2012年7月6日金曜日

エセグルメ道を生きる

このブログでもそうだが、Facebookでも頻繁に食べたものの画像をアップしているせいで、世の中には、私を結構な美食家と思い込んでいる人がいる。

大いなる誤解である。

強いて言えばマズいものは食べたくないが、そんなことは誰もが思っていることである。

ウマいものがあれば例え遠距離でもせっせと通って食すようなマメさは微塵もない。あくまで自分の行動半径の中で、その時々に無性に食べたくなったものを頬ばるだけである。

大のオトナがコンビニ飯を食ってはいかんという声がある。至極ごもっともだし、時には私も会社の部下にそんなことを言う。

そのくせ、週に2度3度と昼時に会社の隣にあるサンクスで変なものを買ってウホウホ食べてしまう。非常階段の踊り場にある私専用の「書斎」という名のアウトドアチェアに座って人目を忍んで食べている。

それにしても、なぜここまでマズいんだと叫びたくなるのが出来合いのお好み焼の類だ。分かっているのに、3ヶ月に一度ぐらい買ってしまう。そして一人でイラつく。

レンジでチンしたお好み焼がウマいわけない。なのに持ち前のソースマン根性でつい食べる。学習能力がないのだろうか。

他には手巻き寿司のマヨ系を買ってしまう。ツナとかエビマヨとか。空腹だとウマい。精神状態がまともな時は普通のいなり寿司を選ぶ。味が強すぎるから揚げの部分は半分ぐらい捨てて食べるのがコツだ。

大のオトナがカップ麺なぞを喜んで食ってはいかんという声がある。至極ごもっともだし、時には私も会社の部下にそんなことを言う。

そうは言っても、実は私はカップ麺ラバーでもある。時々どうしても食べたくなる。昨年のフランス旅行では、美食の街とか言われるパリで、日本から持参した10個近くのカップ麺をすべて食べた。

いま、カップ焼きそばの革命児である「俺の塩」のたらこ味にはまっている。正直言えば毎日食べてもいい。ペヤングソース焼きそばは私の中でカップ麺の殿堂入りを果たしているが、「俺の塩・たらこ味」も少なくとも名球会入りは確実な感じだ。

そんなことばかり書いていても情けないので、最近食べたウマかったものを並べてみよう。


銀座・維新號で食べたフカヒレの姿煮だ。問答無用のウマさだ。旨味溢れる味付けで誰でも幸福になる感じ。どっさり入ったフカヒレの食感に黄金ソースがまとわりつき、カニをほじくっている時のようについつい無言になってしまう。

高いけど、こればかりは仕方がない。たまの贅沢ならこういうものを選びたい。ヘタなフレンチでお仕着せの得体の知れないコース料理を一方的に出されて、コースの価格帯に合わせて大して飲みたくもない高いワインを開けされることを考えれば、大ぶりなフカヒレをがっついて頬ばる方がどれだけ幸せなことかと思う。



お次はウナギ様だ。何かと話題の「ウナギ危機」のさなか、腹一杯ウナギを食べると心身共に満ち足りる。

上は神田の老舗「きくかわ」の二尾付け、下は杉並にある名店「うな藤」の特上だ。

「きくかわ」は、名店と呼ばれる割には気軽な感じで洒落っ気もないし、素直にウマいウナギをがっつきたい時には使いやすい店だと思う。

ホタルイカの沖漬けとか、ウナギハムなんかをつまみにビールをグビグビしながら白焼きを待つ。割とさっさと出てきちゃったから白焼きに不安を感じたものの、食べてみればモーマンタイ。冷酒がクイっクイって進む。

鰻重のタレが甘めだが、これも東京の味だ。ウナギは歯応えが適度にあって、ただグチャグチャと柔らかいだけのウナギとは一線を画す。ご飯も固めで最高だった。

杉並区の荻窪からかなり外れた青梅街道沿いにある「うな藤」は、立地のせいもあって都心部の名店に比べれば格安で上質なウナギが味わえる。

日本酒の品揃えも豊富で、これまた白焼きを楽しむには最適な環境だ。実家の近くにある店なのだが、私が実家に引きこもる事態にでもなれば週に2,3度は通うはずだ。そういう事態にならないように気をつけないといけない。


恥じらうようにピンクの断面を見せているのは神楽坂「あげづき」の特ヒレカツだ。健康状態が許せば毎日朝からトンカツを食べたいと思う私だ。ウマいトンカツ屋に遭遇すると何度でも行きたくなる。

神楽坂のこの店は、トンカツ以外にもメンチやエビフライも頼まずにはいられないほどウマい。行けば行ったで必ず食べ過ぎる。気をつけていても膨満感で破裂しそうになる。

こうやって並べてみると、結局自分が食べたいものしか食べていない気がする。これに寿司を加えて、冒頭でアレコレ書いたジャンクフードをミックスすれば、私の食生活は完結する。

実に単純明快である。これがエセグルメとしての実態だ。

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