れ替わってその後は見かけなくなってしまった。

 



セブンと覇権を争うローソンでは「どらもっち」や「もちぷよ」など人気商品が定番化されて常備されている。気のせいかセブンの方が入れ替えが頻繁すぎるように思う。ぜひウマい商品を定番化して常備するパターンを推進して「バニラ香るチーズテリーヌ」を復活して欲しい。

 

そんなセブンイレブンだが、冷温コーナーではない場所に目立たずに並んでいるスイーツに見落とせない絶品商品がある。羊羹とか地味目の菓子が並んでいる常温の棚に置かれている「みるく餡まん」である。

 



だいぶ前からの定番商品らしいが、私はいつもシュークリームやエクレアがある冷温コーナーばかりに気を取られてこの絶品商品を見逃していた。最近になって食べてみてビックリ。バカウマとしか言えない。ドストライクだった。賞味期限も長いので今では我が家の常備アイテムになった。未体験の人はぜひ食べていただきたい。本気でウマいと思う。

 

セブンといえば、ちょっとこだわったラインナップの「金の~~」シリーズが人気だ。お惣菜やハンバーグやシチューといった食べ物系の他にスナック菓子なども用意されている。通常商品より値段も高く昔のコンビニイメージを覆すような商品も多い。

 

最近の私のお気に入りが「金のアイスあずき最中」だ。実に真っ当な味がする。きちんとした美味しさとでも表現したら的確だろうか。衣もアイスもあんこも真面目に丁寧に作られたような味がする。お茶と一緒に味わうとホッコリする。

 



「コンビニで売ってるものなんてロクなもんじゃない」的な空気が230年前の世の中には確実に存在した。世代的に私もそんな認識に縛られている面はある。きっと今の若者には無い感覚だろう。味が進化するに連れ「コンビニ弁当は高い」という声まで普通に聞こえるようになった。

 

確かにコンビニのおにぎり陳列コーナーにはよく見ると妙に高価な商品もある。洒落たパスタなど案外強気な値段設定の商品も珍しくない。昔からの習慣でコンビニ商品の値段など気にせずにアレコレ買ってしまう私だが、レジで合計金額を見てちょっとたじろぐことも増えてきた。

 

これからの世の中は貧富の差の拡大と固定化は一層進む。当然、コンビニの行末も今のままというわけにはいかないだろう。高級コンビニと大衆コンビニといった「クラス分け」も進む。

 

そんな状況になったら高級コンビニだけに通う爺さんになりたい。そしてより高級に進化した「バニラ香るチーズテリーヌ」を味わいながら暮らしたいと思う。




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