2021年6月9日水曜日

コロナ後の世の中


遅かれ早かれワクチン接種が進み、コロナ禍という言葉は過去のものになる。ある程度は以前のような日常に戻る日は近い。

 

そろそろコロナ後のアレコレを睨んで行動したり考えたりする時期だとも言えよう。

 




 

上の画像は昨年初めて緊急事態宣言が出た後の銀座の姿だ。ここまで人がいない状態はさすがに今後はあり得ないだろう。

 

すっかり萎縮しちゃった社会はアッという間に前の姿に戻るのか、それとも様々な後遺症みたいな変化を定着させるのか、目先の利く人はそのあたりにアンテナを張って一儲けするはずだ。

 

リモートや時差出勤が当たり前のようになった会社勤めのスタイルがまったく元通りに戻るのだろうか。

 

リモートで出来ちゃう、在宅のほうが効率的といったケースも多いわけで、コロナ前の状態にそのまま戻ることは考えにくい。

 

社内での飲み会や宴会、社員旅行といったニッポンの会社ならではの習慣も“絶滅危惧種”みたいな状態だが、コロナ後も衰退傾向は変わらないのだろう。

 

世の中がドライになるに連れ、その種のベタな文化みたいなものは無くなってきた。善し悪しを語る話ではないのかも知れないが何となく淋しい。

 

昭和の終わりに社会人になった私としては、その種の「鬱陶しい事」のおかげで社会を学んできた感覚がある。

 

上座だ下座だ、お酌のマナーがどうだといった話に始まり、空気の読み方や目配りの大事さなどは、どうしたって教科書的に教わるものではない。

 

人との密な交流によって覚えていくのが普通だった。ネクタイを緩めるタイミングひとつを年配者から叱られたこともあった。それこそ無理して飲んでゲロを吐きまくりながら大人の世界に仲間入りしたような感覚がある。

 

社会を渡っていく上では、座学で学べないことのほうが重要であり、その講習所は飲み会や宴席といったアナログな場面だったわけだ。

 

伸び盛りの若年世代がそういうものと無縁になれば、世の中の醇風美俗みたいな感度は必然的に低くなっていく。ドライな社会に拍車がかかるようでちょっと心配だ。

 

飲食店経営者からはコロナ後の復活には時間がかかるという意見が多く聞かれる。一度失われた習慣がすぐに元通りにはならず、家飲みに慣れた人は家飲みをベースに、時々は外飲みをするといった“リハビリ”時期が続くという予想だ。

 

その一方で、我慢していた好きなことを一気にやり直し始めるという声もある。合コンや風俗通いといった人流、濃厚接触の極みみたいなジャンルは愛好家?が一気に戻ってきて反動バブルみたいな状態になるという予想だ。

 

萎縮社会が定着するか、反動バブルが来るのか。きっと両方とも正解だろう。

 



 

ちなみに、すっかり銀座のクラブ活動をご無沙汰している私だが、コロナ後に前のように行き始めるかはビミョーだ。一度止めちゃった習慣は既に習慣とは呼べない。

 

以前は、しがらみというか、繋がりみたいなきっかけでちょくちょく出席?していたわけだが、そうした糸が限りなく細くなっちゃった今となっては行かないことに違和感が無い。

 

そんなものだと思う。誰だって習慣にしていたことが何かの理由で止まってしまうことはある。そうなると、不思議なもので、それに変わる別な習慣を作って過ごすようになる。

 

そう考えるとコロナ後の社会は淘汰の嵐が一層進むだろう。どんな分野も活況と沈没の両極端に分かれるような気がする。

 

なんだか煮え切らない話に終始してしまった。

 

全然話は変わるが、コロナ後にまつわる余談を一つ。

 

なんでもかんでも除菌する生活スタイルのせいで「普通の菌」にすら弱い人が増えるという話もある。

 

とくに子供は本来いろんな場面でいろいろな菌に触れながら耐性をつけて育っていくのに、それを怠ったせいで弱体化しちゃうんじゃないかという心配もあるらしい。

 

まあ、コロナ禍が35年と続いたわけではないので心配するほどの話ではないはずだが、ちょっと恐い話だ。

 

思い返せば、私が子供の頃はミミズを捕まえた手をそのまま洗わずにスイカにかぶりついたり、電車のつり革に神経過敏になることも無かった。

 

一説によるとコロナ禍の当初に言われた日本人が重症化しにくい、いわゆるファクターXは、結局は過去のウィルス感染歴と解釈するのが自然だとか。

 

すなわち、中国に近い日本など東アジアは以前から数え切れないほどの種類の“コロナっぽいヤツ”と呼べるウイルスがちょこちょこ流行していたという説だ。

 

ただの風邪やタチの悪いインフルなどとみなされて片付けられてきたそれらの“コロナっぽいヤツ”のせいで、根本的な耐性が世界の他の地域よりも有利に働いたという解釈だ。

 

そう考えるのが確かに自然だ。昨年このブログでファクターXはウォシュレットかもしれないと珍説を書いたが、どうやら違ったみたいである。

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2020/05/blog-post_27.html?m=1


なんだかんだ言っても日本の新型コロナによる死亡者数は、結局は通常のインフルエンザと変わらないレベルだった。

 

指定感染症としての「2類指定」をいつまでも見直さない国の姿勢を改めて問い直す必要があると思う。




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