2010年1月26日火曜日

おでんバンザイ

いろんな店を探検したいと思っても、季節柄、寒さに負けておでん屋さんばかり訪ねている。

先日も、銀座の「おぐ羅」へ。錫のヤカンで燗付けする白鹿が私を呼ぶ。ここのヤカン酒は単純明快に美味しい。ただの白鹿なんだが名ばかりの吟醸や純米より遙かにウマい。

お燗酒は、たいていの店で下等な扱いを受けている。もったいないことだ。まあ杜氏さんが渾身の力を注いで作る酒が純米なり吟醸だから仕方ないが、燗のつけ方によっては,フツーの日本酒だって抜群だ。日本の冬を彩る絶品だろう(大げさ)。

そんなことを力説している割には、ほんの2杯、3杯でハイボールに移行してしまうのが私のいい加減なところだ。

しめ鯖やカニのカニミソ和えなんかをつまみながら、燗酒をズズッとすすっていると店の空気感も相まって実にホッコリする。

この店、独特の空気感が良い。騒がしい若者は皆無だし、銀座っぽいオジサンやオバサンが嬉しそうに楽しんでいる。

先日は、私の横で独特な雰囲気の3人組が喧々囂々。昭和の新聞人って感じの風貌。聞き耳をたてたら案の定、某日刊紙OBの集まり。マスコミ人特有のウンチクと武勇伝を持ち回りながら楽しそうに呑んでいる。

こういう濃ゆい感じも「おぐ羅」っぽさなのかもしれない。

奇をてらった料理は無いが、小骨一本見あたらないアジフライなんかはニンマリする味。安くない価格設定、いや相当に高い価格設定に比例するかのように普通の食べ物が普通以上に美味しい。

最近サボリ気味のダイエットだが、おでん屋さんで大根とかゼンマイとか食べていれば肉を頬ばるより断然有利だ。なるべく揚げ物系以外のネタを食べていれば安心だ。

この日、調子に乗って〆の炭水化物に手を出した。といっても、雀の涙ほどの分量なので大丈夫だ(?)。この店の人気メニューの「出汁かけ茶飯」だ。

薬味はほんの少しの刻み葱だけ。あとはだし汁を茶飯とともにすするだけ。どんなに体調不良だろうとどんなに満腹だろうと「ウマい」とつぶやける味だ。

また食べたい。

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