2026年9月16日水曜日

パスタとスパゲッティー

 

今年は冷やし中華を一度も食べなかった。私にしては大事件である。あんなに好きだったのにゼロとは我ながら不思議だ。何度か買って冷蔵庫に入れておいたが賞味期限切れで処分した。

 

昨年、体調管理を目的に小麦粉の摂取を減らしたことが異変の原因だ。昨年の秋ぐらいまでは結構気を使っていたがその後はさほど気にせず時々はパスタもパンも普通に食べている。

 

なのにナゼ冷やし中華に背を向けてしまったのだろう。一生分食べまくったから飽きちゃったのかもしれない。


もともと外食では冷やし中華は食べない。麺がちょこっとで不要なサラダみたいな具がエバっているのがイヤで、あくまで自宅で硬く茹でた2玉をチャーシューだけ乗っけて食べるのが私の好みだ。

 

おそらくインスタのリール動画で覚えた手抜き簡単調理をあれこれ試したり、ウーバーでのデリバリーを使うことがやたらと増えたから冷やし中華を作る機会が無くなってしまったのかもしれない。

 

そろそろスーパーの売り場から冷やし中華が消えちゃうから賞味期限の長い袋麵シリーズの商品を早めにストックして再び向き合う日を待とうと思う。

 

話は変わる。小麦分野の麺の代表格といえばパスタである。私も元来パスタ好きだ。いまだに酔っぱらってコンビニに入るとナゼか弁当コーナーのパスタを食べもしないのに買ってしまうクセがある。

 

本場イタリアでも各地の名物パスタを食べ歩いたし、家庭人時代には元嫁さんに毎週末2種類以上のパスタを作ってもらったし、独身に戻ってからも少し前までは頻繁に自宅でも作っていた。

 

先日、銀座の小洒落たカジュアルイタリアンバーで久しぶりにペペロンチーノを食べた。パスタの中でも案外自作が難しい一品である。外食でもマズいやつに当たっちゃうことは多いから何となく注文する機会が少ない。

 



 この日は連れのオネエサン主導で珍しくワインをグビグビ。食べ物もそっちに任せて注文してもらったから久々のペペロンチーノとご対面。

 

結果、なかなかウマくてムホムホしながら食べた。どことなく若い頃を思い出すような感覚だった。コリドー街に近いこの店はタバコも吸えたし、一人客も多いと聞いたので隠れ家的に時々使わせてもらおうと思った。

 

それから数日後、またもや銀座で印象的なパスタに遭遇した。パスタではない。スパゲッティーである。某クラブのオネエサンの同伴要請に応じてしまったのがきっかけだ。ひょんなことでアゲアゲ気分になれた。

 

とある小料理屋のカウンターで食事をしていたのだが、なぜかこの日は私に食欲がなく、おまけにその店の日替わりのメニューにそそられる一品が無かったので早々に切り上げた。

 

同伴出勤の入店時間までは随分と時間が余ったのでカフェかどこかで甘いモノでも食べようという話になった。するとオネエサンが「プリンが食べたい」とズンズン目指す店に向かっていく。

 

連行されたのはかの「みやざわ」だった。もう25年ぐらい前から夜の銀座のアチコチで私がサンドイッチの出前を頼んでいる店である。銀座でクラブ活動に励むオジサマ族にとっては有名店である。

 

出前専門ではなく実店舗もあるとは知っていたが、入ったことはなかった。この日一緒だったオネエサンがこの店のプリンのファンとのことで、ひょんなことから店内で過ごすことになった。

 

何とも感慨深かった。なんなら30代の頃から出前ではお世話になっている店である。数々の思い出が甦ってエモい気分になる。肝心の店はといえば単なるカジュアルな喫茶店である。

 

サンドイッチや洋食メニューもあるので“夜の銀座風”のオジサン、オバサン、オネエサンが仕事前の腹ごなしをしている。そんな風景もなんだか「素の銀座」みたいな感じでオツである。

 

私もプリンを食べるつもりがメニューを眺めていたら方針転換を決定。「カルボナーラ」を注文することにした。喫茶店のカルボナーラを食べるのは学生時代以来だろう。妙にワクワクした。

 



で、出てきたのがコレである。パスタなどという表現は絶対に合わない。ニッポンの喫茶店のスパゲッティーである。ウマいかマズいかという論評の外側にある存在だ。コショウを追加でドバドバかけてむさぼった。

 

我が人生においてそこそこの時間と労力を割いた「夜の銀座」という世界における一種のハイライトみたいな瞬間だった。数えきれないほどいろんなお店に通い、いろんな経験をして、いろエロな事件にも遭遇して今や還暦を過ぎた私だ。原点、いや到着点みたいな気分で味わった。

 

ちょっと大げさな書きぶりだが、今風にいえばただただエモかった。

 

 

 

 

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