2010年11月19日金曜日

靴が綺麗な男


最近面白がっていることの一つが靴磨きだ。
“シュー・シャイン・ボーイ”だ。せっせと磨く時間が楽しい。

先月の終わりに「人は見た目」という内容を書いたが、最近、キチンとした身なりをするよう自己改革努力中なので、靴との付き合いも変えてみようと決意した。

然るべき人を観察してみると、みな「キチンとした身なり、パリッとした身なり」をしているが、そういう人達は例外なく靴が磨きこまれている。

「然るべき人」に変身を企んでいる我が身にとってもこれは一大事だ。汚い靴を履いているつもりはないが、磨き込んではいない。いかんいかん。頑張らねば。

たいして高価な靴ではなくてもキチンと手入れをすれば美しく光り輝く。その作業を自分でやるのが楽しくなってきた。

わが社の隠れた靴マニアにアレコレ教わって、必要なグッズも調達してもらった。靴なんて嫁さんが綺麗にするものだと思い込んでいた私にとって、この作業は実に新鮮。

女性蔑視みたいで恐縮だが、靴の手入れは男ならではの作業だと痛感する。女子どもがチャッチャとこするようではダメだ。男っぽい仕事だ。先日もノリノリで磨いていたら汗だくになった。

調子に乗って仕舞い込んでいたバックやブリーフケースも、クリーム塗り塗り、クロスでゴシゴシ。一心不乱に磨いてみた。上質な皮が輝きを取り戻していく感じって、どことなくエロティックな風情だ。

なで回したくなるし、臭いも嗅ぎたくなるし、倒錯の世界に入っていくようで悪くない。

おっと、脱線しかけた。

綺麗な靴を履きこなす男性は女性陣から「奥様に大事にされてるんですね」なーんてセリフを言われることがある。

あれは錯覚だろう。他人様の目を引きつけるほどに磨き上げられた靴を履く男性の多くが、妻任せではなく自分でせっせと磨いているのだと思う。そうでなければ駅頭の馴染みの靴磨きオジサンに世話になっているはずだ。

自分でぴかぴかに仕上げてみて、そんな真理に気付いた。奥さんがエラいのではない。本人が好きでやっているだけだ。そんなもんだろう。

考えてみれば、私だって自宅で愛用する徳利やぐい呑みは、酔っぱらっていても自分で洗う。男の趣味性ってそういうものだと思う。

そうはいっても靴にさほどのこだわりがない私だ。いつまで続くかが問題だ。ただ、スーツやコート、シャツなんかも「キチンとしたもの」に一新せねばと考えている間は、きっと靴磨きも飽きずにやるのかも知れない。

自分用の靴手入れ用の馬毛ブラシやクリーム類を専用箱にセットして悦に入っている。魔法の道具箱みたいで楽しい。先日は、頼まれてもいないのに娘の通学用の革靴まで磨き上げてしまった。こり始めるとキリがない。専用箱に次はどんなグッズを買おうかなどと楽しく思案中。

でも、嫁さんが使っている靴お手入れセットを覗いてみたら私の比ではなかったのがチョット切ない。あの「ジョン・ロブ」の高そうなクリームなんかもゴロゴロある。

今まで私のために使ったことはあるのか、さりげなく聞いてみた。

「あれは高い靴にしか使わないから」。それが答えだ。すなわち、私の靴ごときでは利用許可はおりないらしい。

悔しいから10万円ぐらいの靴をダースで注文してみようか。さすがに無理だ。

やはり宝くじを買いに行かねば。

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