2016年2月1日月曜日

普段使いの洋食 松栄亭 ぱいち

男性が155センチ、女性は143㎝程度。江戸時代の日本人の平均だ。ずいぶんと小柄である。

動物性タンパク質を摂らなかったことが大きな理由らしい。その後、明治維新をきっかけに欧米流の食生活に移行したことで日本人の体格は見違えて良くなったわけだ。

すなわち、今のニッポン人を作ったのは「洋食」ということになる。アッパレ洋食である。

「洋食」はそのネーミングから誤解されがちだが、レッキとした日本料理の一つのジャンルだ。

フランス料理、ロシア料理、イタリア料理等々、西洋料理が各国の国名を冠しているのに対して「洋食」は「西洋料理をルーツとした日本で生まれた料理」として別個の存在だ。

コメを使った料理はほとんどが日本生まれだとか。チキンライス、オムライス、ハヤシライス、カレーライス、ドライカレー、ドリア。すべて日本料理だ。

他にも芋のコロッケ、カキフライ、エビフライなんかも日本発祥だと聞いたことがある。

シチューなど元々西洋から伝わった料理にしてもパンではなくコメと合わせて美味しく食べられるように試行錯誤が繰り返されてきた。

ウンチクはこの辺にして、最近食べた洋食の話を書く。

先日、ここに書いた銀座の「みかわや」とは違い今日書くのは普通の値段の店だ。

高い店と高くない店の違いは、「ゆったり酒を飲める雰囲気かどうか」に尽きるのではと個人的に思っている。

1軒目は淡路町にある「松栄亭」である。そこらへんの定食屋ほど安くはないが、歴史のある洋食屋としては安い部類に入る。

冒頭の画像はこの店のチキンライスだ。良い意味で「偉大なる普通」と呼びたくなる。コメの硬さ、味の強さともに極めて的確。鶏肉は小ぶりなのがチラホラ。これも値段相応のバランスだろうか。

目ん玉ひんむいて「ウ、ウ、ウマい!!」と叫ぶような味ではない。でも、ジンワリとしみじみ美味しい。

ランチはもちろん、夜にビールやワインのツマミとしてもいける。酔っ払った後にシメで出てきてもウマそうだ。朝飯でもOKだろう。


この店の名物が「洋風かき揚げ」。なんでも夏目漱石が好んだとも言われる不思議な一品だ。

好き嫌いが分かれそうな料理である。昭和の頃に少年時代を過ごした醬油よりソース派の人だったら大いに気にいると思う。

いま思えば昔はよくわからない揚げ物をしょっちゅう食べていた気がする。ソースと揚げ物の油分が融合するアノ独特なウマ味が印象的だった。

前の晩の天ぷらを次の日になってレンジでチンしてソースをかけて食べたりした。B級、C級などというジャンルとも違うヘンテコなウマさだった。


この店の洋風かき揚げもソースを味わうための料理だと感じた。割ってみると卵を使ったツナギとタマネギと時々肉っぽい塊が適度に混ざり合っている。

何にも似ていない。洋風かき揚げというネーミング以外に呼びようがないシロモノだろう。これはこれで悪くない。

話は変わる。


こちらは浅草にある「ぱいち」のタンシチューだ。「下町の洋食屋」の風情が心地良い気軽な店だ。ウリはシチューである。

囲炉裏の場で吊されそうな鍋で出てくるあたりが「洋食イコール日本料理」を実感させてくれる。画像だとマズそうだが実際にはグツグツ状態でやってくるから目でも楽しめる。

良い意味で味が濃い。これぞ東京の正しい味だと思う。もちろん、ただしょっぱいわけではない。バランス良く濃い。旨味が濃い。

肉もドッサリ入っているが、ニンジンや芋もしっかり入っているのが個人的にはちょっとイヤだ。でもシチューソースは圧倒的にウマい。ご飯にぶちかけて食べたくなる。


こちらはカニクリームコロッケ。こちらも味が濃い。濃厚と言うより強くて濃い感じだ。ウスターソースをちょろっとまぶして口に放り込む。途端に幸せがやってくる。ビールにやたらと合う味だった。

今日書いた2軒は普段使いできそうな価格が嬉しいが、強いて言えば酒のラインナップが乏しい。

酒なんかダラダラ飲まずに江戸っ子だったら長ッ尻しないでとっとと食えという趣旨なのだろうか。それがちょっと残念である。

でも、レストランによっては「ウチは飲み屋じゃねえよ。そんなに飲みたきゃヨソに行っとくれ」という想いがあることも珍しくない。

まあ、いっさいアルコールが置いてないわけではないので大きな問題ではない。

さて、まとめに入ろう。

いにしえの日本人の体格発達に貢献したのが洋食である。いまさら身長が伸びるはずもない180センチ近い私が食べまくるとどうなるか。体重がグングンと発達してしまう。

由々しき問題だ。

でも、まだまだ行ってみたい店がアチコチにあるから困ってしまう。

2 件のコメント:

maru さんのコメント...

初めてコメントさせて頂きます、30代も半ばさしかかる、箱入りを通り越しお蔵入りの独身女子です。
数年前から楽しく拝見しております。
ピラファーとして日々鍛錬なさる富豪記者さまはすでにご存知かもしれませんが、先日、リーガロイヤルの海の幸のピラフと久々に再会する機会がありまして、思わず富豪記者さまのブログが浮かび、コメントいたしました。
日本人の口に合わせ、お味噌なんかの隠し味が効いており、何度食べてもグッとくる味です。
是非、色っぽいシチュエーションで、ルームサービスなんかでお試しくださると嬉しいです。
お目汚し失礼します

富豪記者 さんのコメント...

maruさま

コメントありがとうございます!
リーガロイヤルのピラフ、美味しいですよね。最近食べてないのでまた行きたくなりました!
ピラファーの仲間のような話を聞かせていただき感謝です!