2024年4月19日金曜日

散歩と豚丼

 

散歩が楽しい季節になった。都心に暮らし始めてから散歩のついでにムダ遣いをすることが増えた。住宅街を散歩しているなら“無料”で済むのだが、繁華街だとついついウマそうな和菓子を買ったり、ジャンクフードを衝動食いしてしまう。

 

今の住まいは三越前駅にも人形町にも近いからどっちに行っても私の購買欲は上がってしまう。三越に行けばデパ地下に寄って惣菜やスイーツをあさってしまう。「たねや」の水ようかんなどはこれからの季節の生活必需品かのように買ってしまう。

 

人形町も老舗和菓子屋がいくつもあるから甘味だけでなくロクに食べない煎餅なども衝動買いをする。水天宮に近い「三原堂」は甘味の他に塩せんべいが人気だが、私の好みはコーン味と甘辛醤油味のあられだ。ちょっと高いのだが立ち寄ると条件反射で買う。




パン屋さんがあれば翌日の朝用にお惣菜パンや甘いパンをいくつも買う。同居する娘に収奪されると困るのでついつい多めに買う。でも健康志向の娘は私が買うようなパンはほとんど食べない。結局私が太り続けることになる。

 

先日は近場散歩ではなくレンタルチャリに乗ってアチコチぶらぶらしてみた。昨年レンタルチャリに目覚めてから改めて自転車の便利さを思い知らされている。自転車だと東京が妙に狭く感じるほどアッという間にいろんな所に行ける。

 

この日はあてもなくチャリを漕いでいたら御徒町方面に近づいたので上野や湯島界隈をぶらぶら。ちょっと小腹がすいてきたのでカツ丼でも食べようかと思ったのだが、洋食屋さんに入りたい気分にもなってウジウジ悩む。決断できずにチャリを漕いでいたら秋葉原を超えて神保町界隈にまで移動した。

 

夕方だったので夜の営業開始まで閉まっている店が多い。何度かドカ食いに出かけた「揚子江菜館」なら通し営業だから名物の上海焼きそばと餃子でも食べようかと思ったのだが、「タレカツ丼」の店の前でこっちもウマそうだと再び悩む。

 

あーでもないこーでもないとウジウジ悩む時間は案外楽しい。休日の夕方の一人散歩である。ひたすら自由である。レンタルチャリを捨てて神保町をさまよう。場所柄、若者が喜びそうなラーメン屋やハンバーグ屋などガッツリ系の店が目に付く。

 



カツ丼、洋食、中華、どれも食いたい。もはや迷走状態だった私の目に飛び込んできたのが「豚大学」の看板だ。新橋の聖地?であるニュー新橋ビルにある豚大学には何度か行った。ドカ盛りの豚丼が楽しめる豚好きには天国のような店だ。神保町にもあったとは知らなかった。

 

迷走していた私の脳は一気にクリアに整理された。豚丼で決まりである。もちろん選ぶべきは「大」である。5年前なら上の画像みたいな「特大」を頼んだはずだがさすがに今は厳しい。


正直、年齢的にも常識的にも「中」を選んだほうが間違いないのだが、ここに来たからには男子たるもの「豚丼・大」である。

 

食券機で缶ビールとトッピング用の温玉も選んで席につく。休日の明るい時間にせっせとチャリを漕ぎ終えたあとのビールだ。マズいはずがない。幸せを絵に書くとしたらこの状況しか思い浮かばないほどだ。

 



で、豚丼大である。肉もどっさりだ。最初の数枚は肉だけをつまみにしてビールを味わう。数枚の肉を剥がそうが豚丼大はビクともしない。ものの数分でビールタイムは終了。あとはドンブリを抱える時間である。

 

こういう豚丼専門店は都内には少な過ぎると思う。牛丼屋の安さに比べると本格豚丼専門店は価格面で勝負にならないのだろうか。豚丼の本場である北海道の帯広なら市内にいくつも豚丼専門店は存在する。ああいう成功例が実際にあるのだから東京にももっと豚丼文化が浸透してほしいと思う。

 

さて、豚丼大である。ある程度食べ進めたら味変を楽しむためにグシャグシャに混ぜた温玉を投入する。また新たな美味しさを喜びながら噛みしめる。

 

さすがに「大」は米の量もやたらと多い。若者じゃないのだから「中」サイズにして「肉増し」を選択したほうが正しかったかもしれない。いや、そんな弱音を吐いたら一気に老化が進みそうだからやはり豚丼は「大」が正解だ。

 



ちょっと苦しんだがドンブリメシを残すという所業は私の辞書には無い。頑張って完食。さすがに苦しい。でも苦しさを感じるのは健康の証とも言える。そんな意味不明な言い訳で自分を納得させる。

 

再びレンタルチャリを使って帰路につく。わりとすぐに家に着きそうだったので腹ごなしにいろいろ遠回りしてみた。普通の自転車ならこの日の走行距離ならそこそこの運動量になるだろうが、レンタルチャリは電動自転車だからダメである。ラクチンでちっとも運動にならない。

 

散歩という健康志向のはずの時間が単なるカロリーオーバー大会になってしまう私のワガママな食欲が残念である。

 

 

 

 

 

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