2014年5月9日金曜日

映画の話


週に一度はテレビ番組表をチェックして気になる映画などを録画するのだが、なかなか観る機会がない。

この前の連休は、とことん暇だったので背中と尻にコケが生えそうなぐらいテレビの前に陣取っていた。

というわけで、溜まってしまった映画を集中的に観て過ごしたので、ちっとも役に立たない映画評論?でも書いてみようかと思う。

全部、現在公開中の作品ではないので、レンタルビデオを借りる際の参考になれば幸いである。

まずは「新しい人生のはじめかた」。2010年のダスティン・ホフマン主演の映画だ。


離婚して仕事に打ち込む冴えない中年男が、娘の結婚式に出るためにロンドンに出向く。違う道を歩む娘、元妻らとの間の疎外感にやりきれなく帰国しようとした際に知り合った女性と恋に落ちるというストーリー。

中高年恋愛モノとしては極上だと思う。号泣した。中年の純情って結構微笑ましいし、若い頃よりある意味気高い部分?もある。こういうジャンルの映画はもっと量産されて欲しい。

ちなみに、秋のロンドンは一人でふらっと旅したくなる雰囲気だった。近いうちに行ってみようっと。

ちっとも評論になっていない・・・。

続いては邦画。「ちゃんと伝える」という2009年の作品だ。


見たことも聞いたこともない俳優だなあと思っていたが、EXILEのAKIRAという青年が主演。

EXILEってヤカラっぽい(スイマセン)お兄ちゃん集団なのかと思っていたが、主演の彼は絵に描いたような好青年を演じていてとても良かった。

ガンと闘病中の父親と打ち解け始めたセガレ。ところがセガレのほうもガンが見つかり、誰にも言えずに苦悩する役を熱演していた。

とても深い内容でグイグイ引き込まれる作品だった。伊東歩という若い女優さんの存在感も印象的だった。有名な女優さんなんだろうか。

これまた評論とは程遠い内容でスイマセン。

次はベストセラー作家で作品がやたらとドラマや映画になっている有川浩の代表作・「阪急電車」。2011年に映画化された作品だ。


正直、関西の人なら面白く入り込める映画だろうと思ったが、東京人としては気候風土?がピンとこないせいか、いまひとつといった印象だった。

とはいえ、複数の登場人物の日常が上手に交錯するシナリオの巧みさは相当なもの。原作の勝利なんだろうなあ。

大ブレイク中の有村架純ちゃんが高校生役で出てきたが、超絶的に可愛いくて萌え~って感じだった。宮本信子は女優として素晴らしい仕事をしているし、まだまだ幼かった芦田愛菜ちゃんの天才ぶりも実感できた。

次は、おなじみの「プリティーウーマン」。


もう25年近く前の作品になる。これまで何度観たかわからないぐらいだが、また観てしまった。

いまさら感はあるものの、改めて思ったことは、この作品には映画の醍醐味全てが盛り込まれているということ。

ストーリーの楽しさ、ハッピーエンドに向けた展開、衣装の華やかさ、そして場面場面に応じた音楽の素晴らしさ、まさに夢物語の完結に不可欠なエッセンスがテンコ盛りになっている。

ベタな作品と一蹴する事なかれ。何度観てもハッピーになる娯楽映画の名作だと思う。

最後にもう一つ。ある意味、一番ぶっ飛んだ作品を紹介する。


昭和38年の「いつでも夢を」である。50年以上前の映画だ。吉永小百合・橋幸夫の大ヒット曲をモチーフにした作品だ。

いやあ凄かった。何が凄いって、一人たりとも悪人が出てこない。全編を通して善人だけが爽やかに前向きに生きている。何ともおめでたく、何とも素敵で、素直に映画の世界に憧れちゃう不思議なエネルギーに満ちた映画だった。

いまだにタモリなんかと絡んで「高嶺の花路線」をしっかり維持している吉永小百合先生である。この映画から半世紀以上経っても、同じ路線で「綺麗な人」を演じているのだから想像以上に大変な日々だと思う。

私は昔からカマトトチック?なところが大の苦手で今でも小百合先生が出てくるとテレビのチャンネルを回してしまうほどだ。

でも、こんな歴史巨編?を見ちゃうと、そんな屁みたいな理由で好きだの嫌いだのと論評してはいけないと反省した。別格な存在なんだろう。

ある意味、「長嶋茂雄」である。今後、吉永小百合のことは敬意を表して「ミスター」と呼称すべきだろう。

映画の中の東京は、まだまだ未開国家みたいな世界だ。舗装されていない道路ばかりだし、走っている車もバイクも歴史遺産といえるほど古い。

そんな時代から吉永小百合は吉永小百合で在り続けている。尋常ではない。

若かりし浜田光夫と橋幸夫が恋のサヤ当てを演じる。吉永先生はその間に立って、最後は3人で握手するシーンがある。

あまりに前向きであまりに天真爛漫な若者達の姿。妙に爽やかで妙にベタなセリフ回し・・・。ボケっと観ていたら金縛りに遭いそうになったほどだ。

照れずにあんな演技ができるとは、当時の俳優の技量なのか、それとも時代そのものの空気だったのか、しばし考え込んだほどだ。

昭和30年代後半、東京オリンピック前の東京の雰囲気って、ホントにあんなに前向きだったのだろうか。だとしたら心底うらやましい。あのエネルギーは高度成長をとっくに終えちゃった現在の世相から見れば奇跡のように思える。

大真面目に社会勉強の題材として最適な映画だと思う。

なんだかキリがないからこのへんでやめます。


ちなみに「吉原炎上」(1987年)の名取裕子のエロティックシーンにはマジで萌えました・・・。

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