若者の間でシーシャが大人気だ。私のような昔の人間からすると水パイプと呼んだほうがシックリくるが今ではシーシャという名前を知らない若者がいないぐらい浸透しているようだ。
15歳でタバコを覚えてしまった私は煙が出るものはたいてい好きだから葉巻も大好きだし、シーシャも当然嫌いではない。
葉巻を覚えたのは20代半ばの頃。潜水旅行で頻繁にカリブ海に出かけていたのがきっかけだ。現地のオッサン達がごく普通の感じで咥えている姿に惹かれて地元の葉巻屋さんで一から教わった。
それこそTシャツにビーサンでラフな感じに葉巻をくゆらす光景が印象的だったので、日本のやたらとカッチョいいシガーバーで妙にキラキラしたグッズをひけらかしながら葉巻をくゆらす文化がちょっと苦手だ。
アマノジャク精神と節約志向?のせいでカッターもライターもあえて安物を使い、季候の良い時期に屋外でボケっと楽しむのが一番だと思っている。
シーシャを知ったのは葉巻デビューからちょっと後のことだ。25年ぐらい前にエジプトを旅した際に体験したのが最初だ。
紅海沿いのリゾート地・シャルムエルシェイクではレストランやカフェ、バーなど多くの店で水パイプが主役のような感じで置かれていた。夜な夜なプカプカとふかしては中東気分に浸っていた。
すっかり気に入った私は手軽な値段の水パイプを購入し家でも楽しもうと思ったのだが、50キロ以上もの潜水撮影機材を持った旅だったので、手荷物で運ぶのが億劫になって途中で手放してしまった。
あの時、ちゃんと持ち帰っていたら今頃は老舗シーシャバーのオーナーとして暮らしていたかも知れない。さすがにそれはないか。
その後は海外旅行の際にシーシャを置いてあるカフェやバーを見つけて楽しむぐらいだった。まだ日本にシーシャバーなどなかったので、私にとっては異国で楽しむアイテムだったわけだ。
この画像はスペインを旅した際の一枚だ。スペインはエリアによってはアラブ的な空気が濃いからシーシャを置いている店はそこら中にあるのが印象的だった。歩き疲れて一息入れる際のシーシャがウマかった。
10年ほど前に池袋をさまよっていた時にシーシャバーを見つけ入ってみた。たまたまその店が悪かったのか、なんだかワルの巣窟みたいに小汚く暗くてヘンテコな雰囲気の店だった。
客層もチンピラみたいな若者だらけでスーツ姿のオジサマである私の場違い感は半端なかった。それこそカリブ海で普段着の気軽な葉巻を経験した後に東京のカッチョいいシガーバーに入った時の違和感と同じヘンテコな感じだった。
さりげない感じとは程遠く、皆さんシーシャをふかすことに妙にイキってしまっている感じが気持ち悪くて早々に引き上げた。
それ以来、シーシャとはあまり縁がなかった。湯島にあったミュージックバーにシーシャがあったので時々そこでナイジェリア人オーナーとバカ話をしながらプカプカした程度だった。
ところが最近になって成人した我が娘が気付けばいっぱしのシーシャ愛好家になっていて、都内のアチコチでシーシャをプカプカしている残念な事実を知った。
私に肩車をされていた幼かった娘が今や私にシーシャのうんちくを語るようになった。なんとも複雑な気分である。諸行無常である。
娘がワルの巣窟みたいな怪しい店に通っていたら心配で仕方ないが、娘いわく今は健全なカフェみたいなシーシャ専門店が増えていてちょっと前とは様相が変わっているという。
実際に連れて行かれた店もごく普通のカフェのようだった。客層もごく普通の若者が中心で、その昔私が池袋で迷い込んだ怪しさぷんぷんな雰囲気はまったくない。
気付かぬうちにシーシャの世界は日本でもだいぶ一般化?してきたようだ。チンピラ御用達といった私の偏ったイメージはすっかり過去のものだったみたいだ。
とはいえ、娘がシーシャをプカプカしている姿はどうにもしっくりこない。単に大人になったと喜んでばかりもいられない。シーシャだってタバコほどではないにしろニコチンは含んでいるわけで中毒物質であることは間違いない。
娘によると今の若い人たちはシーシャもふかすだけで肺には入れないらしい。それを聞いてちょっと安心したが、何事も慣れるにつれてエスカレートするから油断は出来ない。
聞くところによると娘はマイシーシャまで購入して家のベランダでプカプカしているらしい。オイオイって感じである。
親子揃って煙り好き。こればかりはさすがオレの子だなどと喜んではいられないような気がする。
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