2021年9月15日水曜日

オールドパーの呪縛


こんなご時勢だから家飲みの機会が増えた。家だと外で飲むより遙かに少ない酒量だ。酒はやはり雰囲気で飲んじゃうことを痛感する。

 

家飲みの際は、缶チューハイや缶入りのハイボールを手軽に飲んでいるのだが、「缶の飲み物」を続けているのも何だかシャバダバな気分になる。

 

時にはバカラのロックグラスでウィスキーをチビチビやりたくなる。ウィスキーに詳しいわけではないが、私が好きなのは竹鶴だ。

 

まあ、それなりのレベルでクセが強烈じゃないウィスキーならどれもそれなりに美味しい。ロックでチビチビするほうが飲み過ぎないで済む。

 

私にとってウィスキーといえばオールドパーである。人生で最初に口にした原点みたいなものだ。祖父が愛飲していた銘柄だ。中学生の頃にコーラに混ぜて飲まされたのが初体験だ。

 

4年前にもオールパーの話を書いた。

 http://fugoh-kisya.blogspot.com/2017/11/blog-post.html

 

近代ニッポンを築いてきたオジサマ達が愛した酒である。いまや人気銘柄とはいえないようだが、昭和の高級ウィスキーといえばオールドパーだった。

 

独特な風味のブレンド味が特徴だ。正直言って私の好きな味ではない。でもナゼか時々は飲む。酒なんて結局は気分で飲む部分が大きいから“物語”のあるオールドパーには魅力がある。

 

このブログでは13年前も前にオールドパーのアレコレを書いたこともある。この頃に比べて確実に私のオジサマ度合いは深まったからオールパーへの思い入れも本格化?している。

 http://fugoh-kisya.blogspot.com/2008/03/blog-post_10.html

 

最近は家飲みの際にもオールパーをちょくちょく飲むようになった。以前は銀座の酒場専用の味だったのだが、そっちに行く機会が無くなった分、なんとなく家でも飲むようになった。

 

変な話、そんなに好きな味ではないからロックではなく、濃い目の水割りでチビチビと楽しむ。ホロ酔いになると不思議と妙に美味しく感じ始める。

 

チーズやビーフジャーキーみたいなツマミよりチョコレートとの相性のほうが遙かに良く感じるのだが、さすがに太るからなるべくチョコは買わないようにしている。

 

夜の街にも出ず家でシミジミとオールドパーを飲んでいた私に、ある日、衝撃的な画像がメールで送られてきた。

 



 このブログのタイトルを冠した私専用の特注ボトルである。それもキラキラと金色に輝いている。なんたることだ。

 

実はこれ、もう四半世紀以上の付き合いになる銀座の黒服さんが送ってきた画像だ。あまりにも顔を出さない私に対して「さっさと飲みに来い」という意味を込めて作ってくれたらしい。

 

実に有難く嬉しい。でも一種の脅迫!でもある。こんなボトルを用意されたのに顔を出さないのは仁義にもとる。私がそう解釈するのを知っている黒服さんのニンマリする顔が頭に浮かぶ。

 

いやいや、そんなひねくれたことを考えずに素直に喜ぶのが道理の分かった正しい男の在り方だろう。

 

2回のワクチン接種も終わったことだし、そろそろ夜の街を偵察しに出かけることにしよう。

 

最近は自宅から徒歩圏内の酒を出す店で飲むか、家飲みばかりである。それはそれで悪くはないが、隠居爺さんでもあるまいし、時にはキリっとした気分で飲みに出る時間も必要だ。

 

何だかんだ言って、オールドパーは私にとって付かず離れずの距離にいる腐れ縁の友人みたいなものだ。

 

というか、私の行動はオールパーの呪縛によって影響されている気がする。

 

 

 

 

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