2012年1月27日金曜日

キモ男

来週、胃カメラを飲むついでに血液検査をしてもらう。去年の秋にかつてない健康値だったから、この冬はガンガンぶりぶりプリン体を摂取している。その結果がどう変化しているか興味シンシンだ。

最近、少し足の指がムズっとするから黄信号なのは間違いない。

キモ男になってどれぐらい経つのだろう。気持ち悪い男という意味のキモ男ではない。「キモを喰らうのが好きな男」だ。

肝心要の言葉通り、キモは大事だ。だからいっぱい食べないといけない。そう言い聞かせてもう20年ぐらいになろうか。珍味好きを自称する以上、キモとはまさに「肝胆相照らす仲」である。

最近仲良くしたキモを列挙しよう。


高田馬場・鮨源でボケッと飲んでいた時のこと。ネタケースから何やら魅惑的にウィンクしてくる物体が目に止まった。

悩まずいただく。タイのキモとヒラメのキモだ。キモ醤油にして本体?にベチョっと塗って食べた方がよいのだろうが、キモ男としてはそのまま摂取してみた。

さすがに王様であるカワハギよりは、淡い風味。生で食べてもまずいわけではないが、単独で勝負するほどの味わいではなかった。

王様級であるカワハギのキモのほうがそのままベチョッと食べるには適していると思う。


やはり、キモ業界の横綱はアンコウ様のキモだろう。底性魚類のアンコウ様は、放射性物質をせっせと身体に取り込んでいるから、アンキモはヤバいという説をよく聞く。

もっともらしいし、もっともなんだろうが、毎日食べるわけじゃあるまいし、たかだか数切れ口にするだけだ。私の場合、放射能より尿酸値のほうが差し迫った危機だ、などと屁理屈をコネながら喜んで食べてしまう。

キモの「近接種」とでも言いたい連中も冬の華である。白子様がその代表格だろう。フグの白子が最上級みたいなイメージもあるが、モノによる。やはり、定番のタラの白子の新鮮・上質な味わいにはウットリする。


写真は、これまた鮨源で出してもらったスーパーエロティックフーズである。その名も「白子の明太ソースがけ」だ。反則のような味だ。

焼きそばパンを「炭水化物ON炭水化物」と表現するのなら、こちらは「プリン体ONプリン体」だ。究極だ。

痛風の人、ホントにスイマセン!私はまだこんなモノを食べる権利を所持しているわけです。

「美味しいものは身体に悪い」という当たり前のフレーズが頭をよぎるような味わいだった。

キモでも白子でもないのだが、この時期ウマい牡蠣も残念ながらプリン体の多い食べ物だ。でも、下半身の元気に直結するらしいからついつい食べてしまう。


だいたい、ああいう独特のコクとか後に残る風味が強いヤツほどプリン体が強いから困ってしまう。貝と言えば、ヘルシーの代名詞みたいなモノだが、牡蠣だけはそんな甘ちゃんじゃないから頼もしい。

生ガキを食べ過ぎて体調不良になるのを恐れる臆病な私がこの日注文したのが、牡蠣バターだ。デブだったり不健康だったりする人が好んで頼みそうな感じだ。

ウットリする。なまめかしい。まさにエロスの塊だ。バターの禁断の甘味、ふくらみに牡蠣の風味が加わる。官能的な世界が拡がる。

そして、私に喰われてしまった彼らの遺産である「汁」である。牡蠣エキスを溶けたバターが包み込んだスーパーラブジュース?とでも言いたくなるほどのシロモノだ。


黙って皿からすすろうかと思ったが、シャリだけもらってジョワジョワかけてみた。

これまた中学生相手に全力投球するダルビッシュとでも言おうか、それこそ「情け容赦のない反則」みたいなウマさだ。

こういう得体の知れない絶妙にウマい食べ物が流れ込んでくる私の食道とか胃袋は、どんな顔して受け止めているのだろう。きっと、歓喜の涙に打ち震えているのだと思う。

キモだの魚卵だの、俗に言う不摂生モノは、魚介類に多い。イカの塩辛しかり、酒盗しかり、カニミソしかり、カラスミしかり、このわたとか色々とスターはいる。

肉業界の雄が「牛のレバ刺し」なんだろうが、インチキ業者のせいで、世の中からほぼ絶滅に近い状態になってしまった。悲しむべきコトである。

とはいえ、わたしは牛のレバ刺しより鶏のレバ刺しが大好物なので、まだまだ各地でありつける鶏レバを求めてさまよっている。


写真は、飯田橋で見つけた上等な焼鳥屋さん「わかば」で食べたレバ刺しとハツ刺し。この店では、砂肝刺しも用意されていて、刺身だけでヘベレケになれる。

やはり、鶏のレバ刺しは最高だ。抱かれてもいいと思う。

ちなみに、世の中に拡がる肉の生食禁止の風潮が心配である。実際に、昨年あたりから自主規制で鶏のレバ刺しをメニューから外した店がいくつもある。

幻の一品になってしまったら困る。そうなったらそうなったで、闇に隠れて、密やかに好き者だけが集まる会員制レバ刺し屋とかが出来るのだろう。

絶対に入会しようと思う。

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