2023年3月8日水曜日

あんこう鍋、ところてん

 

検査のためとはいえ入院なんかしちゃうと自分が病人になった気分になるからタチが悪い。こういう心理的な影響が加齢を進めるのではないかと心配している。

 

心なしかアッサリしたものを食べたくなったり、食事量自体も減ってしまったり、気分のせいで中年男は劣化しちゃうような気がする。

 

初心に返ってエロ本を読んだりノーパン喫茶に出入りしようかと考えているのだが、今やノーパン喫茶はどこにも無い。実に残念である。

 

前ふりはさておき、先日あんこう鍋を食べようと月島にある「ほていさん」という店に出かけた。もんじゃ焼きの店ばかりあるエリアに古くからある店だとか。

 

月島まではわが家からタクシーで10分もかからない。あんこう鍋の専門店があることを今まで知らなかったことを反省しながら出かけてみた。

 



お通しのあん肝や刺身で熱燗をすすっているうちにメインの鍋が用意される。お店の人が全部やってくれるスタイルだから楽チンだ。見るも麗しい鍋である。こんもりと盛られたあん肝がぐつぐつ煮られて溶け出す“どぶ汁”的な鍋である。

 

冬の珍味の王様的存在があん肝だ。それがヤケクソみたいに盛られた鍋がマズいはずはない。夏場に食べたいとは思わないが寒い季節に熱燗と共に味わえば天国状態である。

 



素直にウマかった。濃厚のひと言。身肉の他に皮や内臓など捨てるところがないと言われるアンコウが野菜とともにごった煮状態である。ネギや豆腐もあん肝ドロドロスープをまとってウットリする味だった。

 

鍋のお楽しみといえば雑炊だ。あん肝や野菜の旨味たっぷりのドロッとしたスープに卵と白飯を投入して実に官能的な雑炊が出来上がる。

 

まさにバンザイと叫びたくなるところだが、残念なことに病人モドキみたいな気分の私にはこれがクドくて半分も食べられなかった。敗北感バリバリである。

 



10年前、いや5年前だったら余裕で食べるどころか何杯もお代わりしたくなったはずである。ちょっとクドいぐらいで鍋のシメの雑炊を残すなど私の辞書には無かったはずだ。

 

満腹になったのならともかく、この後、帰宅してから冷やし中華を食べた。だからあくまでクドさに負けた格好だ。冷やし中華を食べちゃうぐらいだから病人のはずはない。自分自身でも謎である。

 

焼肉屋でカルビが食べられなくなったのは35歳ぐらいの頃だった。あの時もショックだったが、今回は言ってみれば魚の鍋である。

 

味も好みだったのに完食できなかった事実はわが人生の汚点といっても過言ではない。内臓を鍛え直そうと決意したのだが、どうやって鍛え直したらいいのだろう。

 

クドいものよりアッサリしたものに惹かれるようになったのは甘いものも同じだ。家庭人だった時代には奥さんに生クリームを大量に作ってもらいそれだけをひたすら食べたこともあったが、今や和菓子にばかり目が行く。

 



この画像は評判を聞きつけて秋田から取り寄せた「イチゴわらび餅」である。三松堂というお店の人気商品でとちおとめが美味しい季節だけしか味わえない逸品だ。

 

わが家の近くにある中央区随一の名店「翠江堂」のいちご大福に勝るとも劣らない美味しさだった。大袈裟に言えば日本料理が世界遺産に認定されていることが納得できちゃうような素晴らしい仕上がりだった。

 


 

こちらは門前仲町「伊勢屋」での一コマ。ところてんとうぐいす餅。もうこうなるとお爺さんの日常みたいである。いや、お婆さんみたいである。

 

ところてんを喜んで食べているようだからクドいあんこう鍋にギブアップしてしまうのかもしれない。ここはやはり生クリームをベットリ塗りたくったワッフルでも食べてリハビリしないといけない。

 

頑張らねば。

 

 

 

 

 

 

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