2022年12月23日金曜日

テレビとロス



クリスマスである。だからどうしたコノヤローなどとは言わない。いや、ホントは言いたい。何だかゾワゾワする日である。

 

幼稚園から高校までカトリックの学校に通ったくせに私はクリスマスが苦手だ。若い頃はちゃんとそれっぽいデートなんかもしたが、いっぱしの大人になってからは苦手になった。

 

このブログでもこの季節はキリスト様の誕生日で騒ぐよりも赤穂浪士の討ち入り「忠臣蔵」で盛り上がるべきだと何度も書いてきた。いまだそんな主張が国民運動になる気配がないのが哀しい。

 

私が「忠臣蔵」のファンになったのは小学生の頃に観たNHKの大河ドラマ「元禄太平記」がきっかけである。1975年の放送である。大石内蔵助役の江守徹が実に渋かった。

 



いたいけな少年のその後の趣味嗜好に影響を与えたのが大河ドラマだったわけである。今年の「鎌倉殿の13人」を観て歴史好きになった少年も多いのだろう。

 

「鎌倉殿の13人」はまれに見る傑作だったと思う。終わってしまった“ロス状態”がツラい。前半の中心だった大泉洋演じる源頼朝や菅田将暉演じる源義経が死んじゃった後は歴史上の有名人も少ないから退屈な話になるだろうと思っていたが、予想に反して後半の面白さは前半を凌ぐほどだった。

 

最終盤の展開も凄かった。超重要事件である承久の乱などほぼナレーション説明程度で流しちゃって主役は完全に「北条政子」だった。政子役の小池栄子が素晴らしかった。グラビアアイドルとして世に出て胸をブルブルさせていたのも今や昔、もはや大女優の貫禄である。

 

あれだけ抜きん出た面白いドラマを作ってしまったら来年のマツジュン演じる「家康」はキツいだろうなあ~などと余計な心配をしてしまう。

 

今日はこのままドラマの話を書き続ける。“ロス”といえばフジテレビのドラマ「サイレント」も終わってしまって悲しい。素直に素晴らしい作品だったと思う。最終回はちょっとビミョーではあったが……。

 

気付けば私も“めめ”こと目黒蓮のファンになってしまった。手話だけで言葉を発しない役だからこそ感情表現の巧みさ、切なさが印象的だった。将来はキムタクみたいな位置付けのスターになってもおかしくない逸材だと感じた。

 



「鎌倉殿の13人」と「サイレント」が終わってしまったクリスマスなんてちっとも楽しくない。基本的にはこの2つしか定期的に観ていなかったから残念で仕方がない。

 

残るは朝ドラ「舞い上がれ」だけである。前作の「ちむどんどん」があんまりだったから「舞い上がれ」は最初から期待して観ている。とはいえ、朝からドラマを観るほど余裕がないからNHKオンデマンドで2週間分ぐらいをまとめて観る。

 

“めめ”こと目黒蓮が主人公の恋人役である。「サイレント」を観た後で「舞い上がれ」を観ると、めめが普通にしゃべっていることに感動する。よく分からないが「良かったな」とつぶやいてしまう。

 

先日、3週間分を一気に観た。小憎らしかっためめが徐々に爽やかな好青年に変化して主人公に告白した。年甲斐もなくキュンキュンしてしまい、とっくに寝ていた娘の寝室に行って報告をしたほどである。

 

主人公の福原遥は10年以上前にEテレの子供向け料理番組をやっていた。まだ小学生ぐらいだった。まだ小さかった娘が観ていたので覚えている。「マインちゃん」という名前で頑張って料理っぽいことをしていたコがいまや朝ドラの主役でめめの恋人である。

 

父親的目線で必死に応援してしまう私だ。長年に渡って何の気なしにテレビを観ていると楽しみ方が変わってくることを今更実感している。まあそれだけ歳をとったということでもある。

 

私に残された楽しみである「舞い上がれ」は時節柄、大晦日の紅白では特別コーナーが設けられるはずだ。今から楽しみである。ダウンタウンの「笑ってはいけない」が放送されなくなってから大晦日の楽しみは紅白ぐらいになってしまった。これまた典型的な「年寄り型の過ごし方」である。

 

ということで、クリスマスが過ぎればいよいよ今年も大詰めである。テレビドラマをあーだこーだと語っていられる年の瀬を迎えられた自分の平和っぷりがちょっと嬉しい。

 

 

 

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