2011年5月11日水曜日

AV 小林ひとみ 芸能人

その昔、AVといえば「オーディオビジュアル」を意味していた。AV評論家とかAVマニアと言っても、オーディオ方面が担当だったわけだ。

いつのまにか「アダルトビデオ」がAVという由緒正しき?略称を奪い取ってしまった。いまどき「AVが趣味です」なんて恥ずかしくて言えない。つくづく時代は変わるもんだ。

そんな前振りはさておき、AVという表現が定着しはじめた頃に大活躍した「小林ひとみ」の名前は、30代後半、40代以上の男性にとって妙に郷愁を誘う。

この年代の男ならきっと誰もがその名前を知っている。だから銀座・並木通りの一等地にママさんとして名前そのまんまの店を出している。

で、何度か行く機会があった。高級クラブ風の造りだが、お値段は界隈の有名店ほど高くない。昔を懐かしんでいる様子の中高年サラリーマンの姿が目立つ。

実は私の中学高校の先輩が、このお店に絡んでいる関係で何度か覗かせてもらった。だからママさんにも昔お世話になったお礼を何度もしている。

彼女が現役バリバリだった当時、AV女優は妙に世間から脚光を浴びていた。今は亡き飯島愛しかり、豊丸とか黒木香、村西カントクなんかはAVを見る見ないに関係なく有名だった。

こっちがオッサンになったからだろうか、今、AV方面で有名人っているのだろうか。最近はその手で話題の人物を聞いたことがない。若者の世界ではそれなりにカリスマ女優とかが存在しているのだろうか。凄く興味がある。

あの時代、私がお世話になったのは「小林ひとみ」ではなく、「庄司みゆき」とか「後藤えり子」とか「村上麗奈」あたりだった。

ひょんなことから「桜樹ルイ」と某所でご一緒したことがあるが、あれには緊張した。いまならデレデレオヤジモード全開でひゃあひゃあ騒ぐのだろうが、まだ20代だったから、そりゃ緊張する。

だっていつも画像の中で、裸でオラオラやっている姿しか見たことがない。そんな女性が目の前でおでんを食べて、普通に会話しているわけだから落ち着かなくて当然だ。

小学校3年生ぐらいの頃、親だか叔母だかの友人がその当時のドラマ「遠山の金さん」を演じていた人で、ひょんなことからその人の家に遊びに行った。ドラマを毎週見ていた私としては、ちょんまげではない普段着姿に落胆したが、初めて接近遭遇した「芸能人」だから妙に緊張した。

「桜樹ルイ同席事件」もそれと同じぐらいの緊張だった。

その後、オトナになって有名人とか芸能人と接する機会がごくたまにあるのだが、ビッグネームに会う機会があろうが、どんなに美人に会おうが、「遠山の金さん」と「桜樹ルイ」ほどの緊張感は味わったことがない。実に不思議だ。

「しょっぱなの経験」はやはり強く印象に残るようだ。でも、せっかくのトラウマ?が「遠山の金さん」と「桜樹ルイ」だとシュールな感じで残念だ。

そういえば、もう1回だけシュールというか、キッチュというか、残念?な有名人相手に妙に緊張した経験がある。

社会人に成り立ての頃、某税務署にタレントの「一日税務署長」を取材に出かけた。若手記者にとっての余暇みたいな取材だが、主役が変な落語家とか男優だったりすると面白くない。

どうせなら可愛いアイドルなんかだと有難いのだが、超有名アイドルだとガラの悪いテレビ取材陣がたくさん来て結構厄介。微妙なクラスのタレントさんだとのんびりムードなので、どうせならそっちのほうがいい。

そんなやる気のない理由で私が出かけた税務署は埼玉の某所にあった。その税務署では例年、某キャンペーンガールが一日署長になる慣例があった。

その年の前の年には、いまをときめく「襟おっ立て大臣」が売り出し中のタレントとしてやってきた由緒ある?場所だ。

その日、取材に来ていたのは私だけ。控え室でわずかな時間だが、そのタレントさんと二人になった。

税務署員の前でどんな挨拶をすればいいのかと聞いてきたそのコに、優しい私はもっともらしく無難な内容をアドバイスした。

その後、“1日署長訓辞”を無事終えた彼女は、控え室に戻ってきて大袈裟に私に感謝してくれた。その表情が無性に可愛く、バカな私はキュンとしてしまった。

と同時に一気に緊張モードに突入。なぜだか顔もまともに見られないほどドギマギした。

バカなんじゃなかろうか。だいたい、今でも綺麗な女性に正面からニッコリ微笑まれるとドギマギする。すぐ勘違いもしてしまう。悪いクセだ。

その日も、「このコぜったいオレのこと好きなんだ」と勘違いした私だ。思い出すたびに自分の特異な人格が悲しくなる。

それにしても、あのコはまったく売れなかった。残念だ。

ずいぶん話がそれてしまった。

「小林ひとみ」がテーマだった。銀座にあるその店は、さすがに彼女の名前が冠になっているだけに、システム上、本人が一度は席に付くようになっているようだ。

正直、最初に行った時は有難さもあったが、二度、三度となると微妙ではある。さっさと店を移動したい時に限って、ママさん登場を半ば強引に待たされるのは億劫ではある。

毎度毎度、「昔とちっとも変わりませんねえ」などとお世辞半分のセリフを言うのがお決まりのパターンだ。きっとそれ自体がこの店のシステムなのかもしれない。

「昔よくお世話になりました」
「ちっとも変わりませんねえ」

ママさんはこのセリフを毎日何回ぐらい聞かされるのだろう。それもそれで面倒くさそうだ。

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