2017年7月31日月曜日

高い居酒屋 安い居酒屋


居酒屋がある国に生まれたことは幸せだ。ウマいものが食べられて酒は何でも揃っている。日本人にとっては当たり前の形態だが、世界的に見れば珍しいシステムだろう。

海外の場合、レストランと飲み屋はそれぞれ別個のものだ。繁華街に居酒屋が溢れている光景は日本ならではの一種の文化と言える。

昔の赤提灯は、ちょろっとしたツマミが用意されているだけだったが、イマドキの居酒屋はファミレスを凌駕するほど何でも置いてある。


先日訪ねた新橋の某居酒屋で食べたウニのパスタだ。ダイニングバーと呼んだほうがふさわしそうな店だったが、とにかくメニューが豊富で驚いた。



刺身盛り合わせの質も良かったし、牛タン焼きも上等だった。ツマミは無数にあるし、リゾットやチャーハンまで用意されていた。

日本酒、ワイン、焼酎も迷うほど揃っていたし、サービスもちゃんとしていて繁盛しているのも納得。

帰るまではゼヒまた来たいと思っていたが、御勘定を見てビックリ。どう考えてもヘンテコな値段である。ボッタくられたかもしれない。

何かの間違いだったと思いたいが、私は人並み以上の見栄っ張りだから確認も出来ずに作り笑いでお支払い完了。

ふっかけたくなるほど金満オヤジみたいな顔して過ごしていたのだろうか。それはそれで問題である。

銀座8丁目交差点にほど近い新橋1丁目の某店。機会があったら再訪してビビりながら過ごしてみるのもいいかもしれない。

高い居酒屋もあれば安い居酒屋もある。それぞれに魅力がある。高い店は専門料理店並みのウマいものが気軽に味わえる。安い店はそこにいるだけでホゲホゲした気分になれる。


カレー風味のマカロニサラダである。時々これが無性に食べたくなってわざわざ出かける。シュールな街・巣鴨の某居酒屋である。

日々、富豪のフリをして過ごす私にとって、エセ富豪としての鎧兜を脱いでグダグダできるオアシスである。一人酒以外で使ったことは一度もない。

BGMはいつも昭和の歌謡曲である。桑名正博の「セクシャルバイオレット№1」を聴きながらマカロニサラダである。バンザイだ。

ここで飲むホッピーやサワー系の割りモノ系は「シャリキン」で注文できるのが嬉しい。割りモノ焼酎の人気銘柄であるキンミヤ焼酎を凍らせている状態を「シャリキン」という。

席に着くなり私の第一声は「黒ホッピー、シャリキンで」である。これを合図に弛緩した時間が始まる。


カウンターの隅の席だとビミョーな本や新聞を手にとってボンヤリ過ごせるから最高である。モツ煮やメンチカツをツマミに「トマト割り・シャリキン」に切り替える。

トマト酎ハイやらトマトホッピーみたいなメニューがここ数年の間に世の中に広まってきた。最初の頃はブキミに感じたが今では結構好きになった。なんとなく身体に良いことをしている気持ちになる。


この日はシメに鉄板ナポリタンを注文してみた。シャリキンのトマト割りを飲みながらトマトケチャップの味を楽しむなんて実にオシャレである。まるで食通だ。色合いだってイタリア人みたいで素敵だ。

正直言ってナポリタンはたいしてウマくない。気の利いた喫茶店で食べた方がウマい。でも、弛緩した酔っ払いにとっては「居酒屋でナポリタン」という図式こそ意味がある。

自由の象徴というか、突き抜けた世界観に辿りついた境地とでも言おうか。。。何だかとっても大げさである。

というわけで、平和である。

昔、一緒に暮らした女性から20年ぶりに突然メールが来てアワアワしたぐらいで、最近は平和な日々が続いている。

結構なことだ。

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