2015年6月1日月曜日

ぴよぴよメンチ、ささみカツ


時々、無性に食べたくなるのがトンカツだ。いったんその気になったら頭の中はトンカツのことでいっぱいになる。

とある日、トンカツ症状に陥って未体験の店に行ってみた。銀座・歌舞伎座裏にある「イマカツ」という店。

お手軽にウマいトンカツが味わえるらしいと聞き、前から気になっていた店だ。

昼のトンカツはドンブリ飯で食べたいが、夜のトンカツは芋焼酎片手にブヒブヒ食べたい。

衣と渾然一体になった豚肉の旨味が口に広がり、じっくり噛みしめて喉の奥に去っていったその一瞬のタイミングで芋焼酎ロックをズズズ~と飲み干す。

あの快感はまさに「ブヒ~!」である。


揚げ物以外のツマミもそこそこ揃っていたから「夜のトンカツ屋」としても便利な店だ。

細々した小皿のツマミでホロ酔いが始まる。そんなタイミングでやってきたのが、その名も「ぴよぴよメンチ」である。

ずっこけそうなネーミングはともかく、画像で分かるように反則ワザと言いたくなるほどデブ達がブヒブヒ喜ぶ一品である。

半熟卵をメンチが覆っている。そりゃあウマい。コレステロール問題が無ければ、これだけを3つ4つオーダーしてブヒブヒ叫びたいところだ。

なぜ人は自らの身体に悪いものを恋しく思うのだろう。煩悩恐るべしって感じである。

この店、トンカツ専門店なのに名物は「ささみカツ」だとか。鶏のささみである。トンカツ気分だった私としては問題外である。


でも、食い意地マックスだったのでツマミの一つとして注文してみた。周りの席では半分以上の客がコレを食べていたから、無視する勇気は無かった。

「おっとどっこい、なんじゃコレは!」。それが感想だ。素直にウマい。ささみの分際?でジューシーだし、旨味もあっていくらでも食べられそうな感じだ。

チキンナゲットの究極の到達点とでもいいたくなる。ちょっと違うか。

ささみといえば、ダイエットしか連想できない自分の見識の無さを嘆きたくなった。

減量作戦を遂行する際、私の相棒はサラダチキンである。スーパーやコンビニで売っているアレだ。最近は味付けもバラエティー豊かで温めて食べればそれなりにイケる。

でも、ダイエット用の「特別食」であり、日常的に食べたいとは思わない。集中してあれを食べ続けると鶏のささみを見るのさえイヤになる。

そんな「ささみ」である。なのに圧倒されるぐらいウマかったから困惑した。

さきほどの「ぴよぴよメンチ」と「ささみカツ」をそれぞれ複数頼んでグビグビ飲んでいればトンカツに辿り着けなくてもヘッチャラかもしれない。


肝心のトンカツに辿り着く前に興奮しちゃったせいもあって、トンカツ自体の感想は普通である。

この日食べたのは特選ヒレカツ。ちゃんと美味しいのだが、私の期待感が強すぎたのか、ちょっと拍子抜け。比較的若い人向けのお店のようだからロースカツがウリなのかもしれない。

とはいえ、アホみたいに高価なトンカツがはびこっている東京のど真ん中という立地を考えれば適正な価格である。好感度高しである。

オチもなく書き終わってしまった。

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