本番である。本番だ。別にイヤらしい話ではない。季節到来、冷やし中華を満喫できる季節である。
冬でも冷やし中華が食べたくなる私にとって、これからはスーパーの陳列棚にもネットショッピングの世界でも様々な冷やし中華が並んでいて嬉しい。
変態ぎみの私は外食では冷やし中華を食べない。あくまで家メシが基本だ。具材を乗せずに素っ気ない状態で食べるのが一番だと思っているからだ。
だいたいサラダじゃないのに何故キュウリが当たり前のようにトッピングされているのか、何故ハムを千切りにするのか、何故あの美しい麺を隠すのか、私にとって店の冷やし中華はちっとも魅力的ではない。
それ以前に麺の量が少ない。トッピングを先に全部食べてしまってから麺に向き合ってみると一目瞭然だ。呆れるほど麺の量が少ない。あれが許しがたい。
家メシとしての冷やし中華なら2玉しっかり茹でてドカンと皿に盛り付けて余計な装飾を排除できる。
一応、チャーシューを用意したり、冷凍保存しておいた牛皿を解凍してトッピングすることはあるが、麺そのものをツルツル食べるのが大好きである。
私にとっては、いわば白米みたいな存在である。おかずを別に用意して具の無い冷やし中華をコメのように主食とするわけだ。
市販の冷やし中華の味には正直さほど大きな違いは無い。スープというかタレの味に違いがあるぐらいだろう。
私はゴマダレが好きではないから必然的に王道の「甘酸っぱ醤油系」ばかり食べる。やはり冷やし中華と言えばあのスープが基本だ。
ゴマ自体は大好きで、わが家にもすりゴマが常備してあるのだが、いわゆるゴマダレの味は何となくニセモノっぽい気がする。
だからゴマが欲しい時は基本の“甘酸っぱ醤油ダレ”にすりゴマをジャバジャバと投入する。
ゴマダレだとネチョネチョ感ばかりが際立つのだが、すりゴマぶりぶりバージョンにするとゴマの風味がしっかり感じられてモゾモゾ感も良い感じだ。
よく分からない説明でスイマセン。
すりゴマぶりぶりの楽しさは、ソーメンを食べる時も同じだ。かつてこのブログで「ホンモノのゴマダレ」を熱く語ったことがある。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2015/04/blog-post_24.html
最初からゴマダレを使えばいいとご指摘を受けそうだが、まったく別モノである。ぜひトライしていただきたい。
最近はスーパーに置いていないような冷やし中華をわざわざネットで取り寄せることも増えた。正直、どれを買ってもビックリするほどの違いはない。
とはいえ、「わざわざお取り寄せしたんだもんね」という達成感みたいな悦びを味わえる。
「オレって冷やし中華だって遠方から取り寄せるほどこだわりの強い男なんだぜ」と誰もいない自宅で一人つぶやく。
こういう時間がシングルライフの何よりの楽しみである。気が狂ったのかとか、淋しそうで可哀想などと思ってはいけない。
ちなみに喜多方の有名店「河京」の冷やし中華が最近のお気に入りだ。スープが優しい味で嬉しい。酸っぱさがほぼ無いので好き嫌いが分かれるかも知れないが、朝飯に冷やし中華を食べたくなる私にはマイルドさが好都合である。
冷やし中華といえば、一般的にキュウリやキンシタマゴ、ハムあたりが千切りになって乗っかっている姿を想像する人が大半だと思う。
私の場合、冒頭の画像のような一皿こそが冷やし中華である。スッポンポンである。暑い季節に余計な衣は脱ぎ捨てて解放感たっぷりになっている姿が美しい。
この夏、あと何十食ぐらい食べるのだろうか。
2 件のコメント:
いつも楽しく拝読しております。
私も自宅冷やし中華派です。量に関しましても、激しく同意致します。そして麺と絡まずに別個になってしまう具材、あの子達はあの子達で気の毒に思います。
20年程前魔が差しまして、具材が魚介類という冷やし中華を注文した事があります。それが飲食店で食べた、最後の冷やし中華になってしまいました。
湊在住さま
コメントありがとうございます!
確かに麺と絡まない具材達は犬死にしている感じがします。盛りそばだってせいぜい海苔ぐらいで麺そのもので勝負しています。
冷やし中華もこの際、中華盛りというジャンルに転換して麺重視、スープ少なめで別な存在に脱皮するといいと思います!
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