2018年4月20日金曜日

カジュアル靴の話


年齢とともに物欲はかなり収まったが、靴だけはいつでも欲しくなる。一種の病気だろう。

10年ぐらい前まで、ぐい呑み収集に躍起になったのだが、あれも確実に病的だった。多いときは50個ぐらい集まった。自分の口が50個あれば使いこなせたのだが、そんなはずもない。

ずいぶん処分して今では15点ぐらいしか残っていない。自宅でゆるゆると使っているが、新たに欲しがらなくなってから使用頻度自体が減った。

靴の場合、毎日必ず履くから、常に意識がそこに向かう。意識が向けば物欲が湧いてしまう。


先月、パリとローマに出かけた際、普段用のカジュアル靴をいくつか買った。娘との二人旅を楽しむために「靴なんか買わないぞ」と自分に言い聞かせていたが、ブレーキがかかったのはスーツ用の高級靴だけだった。

普段用のカジュアル靴は私の意識の中で別なモノみたいだ。靴は靴なのにカジュアル靴を「運動靴」と呼んでしまうせいで、ついつい余計なものまで買ってしまう。

フランスのメーカー「パラブーツ」のスニーカーなどを買った。いわゆる高級本格靴よりは安いが、いくつも買っちゃうと、総額ではエドワードグリーンだって買えるぐらいの散財になってしまう。

こういうのを無駄遣いと呼ぶ。だいたい、月曜から金曜まではスーツを着て、土日は家でホゲホゲしていることが多いから、カジュアル靴の出番は極端に少ない。

健康のために散歩に出るときはスポーツ用品店で買った運動靴だし、子ども達と会う時も洒落た靴など履かず、定番のクラークスのスリッポンである。


なのにカジュアル用の靴が増えていく。休みの日にはもっとアクティブに行動して、デートの予定でも作らないと小洒落た靴達の出番はない。

靴に対する物欲が異常に強まったのはここ10年ぐらいだが、思い起こせば青春時代にも靴に意識が向いたことがあった。

憧れたのはトニーラマのウェスタンブーツである。ジーンズにあわせて尖ったブーツを履くことにこだわった時期があった。


歩きにくかったし、時につま先が痛くなった。おまけに蒸れて不快なのに気にせず愛用した。ご苦労さまだった。カッコつけたい年頃には履いてみたくなるイケイケな靴だった。

今もショートブーツはいくつも持っている。
http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2017/01/blog-post_25.html

寒い時期にスーツにも合わせやすいものが多いが、普段用にもいくつがお気に入りがある。


左がスペインのカルミナ、右がイタリアのタニノクリスチーである。ウェスタンブーツが好きだった若い頃の名残りで、ついついブーツも欲しくなってしまう。

滅多に履かないから靴にとっては気の毒だ。わがオヤジバンドのライブの際に履いたぐらいで、靴箱ではなく納戸に仕舞い込んでいる。

高校の終わり頃からは、流行を気にしてワラビーもしょっちゅう履いた。80年代前半の懐かしい思い出だ。コインローファーかワラビーが色気づいた男子の定番だった。

裾がフレア気味のファーラーのスラックスにワラビーという組み合わせである。渋谷あたりの男子はみんな似たような格好だった。



ネットで調べてみたら、今もファーラーのスラックスが売られていてチョット感動した。

なんだか話がとっ散らかってしまった。

カジュアル靴が増えていく話だった。そうした靴をもっと履き倒すには、週末にアクティブに行動するだけでなく、職場にも時々カジュアルな服装で行くしかない。

スーツじゃなきゃいけない決まりもないし、実際にラフな服装で出勤している社員もいる。私の場合、服選びがメンドーだから毎日毎日スーツを着ているようなものである。

靴のためにイメチェンでもしてみようか。いや、それだと今度はスーツ以外の服装にお金がかかりそうだから悩ましい。

サマージャンボまで待ってみようと思う。

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