2011年5月6日金曜日

日々邪道

今日は平和に食べ物の話を書く。

健康でいる以上、なるべくウマいものを食べたい。塩分制限だの、油分の制限だとかその手の面倒事は近い将来きっと我が身に降りかかりそうだから、それまではウマいものを食っていたい。

相変わらず西洋料理を食べに行っていない。若い頃にはあまり関心の無かった和食一辺倒になってしまった。

和食の決め手は結局は素材なんだろう。寿司などは究極の素材食いだ。同じ魚だって包丁の入れ方や部位ごとで大きく味が変わると言っても、素材が良ければシード権を獲得したようなもので、たいていは安心だ。

そのまま黙って食べていればいいのに素材の良さにつられて、ついつい「邪道モード」が頭をよぎるのが私の悪いクセだ。

元の素材が良ければ、変化球だって抜群のキレだ。良く分からない言い方だがそういうことだ。

先日、高田馬場「鮨源」に馬刺しが登場した話を書いた。上等な馬刺しだ。私自身、クセになって常に注文している。

とある日の夕暮れどき、お店が混雑していなかったことを言い訳に邪道オーダーにチャレンジしてみた。

上等な馬刺しをベースにした「馬バター」だ。極上のお刺身サマ相手に申し訳ない話だが、無性に食べたくなった。


焼酎をグビグビ呑んでいると、ふとバター炒めが食べたくなる。コーンバターとかの香りを思い出すと居ても立ってもいられなくなる。

ここの店では、ホッキバターとかカキバターをお願いしたことはある。いずれも生食用の上質な素材で作るわけだからニッコニコにウマい。

で、馬バター。霜降りの部分を使って丁寧にバター醤油で焼き上げてからカットしてくれた。いやはやベリーレアの極上ステーキ。

調理中漂っていた香りは間違いなく鉄板焼レストラン。噛むほどにウマ味とバターの芳醇な香りが溶け合う。お寿司屋さんという舞台でこんな邪道なオーダーをすることは問題だが、大満足の一品だった。


もともと、このお店は客のワガママに即興で答えてくれる私にとって有難い店。以前、ソーメンに目がないという話をグダグダ語っていたら、「鯛ソーメン」が出てきた。

これだって、生食用の鯛を使うわけだからマズいはずがない。ソーメンとの相性もバッチリだ。今度、冷製の夏バージョンもお願いしてみようと思う。

酒のつまみとしては、今の時期、抜群にウマいのがホタルイカだ。腹に貯まっているワタの量がたっぷりになる季節なので、珍味好きにはこたえられない。


写真はニンニク醤油でつけ焼きにしてもらったホタルイカ。ジュワジュワたっぷりのはらわたがニンニク醤油とマリアージュ?してエロティックな味がする。これを食べていれば官能的な行為にふけるチャンスが減ったことも我慢できそうな気がする。


こちらの画像は、特製ツナの軍艦にぎり。寿司ネタとしては邪道だ。毎回あるわけではないが、これがある日は必ず食べる。本マグロで作った贅沢ツナだ。ウマいに決まっている。

その昔、突き出しで出されたツナをシャリに載せてもらったことをきっかけにハマった。結構、常連客の中にはツナラバーが多いみたいで、先日もお土産用のツナロールを10本も巻いている光景に出くわして卒倒した。

それにしても、上質なネタを数多く揃えているお寿司屋さんの話なのに、普通のネタの話や画像が無いわけだから、それはそれで問題だ。少し反省する。

新しいお店を開拓したい気持ちがあっても、ついつい邪道を許してくれる店に吸い寄せられる。

最近はカウンターに座っても、お仕着せがましいお決まりコースでごまかされるような店が多いらしい。それはそれで接待の時なんかは便利だろうが、のんびりとプライベートな一時を過ごすには物足りない。

そういう意味で邪道を許してくれる店は貴重な存在だ。

ああ、またツナがたべたい。

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