2011年10月17日月曜日

ラブラブ活動と景気

縁は異なもの、と言われるが、考えれば考えるほど人の縁は不思議だ。地球上には60億だか70億の人間が暮らしている。そのなかで知り合うこと自体が確率論的にかなり珍しいことだ。

知り合って、言葉を交わす、ましてや親しくなる、恋仲になるなんて奇跡以外にその偶然性を説明する言葉がない。

不思議とよく出会う人がいる。あれもナゾだ。以前、新幹線に乗るたびに「久本雅美」と同じ車両に乗り合わせたことがある。ほんの2ヶ月ぐらいの間で3回も遭遇した。

なんかの因縁があるのだろうか。

自宅の前でやたらとすれ違うオバサンがいる。ありえないほどの頻度で出会う。会釈する関係になったほどだ。どういう因縁があるのだろう。

銀座の路上でしょっちゅう出会うホステスさんもいる。いつも路上でバッタリ。狭い世界とはいえ、あれだけの規模の街だ。人出も多い。頻繁に遭遇するのは不思議だ。そんなに私が規則正しくあの街をほっつき歩いているのだろうか。ナゾだ。

変な場所で予期せぬ知り合いと遭遇することほど慌てることはない。

高校生の頃、女子高生と一緒に夕闇に包まれ始めた代々木公園にいた。学校とはまったく関係ない場所で距離も相当離れている。そこで、なぜか恐い先輩に遭遇した。

先輩は出歯亀趣味でもあったのだろうか、一人で威張って歩いていた。こっちは女の子と一緒だ。物凄く恐い顔で睨まれた。

翌日、学校で私は先輩を訪ねた。なぜだか分かんないけど謝った。それまで口を聞いたことの無かった先輩は意外に優しく応対してくれた。それを機会に親しくなったから「縁は異なもの」である。

同じく高校生の頃、渋谷にあったレンタルルーム(懐かしい響きだ・・・)で別の先輩と鉢合わせした。後ろから蹴っ飛ばされて気付いた。ああいう場所で知り合いに会うのはさすがに恥ずかしい。

大人になってから、というか、そんなに古い話ではないのだが、ある時、仕事関係の知人と変な場所で遭遇した。

その人とは20年来の付き合い。もう70歳を超えている人だが、いろいろとお盛んな御仁だ。都内某所の某シティーホテルのエレベーターの中でバッタリ遭遇。

平日の夕方だ。それぞれが押した行先階のボタンは客室しかないフロアだ。パーティーだ、食事に行くんだなどという言い訳が通用しない。それぞれ同行者がいる。慌てた。ほんの3秒ぐらいの間で脳みそはフル回転する。

「挨拶すべきか、知らん顔すべきか」

「相手の連れは奥さんじゃないぞ、誰だ?」、

「他人の空似か、向こうはこっちに気付いているのか」・・・・・。

年長だし、お世話になってる知人だ。さすがにチラッと挨拶してみた。気付かないフリをされたが、相手の連れがその人を突っついて、私との挨拶を促す。

「こりゃ、どうも」。実に下手な演技で彼は私に会釈した。顔が赤い。どうも相手は先に私の存在に気付いていたのに無視を決め込んでいたらしい。

お互い不自然極まりないギクシャクした顔を作って別れた。かなり焦った。

その後、時を置かずにその知人から酒席に誘われた。とんだ奇遇にお互い慌てた話題で盛り上がり、ついでにその知人が「悪だくみ」に使っている都内のシティーホテル事情の講釈を受けた。

エッチ、いや叡智の限りをつくして頑張ってるみたいだ。70歳を超えてもバリバリらしい。ご立派だ。

ちなみに私と偶然出会った「会場」は「格下」と落ち合う際の定番なんだとか。おそるべし。

「格上のお相手とはどこで?」という私の問に対する彼の答えは「船の中だよ」とのこと。

尊敬することにした。

世の中の大人が全員、家庭外恋愛に励めば、景気なんてあっという間に上向くという話を何かの本で読んだ。ヨタ話の本ではなく、かなりお堅い経済関係の本に載っていた理論だ。

70歳を超えても血気盛んな知人の行動を聞くに連れ、本に書いてあった理論は実に正しいと痛感した。

民主党や自民党や財務省や経済産業省がどんなに知恵を絞るより、日本中の大人が家庭を顧みないラブラブ活動に励めば確かにバブル時代並みの活気が出るはずだ。

ということで、私も日本経済のために頑張らねばいけない。国家の繁栄のために日々一生懸命行動することにする。

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