2008年12月18日木曜日

ズレた考え

先日まとまった与党税制調査会の来年度税制改正大綱は、この不況を背景に減税色を前面に発揮した内容になった。

大げさでなく、経済の危機に直面するなか、当たり前といえば当たり前だが、麻生首相の指示した「3年後の消費税引上げ明記」を無視したことは英断といえよう。

首相の指示を無視すること自体、問題がないわけではないが、指示自体がトンチンカンなら仕方あるまい。

消費税増税を打ち出すことは、責任政党として大事だという意見もあるが、今は、歴史的な経済構造激変期の入口にあるわけで、消費税増税を持ち出すこと自体がナンセンス。いくら3年後の話だとしてもまったく意味のない話。

私は、どちらかといえば消費税増税論者だ。単一税率の公平感は、罰則的な累進税率を採る主要直接税より、よほどスッキリしている。財政事情、景気事情次第で税率引上げは支持したいが、今の時点でそんなことにこだわる麻生首相のズレは大いに問題だ。

与党税調にソッポを向かれた麻生首相は、懲りずに今度は経済財政諮問会議が中期的な税制改革の指針を示す中期プログラムの原案に「3年後の消費税明記」を盛り込ませようとしている。

こうなると偏屈の一言だろう。バッシングが集中している全世帯への定額給付金は2兆円規模の予定。消費税を1%上げれば、税収は2兆8千億円。仮に消費税を現行の5%から8%にしたら、単純に8兆円以上の増収になる。

「2兆円ばらまくから、あとあと毎年8兆円よこせ」って言ってるように見えて仕方ない。

この中期プログラムの原案は、与党の一角である公明党が消費税増税の明記に断固反対している関係で、すんなり閣議決定に至る可能性は低い。

ひょっとすると連立解消、政界再編もしくは、ヤケクソ解散の導火線になる可能性も否定できない。

消費税増税の道筋をつけることが、歴史に名を残すことだと思い込んでいるフシがある麻生首相だが、このこだわりが、政界液状化の引き金になるかもしれない

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