2012年1月16日月曜日

酔っぱらい

アルコールと付き合い始めて30年以上が過ぎた。長い付き合いだが、まだアイツのことがよく分からない。

わかったつもりでいたのだが、先日も激しく呑まれてしまった。酔っぱらいの見本のような状態になったらしい。

なったらしい、と書くあたりが切ない。どんなに呑んでも記憶を失くさないのが私のささやかな自慢だったのだが、先日、完全に記憶が飛んだ。

不思議な体験だった。極端に飲み過ぎれば気分が悪くなって嘔吐小僧に変身するのが普通なのだが、その日はまったく気分は悪くならなかった。ただただ酔っぱらった。

卑猥な歌を即興で作り出して次から次に歌い続けていたらしい。記憶が無いからちっとも恥ずかしくないのが救いだ。

どんな内容の歌だったのだろう。ぜひ聞きたい。目撃者もシラフで口にするのはためらわれるのか口が思い。どんな名曲だったか大いに気になる。

ちなみに私は、酩酊すると昭和40年代の隠れヒット曲「緑色の屋根」を歌い出す癖がある。

http://www.youtube.com/watch?v=8ew7jO-oOtY

この日もきっとお下劣な替え歌を作って歌っていたのだろう。

その日、深夜に帰宅した後もヘロヘロだったようで、眠りについた後も異常な夢を見た。

起きている時間帯の記憶がないのに、夢を覚えているのも不思議だ。夢の中でなぜか私は紅白出場歌手だった。白組の2番目に登場予定。緊張でトイレに駆け込む。大ではなく小なのだが、なぜか勢いよく出たまま一向に止まらない。5分ぐらい出続けている。実に気持ちいいのだが、焦りまくる。出番が迫っている。

ようやく終わって、舞台に向かうと、私の出番は飛ばされていた。悔やむ私。聞けば、たまたま廊下を歩いていた一般人の男性が趣味で習っていた民謡を急きょステージで披露し、その人は大スターになったことを聞かされる。

ほんの5分で大スターになったこと自体が変なのだが、夢の中では不思議とそれが自然な流れだった。

気落ちしてNHKを出ようとする私は「本業に集中しろ」という声を聞く。なぜか私の本業は野球の選手だった。

所属チーム名は分からないが、すぐに楽天イーグルス戦に出場する予定になっていて、私の役割はショートで2番でスタメン。手袋を付けて素振りを始めた。

そこへ、対戦相手である楽天の関係者がやってくる。「岩熊がいなくなっちゃったからキミが代わりに投げるべきだ」と強い口調で言われる。

その口調に圧倒され、よく分からないまま相手チームの先発投手の大役を引き受けることになった。

意味不明だ。眠っている間も酔い続けていたみたいだ。

夢の内容は何かの啓示、何かの暗示なんだろうか。夢占いで判断してもらいたい。朝起きたら猛烈な頭痛と疲労感にビックリした。頭がおかしくなったのだろうか。

あの日、私の精神状態はすこぶる陽気でハイだったのかもしれない。何かから解き放たれたような感覚があった。

いずれにせよ、気持ち悪くならずに、ただただ酔うのは実に素晴らしい!?。やみつきになりそうだ。

今年は日々、その境地を目指すことにしようか。

判断力、記憶力が著しく低下する。理性、自制心も吹っ飛んでいく。だから解放された気分になる。視野は極端に狭くなり、魂は宇宙をさまよう感じ。

言ってみれば、そこらへんで売っている液体を数百ミリリットル飲むだけで、あれだけの異次元体験が出来るんだからお手軽で有難い。今更ながらそんなことを実感する。

マリファナとかそういうのも全然必要ない。普通の酒で充分に違う世界に行ける気がする。なんか大袈裟な表現になってしまった。でも酒の魅力、魔力は歳を重ねるほどに実感するものなのかも知れない。

未成年者が飲んじゃいけないのも当然だ。禁酒法を導入した為政者の気持ちもよく分かる。きちがい水という呼び方も実に的確。

そう考えると、柔道金メダリストの内柴事件には腹が立つ。酒を使って女子学生を手籠めにするなんてサイテーだ。ずいぶん話が飛んでしまった。

でも、内柴センセーは酩酊していなかったのだろうか。酩酊していたのに成し得たとしたら、それはそれで凄いというか、危なくってしょうがない。フツーは大酒飲んだらそんな余裕はなくなるはずだが、大いに気になる。

酒の失敗といえば、今は亡き「横山やすし」を思い出す。今思えば、純粋で一本気だったんだろう。伸助事件のほうがよっぽどタチが悪いと思う。

確か、晩年にも酩酊をきっかけに暴行に巻き込まれ、言語機能に問題が生じ、完全に復帰の道が閉ざされたと記憶している。酒に救われ、酒に殺された生き方だったんだろう。

救ってもくれるが、殺されることもある。酒という存在の二面性を改めて考えたくなる。なかなか恐い存在だ。

凡人を自覚し、凡なる量の酒を飲み、凡なる範囲の軽口を叩き、凡なる程度の放歌高唱に留めるように心掛けようと思う。

2 件のコメント:

Natsuko Hirata さんのコメント...

富豪記者さん、こんにちは。とてもいきなりですが、数か月前に偶然発見しました貴ブログを毎回楽しく読ませていただいています。池袋界隈の話題、海外旅行の話題、詩・読書の話題など諸々、常々共感しております♥

私も貴ブログと同じグーグルのブログスポットと、アメブロでブログをふたつ書いていますので、よろしければご覧下さいませ♪

「詩のない詩ログpoesilog uden poesi」
http://ameblo.jp/karin-minato/

「QUINCE WHARF」
http://quincewharf.blogspot.com/

それでは失礼いたしました。今後も更新楽しみにしています♥

富豪記者 さんのコメント...

Quince Wharfさま


コメント有り難うございます。
ブログを二つも続けていられるとのこと。

敬服いたします!

じっくり覗かせていただきます。