2011年10月7日金曜日

煙人生

素敵な女性と親しい関係になろうとしても、たいていはケムに巻かれてオシマイだ。

逆に、女性関係で窮地に陥った時にも、私を糾弾する人を弁舌爽やかにケムに巻くように努力している

愛煙家歴30年ほどの私としては、そんな風に「煙」と日々密接に付き合っている。

強引な書き出しだが、今日は「煙」の話。

愛煙家としてのキャリアを思い返せば、きっかけは30年ほど前にさかのぼる。

15歳の頃だった。悪友達がオフザケでタバコを吸い出した。周りに流される真似っこになるのがイヤだったので、しばし悪の誘惑からは逃れていた。

そうはいっても、仲間うちの多くがプカプカ始めていたので、孤高のポジションは、たかだか半年ぐらいしか守れず、気付けばタバコに手を出していた。

「ちゃんと吸い込まないとカッチョ悪い。ふかしているだけのヤツはバカにされる」。タチの悪いことに、子どもの世界ではそういう変な認識があった。

半年遅れでデビューした私としては、そういうルールというか、不文律をはじめからクリアしようと頑張って隠れて練習した。今思うと本当にバカだ。呆れる。

いきなり、初心者がタバコを肺に吸い込んだらムセるのが普通だ。ところが、幸か不幸か、たまたまスムーズに煙を吸い込むことに成功したことが私の煙人生を決めてしまった。

初めて吸い込んだタバコの煙が肺を満たす。ムセなかった変わりに強烈なクラクラ感が私を襲う。ここで気持ち悪くなって吐いたりすれば良かったのに、クラクラは短時間で収まり、確実に「ぶっ飛んだ」私は、妙な快感と興奮を感じてしまった。

“あれから30年”。きみまろの漫談みたいだが、それから30年、ずっと煙を愛し続けてきた。

ちなみに現在、禁煙生活が3週間になろうとしている。ほぼ成功だろう。禁煙はあくまで紙巻きタバコの話で、葉巻はちょこちょこふかしている。厳密に言えば完全禁煙ではない。

過去にも何年かタバコをやめていた時期があったが、葉巻はやめなかったので、まったく煙と無関係になったことは、この30年間なかったことになる。


先日、たまに利用する香港の葉巻販売業者からお気に入りの葉巻を取り寄せた。キューバ産の「ファン・ロペス セレクション№2」だ。

キューバ産でも、コイーバやモンテクリスト、パルタガスなどの人気銘柄の陰で、ややマイナーな存在。そこがアマノジャッキーとしての私が惹かれる点でもある。

とあるサイトの論評では、この葉巻を「軽井沢の名水で煎れた珈琲のように清々しく、香りの良い味わい」と表現していたが、数あるキューバ産のロブストサイズの葉巻の中でも特にウマいと思う。

この逸品、日本での定価は1本2400円もする。100円マックが24コ食べられる計算だ。松屋の牛丼だって10人が食べられる。ポンポン買って気軽にプカプカできない値段だ。

海外の通販業者経由で買えば、キャンペーンとかでタイミングが合えば、日本の半額ぐらいで買うことは可能だ。それでも1200円だ。フィレオフィッシュが12個も食える計算だ。

そんなこんなで、エセ富豪としては悶々とするわけだが、今回はスーパー円高と業者のキャンペーンが加わって、かつてない破格値で手に入れることが出来た。

ただし、特別料金は50本入りのキャビネットにだけ適用されるため、他の銘柄も買いたいところを我慢して、ファンロペスだけを50本購入。

333ドルだ。買った日のレートだと日本円で2万5千円だ。1本あたり500円だ。ワンコイン弁当ぐらいの水準だ。

2400円が500円だ。これはバンザイだろう。毎日ふかしても50日も持つ。2日に1本なら100日だ。3日に1本なら半年近く無くならないわけだ。ウッシッシ。

オフィスに置いてあるヒュミドールと自宅にあるヒュミドールに半分づつ分けて仕舞い込んだ。お気に入りの逸品だ。面倒だが、ヒュミドールの湿度管理はちゃんとしようと思う。


職場では非常階段の踊り場に置いた私専用のアウトドアチェアが、葉巻休憩の憩いの場所だ。目の前に位置する某新興宗教団体の道場?に出入りする幸福そうな人達の顔を見ながら束の間のまったりタイム。

夜の街では、シガーバーにも行くが、最近は銀座でのクラブ活動の際にプカプカすることが多い。あの手の場所で、これ見よがしに葉巻をプカプカするキザなオッサンにはなりたくないのだが、何だかんだ言ってキザなオッサンになっている。

あの手の店は基本的に煙に優しい。タバコを吸う人も多いし、葉巻用の灰皿も常備してあるのが普通だ。たいていの店で葉巻自体を何種類か置いてあるから、持参し忘れてもなんとかなる。

だいたい、女性陣にヨイショされて調子に乗ったあげく、結局はケムに巻かれるのが夜の街での私の境遇だ。巻かれる煙はこちらで用意しておくのが紳士のたしなみだろう。だからいつもモクモクと煙まみれになっているわけだ。

なんか、うざったいオチになってしまった。

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