帝国ホテルの「ラ・ブラスリー」に行ってきた。古典的かつ日本的?なフランス料理を味わえる貴重な店だ。インペリアルタワーの地下1階。周囲には、天一や鮨源などがあるエリアだ。
基本的に私はフレンチが苦手だ。とくに創作系は全然ダメ。そんな私でもこの店のメニューは眺めているだけで安心。何が出てくるか分かる。
小学校から高校までフランス語を勉強させられる学校に通ったが、フランス的なものは大体苦手だ。ヒステリックなフランス人の教師や、得体の知れないフランス語の発音に苦しんだことが原因だろう。
そんなことはさておき、レストランの話だ。ひとことで表現するなら「ラ・ブラスリー」は、日本人が作る“日本人的西洋料理”の最高峰だろう。
その昔、まだ東京の中心部でも外国人が歩いているだけで珍しかった頃の西洋料理だ。実際、この店の古典的なメニューには、今は亡き帝国ホテルの象徴・村上料理長考案のものがいくつもあるらしい。
前菜に出てきたのは、生ハムとチョリソーと鴨。酒のアテにちょうど良い塩加減。鴨の質が上等。変なソースをかけずにそのまま美味しく食べられたことが嬉しい。シャンパンやワインじゃなくても焼酎だって相手できる味わいだ。
前菜はもうひとつ。エスカルゴ。奇をてらわない昔ながらのエスカルゴだ。ガーリック、バターと渾然一体となったでんでん虫が口の中でうごめく。
お次の画像は、子羊の網焼き・ミント風味。ミントソースが添えられていたが、こちらもソースいらずの味わい。塩コショウされた子羊自体が美味しかったので、そのままでイケる。これもシャンパンやワインじゃなくても焼酎だってOKかも。ちょっと火が通りすぎていた点が残念。
続いては、名物料理のひとつ「海老と舌平目のグラタンエリザベス風」。つい肉料理を頼みがちな私だが、これには感激する。上質な海老にホワイトソースで味付けされた魚のすり身と舌平目が巻かれており、濃厚なアメリケーヌソースをかけて味わう。
単純明快に旨い。誰でも美味しいと感じるストレートな味。老若男女問わず笑顔になれる味わいだろう。
もうひとつの名物料理がシャリアピンステーキ。叩いて軟らかくなった肉をおろしタマネギでマリネにして、大量の炒めタマネギがステーキソースとしてどっさり載っかる一品。「タマネギざんまいの柔らか肉」だ。野菜嫌いなくせにタマネギだけは好きな私には嬉しい一品。“肉肉しい”牛肉が年々、縁遠い存在になってきた私は、全体に軽やかな食感に大満足。
このあたりの料理は、どう頑張っても焼酎ではない。シャンパンがグイグイすすむ。
“炭水カブラー”な私がついつい注文したのがシーフードピラフ。ホテルめしのピラフに目がない私にとって、これをオーダーしないわけにはいかない。
変な話、値段の高さに惹かれる。街場の喫茶店のピラフだったら5個は頼めそうだ。普通のシティホテルのカフェと比べても2倍はする。ピラフ好きにとっては気になる。
肝心のお味はというと、街場の喫茶店のピラフよりは3倍は美味しい。上に載っているカラマリフライ用のブイヨンソースが味を引き締める。
「特製ソースかけピラフ」の類が好きな私は大満足。でもピラフだけ言えば、このブログでも何度か書いた九段下のホテル・グランドパレスのほうが好きかも。
全体に満足した食事だったが、やはりオールドファンションの高級ホテルの良さを随所に感じた。サービスの質、客層の安定感など一朝一夕では醸し出されない空気が高ポイントだろう。
ハヤリモノ、最先端をついつい敬遠する私としては、至極真っ当かつ快適なレストランだと思う。
2008年12月26日金曜日
帝国ホテル「ブラスリー」
ラベル: 中年グルメ
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