2014年5月19日月曜日

和の心


子どもの名前は時代を映す鏡。イマドキのキラキラネームは、学校の先生達を大いに混乱させているらしい。

じゅげむじゅげむ・ごこうのすりきれ~。

落語の寿限無ほど凄まじい名前ではないにせよ、昨今増えている珍しい子どもの名前には時々ビックリする。

具体的にアレコレ例示したいが、このブログを読んでもらっている人の身近に該当する子どもがいたらマズいので割愛。

時代とともに人名に使われる文字も変化するのが世の習いだ。戦争などキナ臭い時代なら「勝」や「勇」が多くなる。貧しい時代には「恵」という文字が多用された。

大正の「正」、昭和の「和」を取り入れる名前も元号制定に合わせて一気に増えたそうだ。文字ひとつとっても時代の空気を反映していて興味深い。

キラキラネーム全盛の今では地味な印象もある「和」という文字。昭和という元号より、そもそもわが国の基本理念として親しまれてきた一字である。

私自身も好きな文字だが、子どもに命名する際には、やはり何となく古めかしく感じて使わなかった。ちょっとだけ後悔している。

「和をもって貴しと為す」。ご存じ聖徳太子の十七条憲法の最初の項目だ。いわば基本理念みたいなもの。

「穏やか、争わない」を意味する「和」を、力こそすべてだった時代に国家の理念に打ち出したことは世界に誇れる話だと思う。

「和やか」と書けば、人々の気持ちが解け合うことを意味する。

和食、和風、和服など自分たちの国を指す言葉に「和」を使ってきた我が国は、この基本理念をもっと大事にすべきだと思う。

綺麗事ではあるが、とろあえずは、目指す方向は綺麗事であるべきだろう。

うん!なかなか良い話だ。

もともと、日本の名称は、音は同じでも「倭」の文字が使われていた。魏志倭人伝の「倭」だ。

ヨソの国からの蔑称的意味合いがあったという理由で「和」に変更され、装飾的意味合いの「大」が追加されて国の名前が「大和(やまと)」になった。

卑弥呼さんの頃の邪馬台国の後の統一国家としての始まりである。想像もできない古い時代から「和」が特別に意識されてきたわけだから立派なものだ。

そういえば、先日、半年ぶりに宇宙飛行士の若田さんが地球に戻ってきた。日本人初の船長として奮闘されたようだが、宇宙で筆を執って「和の心」という書き初めを書き上げていたシーンにはしびれた。

地球をひとつの星として見下ろすあの環境で、一見地味な「和の心」という言葉の重みは相当なものだと思う。

世界の潮流はいつの時代も「対立」と「憎悪」ばかりだ。アジア近辺ですら緊張状態が高まるいま、「和」の精神の尊さを再認識したい。

平和ボケしたハト派思想だけで物事が解決しないのは百も承知だが、安易な強硬論はもっと危険だ。

安倍さんはやたらと「積極的平和主義」という、分かったような分からんフレーズを連発しているが、安易な強硬論に偏らないで欲しいと思う。

国名を「大和」と定めていたわが国の精神性や経験は独特なもの。それを世界に発信することこそが「積極的平和主義」だろう。

2 件のコメント:

和県民 さんのコメント...

我が家の四人の内、二人の名前に「和」の文字が使われていることに今更気付きました〜( ̄Д ̄)ノ

富豪記者 さんのコメント...

県民さん

ふむふむ。

だから常に平和そうな顔して歌ってるんですね。。。。