2017年8月7日月曜日

白髪という名のそうめん 


「お取り寄せグルメ」。いつのまにかそんな言葉に反応するようになってしまった。快適なシングルライフに欠かせないのが「お取り寄せ」である。

私の場合、最近は“簡便食品の鬼”のようになってきた。マメに寄付しまくっている「ふるさと納税」でも生鮮品ではなく、湯煎して食べられるものや高級レトルト食品を送ってくる自治体ばかり選んでいる。

包丁やまな板を使わずに手軽に美味しいものを食べると、何かに勝ったような気分になる。変な感覚だが、それが私のライフスタイルになりつつある。

さてさて、先日、テレビのワイドショーで取り上げていた「極上そうめん」が妙に気になって早速取り寄せてみた。

ミーハーなオバチャンみたいだが、「富豪記者ブログ」のネタに困っていたから丁度良い素材?である。

1個500円もした烏骨鶏の生卵や1万円のふりかけなど、このブログのネタのために?数々の散財をしてきたが、極上そうめんがあると聞けば手を出さないわけにはいかない。


三輪そうめんの老舗「三輪山本」の「白髪そうめん」なる一品がそれである。ふるさと納税の返礼品にラインナップされていなかったので、残念ながら普通に購入する。

1束90グラムが9束で5千円である。妙に高い。「そうめんは貰い物だから無料」という私の誤った感覚を打ち砕くには充分な価格設定である。

ある意味、それだけ高値だったらマズいはずはないという解釈も成り立つ。ただし、そうめんはそうめんである。正直言ってウマいマズいの格差はあるのだろうか。


で、食べてみた。悪くない。いや、確かにウマい。でもそのウマさはあくまでそうめんのウマさである。味わいがどうこうではなく食感を楽しむ食べ物である。

「白髪(しらが)」というネーミングを食品に付けちゃうセンスはどうかと思ったが、茹でる前の現物を見ると確かに白髪みたいである。そのぐらい細い。

極限まで細く作る技術が凄いらしい。日本の職人技の有り難さである。そう思えば高値設定も納得してしまう。

食感は「フワっとしている」の一言である。半世紀も生きてきたのに知らなかった食感だと言っても大げさではない。世界中の麺類を食べてきたが、この食感はまるで別モノだ。

フワッとしているのに溶けていく感じではない。嚙めばしっかりそうめんのツルリ感があって、喉ごしも爽やかである。薬味は最小限にして繊細なそうめんをしっかり味わいたくなる。

パスタの細麺として「エンジェル・ヘア-」が知られるが、髪の毛つながりでも全然違う。もっともっと細い。イタリアの赤ん坊より日本のジジイの毛のほうが繊細である。

茹でる際には簡単に折れちゃいそうでビビるが、鍋に投入した途端に柳の枝のようにしなやかに踊り出す。

茹で時間はわずか30秒である。キッチンタイマーでちゃんと時間を計っていないと大変だ。折れないようにビビった後は茹で過ぎないようにビビる。ビビってばかりだから口にした時の喜びも大きい。

ちなみに公式通販サイトでは売り切れだったから、その他のサイトをいくつも探し回ってようやく入手した。

世の中にはこんな高値のそうめんを手に入れる人が大勢いるらしい。そっちのほうが驚きである。

今日は、あまり一般的とは言えないそうめんの話をダラダラ書いてしまったので、ついでに「特製そうめんつゆ」について熱く語った過去ネタを一つ紹介したい。

http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2015/04/blog-post_24.html

市販のゴマだれに不満をお持ちの人にゼヒ読んでいただきたい。

そろそろそうめんに飽きてくる時期だから、こんなアレンジで新しい味を発見することをオススメする。

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