今年も春がめぐってきた。新型ウイルスに見舞われてから2度目の春だ。当初予想されたような凄惨な状況は免れている。
これは国の政策の効果などではなく、純粋に日本人の真面目な努力のおかげだ。心底皆様にご苦労様と言いたい気持ちになる。
高齢者や持病を持つ人以外は死に至るケースが希だと分かってきてもキチンと感染予防に努める国民性は世界に誇れるものだと思う。
その一方で、いろんな意味で追い込まれている人たちも物凄い数にのぼる。たとえ暮らしは傾かなくても、精神的なダメージや夢をあきらめたり目指す道を断念せざるを得なかった人は多い。
個人的にはたいした影響を受けずに済んでいる。幸運だと思う。
あの「3・11」の大震災の時、何ら被害を受けなかったことで、何か息苦しいような、肩身が狭いような感覚に陥ったが、いま苦境にある人を想うと似たような気持ちになる。
無事だった自分には何が出来るのか、そんなことが頭に浮かんでも具体的な行動につながらない。おのれの凡人ぶりを痛感する。
先日もウナギの白焼きを前に一人ポツんと座敷にふんぞり返っていたら得体の知れない居心地の悪さを感じた。
広いスペースを占有して呑気に酒を飲んでいる姿はヘンテコだ。そんなことに気付いて申し訳ないような落ち着かない気分になった。
とはいえ、そんなネガティブな意識では逆に家に引きこもることになって悪循環に陥ることも確かだ。
いま必要なのは良い意味での居直りかも知れない。私の「一人お座敷ウナギ」だって飲食店にとっては悪い話ではない。そう解釈する方が前向きだろう。
ただただ活動しないことを良しとする闇雲な同調圧力は愚の骨頂でしかない。前を向き始めないとダメな時期だと思う。
やる事の無い人、やる気を起こしたくない人、ただサボっていたい人にとっては、誰もが横並びで自粛する社会は居心地が良いのだろう。でも世の中、そんな連中が中心になったらロクなことはない。
というわけで、やたらと前振りが長くなったが、私が敬愛するハマショー師匠が今の世相に対する素晴らしい応援歌を出した。今日はそれが書きたかったわけだ。
わがオジサマバンドの仲間がラーメンブログを書いているのだが、ハマショー師匠の新曲をラーメンそっちのけで書いていたから私も刺激を受けてしまった。
http://blog.livedoor.jp/kin_nosuke/archives/1078440745.html
もともとシングル盤が売れるようなポジションのミュージシャンではない。アルバム発売予定もない今の時期にあえて新曲を発表したところに世の中へのメッセージ性を感じる。
歌詞の中に直接的な表現は無いのだが、コロナ禍の社会に対するストレートな応援ソングだ。
♪人は弱くない キミも弱くない ただ少し疲れているだけ♪
そんな視点で前に進む人たちの背中を押してくれる歌詞だ。繰り返し展開される「長い坂道の上には青空が広がっている」というサビの部分はハマショー師匠ならではのメロディーラインでファンとしてはシビれる。
イマドキの音楽は、いわゆる打ち込み全盛だ。そんな中でハマショー師匠の“昔ながら感”は逆に新鮮だ。演奏に関しても人のぬくもりが伝わってくる「音」が良い。優しさを感じる。
若い世代にこそ聴いて欲しい曲だ。ある程度の年齢になれば、何とかなるさ的な達観も持てるが、20代30代ぐらいだとトンネルの出口が見えないような気持ちになりがちだ。
いつか必ず出口は見える。そんな気持ちで今という世相と向き合いたいものだ。
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