2023年6月26日月曜日

大真面目にそう思う


今年もアッという間に半年が過ぎた。つい先週ぐらいに大晦日だったような気がするのに不思議だ。年の終わりになるとまとめて先行出費をするのがキツいから、ふるさと納税にもそろそろマメに励まないとなるまい。

 

このブログでも何度も書いてきたが、ふるさと納税の仕組みは現状の税制度の中で唯一の「金持ち優遇」といえる存在だ。人より多めに納税しているなら活用しないテはない。

 

普段からあらゆる制度において高所得者や高額納税者は闇雲に差別されているのが現実だ。そこそこ稼ぎが多くなればさまざまな優遇制度上の対象外にされて負担ばかり強いられる。

 

いまさらだが、観念論の最たるものが高額納税者イジメだと思う。人より稼いでるなら重税も当然という理屈だ。公平という概念を考えた場合、本来は一定の割合で税金を負担するのがスジという見方もある。

 

所得税の税率を一律10%にした場合、年収が200万円の人と2億円の人の税金には1980万円もの違いが生じる。多く払わされる方は大変に見えるが税金の負担割合は誰もが一緒というパターン。これはこれで公平だと思う。でも実際はそうなってはいない。

 

消費税に関しては収入の高い低いに関係なく税率は一律だ。そんな制度が日本の税収の柱になっているわけだから他の税金も一律にしたってちっともおかしくないのにそういう声は少数派だから相手にされない。

 

所得税や相続税に関しては累進課税という正直よく分からない理屈で税率が階段状に上がっていく。それが当然と誰もが思い込んでいるが、人より高い税金を払わされている側にとっては堪ったものではない。

 

高額納税に特典があればまだ許せる。特典どころか国や自治体から感謝やお礼すら無い。もちろん選挙に行っても1票しか投票できない。医療費負担にサービスがあるわけでもない。

 

ちょっと暴論になるが、たくさん税金を収めている以上、行政サービスにちょっとぐらいサービスがあってもいいと本気で思う。

 

軽微な駐車違反ぐらい見逃してもらえるとか、年間10回ぐらい粗大ゴミを無料回収してくれるとか、国営施設の食堂の代金が三割引になるとか、オリンピックを優先的に観戦させてくれるとか、そんな程度でもいいからちょっとぐらいメリットをくれと言いたくなる。平均的な人より数百万、千万単位で多く税金を払っている人にその程度のサービスなら可愛いもんだと思う。

 

もっと言えば10年連続で一定額以上の税金を収めたら11年目から税金が割引されるような“優良顧客サービス”みたいな発想がないことが残念である。


明治憲法下の時代には高額納税者が貴族院議員になるという仕組みがあった。社会の会費を多く払っているわけだから、ある意味で至極真っ当な考え方だろう。

 

今の時代、あらゆる分野の商取引に定着したのがポイントなどの特典だ。電子マネーにしても数々の特典があるから急速に普及したわけでそのメリットを享受している人からすれば「現金で支払うなんてムダ」というのが今の常識。

 

いわゆるインセンティブの有無が消費者心理を左右する。そう考えたら税金の世界にも特典という考え方があってもおかしくはない。お金を払うという意味では納税も買物も違いはない。特典の有無が納税者心理に好影響を与えるのは間違いない。

 

悪質な脱税が減らない現実を思えば真面目な納税者の存在は実に尊い。納税額に応じてインセンティブを用意するぐらいのことはむしろ当然。義務の一言で片付けていいとは思わない。

 

一時期、経済ニュースで「所得制限」という言葉がキーワードのようになった。子ども手当をめぐる政府の方針変更を受けてのものだ。子ども手当に限らず税制の特典や各種助成金などあらゆる分野で設けられているのが所得制限だ。

 

制限を設ける理由は、お金持ちまで優遇するのはけしからんという単なる感情論。国に習って多くの自治体が子育て関連の各種助成などの所得制限を撤廃する動きを見せているが、今更感も禁じ得ない。

 

子ども手当のスッタモンダを見ても分かる通り、所得制限という障壁は結局たいした理由もなく設けられていることがはからずも証明されたわけだ。その他の制度についても闇雲に高所得者をカヤの外に置く悪しき習慣は考えものだろう。

 

戦後のニッポンが誇ったというか特徴にしていたのが「一億総中流社会」という言葉だ。いまやそんな言葉を口にする人はいなくなった。あらゆる分野で高級路線か激安路線かの二極化が顕著だ。

 

貧富の格差は広がり続け、格差の固定という現実はこの20年ぐらいで鮮明になった。資本主義体制下ではある意味当然の帰結だが“総中流”を維持してきた国の形が急速に崩れたことは間違いない。今が大転換期にあるのは確かだろう。

 

そんな時代の変化を受けて、戦後成長期の成功体験を元にした経済政策を今の時代にどう合わせていくかは大きな問題だ。何をどうするにしても国に活気が溢れるような発想を基本にすべきだと思う。

 

とかく政治は格差の下側だけに目を向けがちだ。弱者救済という意味でそれが優先されるのは仕方がないが、しわ寄せを受ける階層についての配慮もまた大きな課題だと思う。

 

スーパーリッチと呼ばれるような階層はともかく、富裕層とまではいえない中堅階層まで税制や社会保障関係分野でイジメていては国の活力などなくなる。この階層が実際の経済を支える中心層であることは忘れてはならない。

 

 

 

 

 

 

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

久しぶりにコメントさせてもらいますが100%賛同します。
あまり100%とか言いたくないのですが、まさしく正論。

居住地近くの飲食店並ばず入れる券、遊園地優先利用権、映画優先指名券などなど、あって欲しい。決して大それたものではないにしろ、また来年も頑張ろって納税しようと思えるような、そんなささやかな、労いが欲しいと思いつつ、予定納税を払いに銀行へ赴く今日この頃。

富豪記者 さんのコメント...

コメントいただきありがとうございます。返信が遅れて申し訳ありません!

そうなんですよね。モチベーションに配慮する姿勢はどんな場面だって必要だと感じます。