2012年7月9日月曜日

初物食い

俗に言う「初物食い」に躍起になるのは東京人の習慣だと聞いたことがある。本当だろうか。

初物食いと言っても、エッチなことを想像してはいけない(誰も想像してないか)。なかには、そっち方面に血眼になっている御仁もいるが、私にはそんな趣味はない。イタイケな少女なんてメンドーだし、ちっとも楽しくない。

おっと、話が最初からそれてしまった。

食べ物の話を書くつもりだった。

江戸時代、江戸っ子気質のせいであらゆる初物食いがエンターテイメント化?したそうだ。

初鰹のバカ騒ぎを筆頭に、茄子などの野菜、新蕎麦とか出始めの松茸、はたまた新茶や新海苔などなど、いちいち我先を争って食べたそうだ。

大阪あたりでは、江戸のような狂騒曲はなかったそうで、江戸っ子のせっかちな感じと見栄っ張りを反映しているようで面白い。

かくいう私も生粋の東京人だ。躍起になるほどではないが、初物には確かにビビッと反応してしまう。

もっとも、宗教上の理由で野菜は食べてはいけないので、もっぱら目が向くのは魚介類だ。

寒い時期のスターである白子とかアンキモあたりと疎遠になる季節が来ると、初物食いが楽しみになる。

この時期のシンコ、その後に出てくる新イカ、夏の盛りから後半に出てくる生のイクラなども出回り始めるとヤイノヤイノ言いながら食べている。



コハダの子どもであるシンコは、その食感がすべてだろう。赤ちゃんの肌を連想させる。未成熟なモノを食べてしまう背徳感がまたいい。

つくづく残酷だと思うが、仕方あるまい。シンコが出てくる季節のコハダも大ぶりになってウマい。細切りにしてガリと大葉なんかと混ぜ合わせると爽やかな酒肴になる。

シンコの画像は、高田馬場・鮨源でウホウホ食べた時のもの。上の画像は6月の終わり頃。シンコが小さすぎて握り1貫につき6~7枚付けだったが、10日ほど経った下の画像では4枚付けになっていた。

小さすぎると食感を楽しむほどではない。純粋に初物を喜ぶことだけが目的みたいな感じ。3~4枚付けのサイズになるとシンコ独特のあの舌触り、あの罪悪感を楽しめる。

これから、ずんずん大きくなっていくから、四の五の言ったり書いたりしている暇があったら、黙々とお寿司屋さん通いに勤しむべきだろう。そうすることにする。

流通事情や養殖事情が進化したせいで、季節感とか旬が曖昧になっているのが、いまどきの食事情の特徴だろう。

偉そうに書いている私自身、旬が分かっていないものがたくさんある。まあ、実際生産地が変われば旬が異なることもある。かたくなに昔からの定説ばかりを信じ込んでもスマートではない。

それでも、シンコとか新イカみたいな季節限定品というか、生き物の生殖サイクルの神秘がもたらす初物には妙にアンテナが反応してしまう。

初物食いは寿命が延びるという言い伝えもあるから、日頃不摂生の塊である私としては、せっせと「江戸っ子の見栄っ張り」に精を出すとしよう。

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