2024年2月2日金曜日

松本人志とか


松本人志の件をはじめ、サッカー日本代表選手の件など世の中は「性加害」の話題ばかりだ。「性加害」という言葉はいつから一般に広まったのだろう。私のパソコンで「せいかがい」と入力しても変換候補のトップは「製菓買い」である。まだ新語みたいな感じだ。

 

一昨年の香川照之の騒動あたりから一気に世間に浸透したような気がする。「性加害」。わかったようで実に曖昧な言葉だろう。強姦なら強姦、痴漢なら痴漢と表記されるわけだからそれとは違う。セクハラみたいな感じだが、それよりは重たい印象がある。

 

強引な口説きや悪ふざけまでひっくるめて「性加害」に該当するような雰囲気だ。そんなこと言われたら私の半生なんて性加害だらけだった。こんな私でも若い頃には言い寄ってくる女性もいたからそんな時はオラオラと性加害に励んでいた。心の底から有名人じゃなくてよかったと思う。

 

イマドキは男性が女性に威圧感を与えたらソク性加害として糾弾されちゃう。ちょっとイケてる男に見つめられた女子が“蛇に睨まれたカエル状態”になって迫られることは珍しくないだろう。でもその後に女性がフラれたら逆恨みして性加害だとか言い出して男は叩かれまくる。例えるならそんな感じか。

 

松本人志の件では、18年も前の乱痴気騒ぎを暴露されたり、スクープ画像と称して単に女性に馬乗りされているだけの画像が出てきたりと、もはや何でもあり状態。“池に落ちた犬”をここまで叩きまくるのが日本人の国民性だったのかと思うと寒々しい気持ちになる。

 


コトの真偽がどうあれ、ああいう話はしょせん当事者だけの問題で他人が妙に熱くなって議論するような話だろうか。

 

別に養護派を気取るつもりはないが、芸人さんに聖人君子みたいな姿を求める風潮も気持ち悪い。世の中にはいろんなジャンルの人がいる。クソ真面目な人から悪ふざけがヒドい人まで多種多様である。それが普通だ。

 

誰もが善行ばかりに励む社会なんてあり得ないわけだし、危なっかしい人はたくさんいるし、行き過ぎて犯罪に走れば捕まる。そして法治国家として正式に罰せられる。それだけの話だろう。

 

「時代が違う」と一刀両断されてしまっているが、その昔の有名人の不祥事にはイマドキよりディープな話がたくさんあった。講談社に集団で殴り込みに行ったビートたけしの事件なんてヤクザ顔負けだった。

 

飛ぶ鳥を落とす勢いのSMAPの“稲垣メンバー”だって婦警さんをクルマで跳ね飛ばして逃げるというワイルドぶりをみせたし、同じメンバーには公然ワイセツで捕まったのもいる。

 

他にもプロ野球大洋ホエールズのエース級のピッチャーが「連続幼女わいせつ事件」というシャレにならない極悪犯罪で捕まったのに、謹慎を経て球界に復帰して活躍していたこともあった。デビュー間もないシャネルズもワイセツ事件を起こしたし、NHKで殿と呼ばれた花形アナウンサーはタクシー運転手の顔面に蹴りをいれたり、勝新太郎先生なんかは存在そのものがスキャンダルみたいな話に彩られていた。

 

ついでにクスリ関係で逮捕された有名人を列挙したらキリがないぐらいだ。井上陽水、研ナオコ、長渕剛、スターにしきの、岩城滉一、尾崎豊等々。大御所やカリスマもしっかり「逮捕歴」がある。


皆さんさすがに事件当初は仕事を干されたが、今みたいに「再チャレンジ絶望」みたいな空気はなかった。失敗を反省して裁かれている以上、前歴だけでその人を全否定するのは行き過ぎだろう。

 

ましてや「逮捕」されるほどでもない「騒動」ぐらいで仕事が全部なくなっちゃうような制裁を加える必要はあるのだろうか。何だか薄気味悪い。昔とは随分と変わった印象がある。何だか窮屈な世の中になったと不思議な気分にすらなる。

 

もちろん実際に被害を受けた人が深い傷を負っているのならコトはそう簡単ではない。それでも外野、すなわち無関係の人間が鬼の首を取ったかのようにギャースカ騒ぎ立てる必要はないと思う。犯罪なら犯罪として裁かれるだけの話。

 

ちょっと脱線するが、今の時代でもEXITというお笑いコンビの片割れは過去に売春防止法違反などで逮捕歴が2回もあるのに普通にテレビで活躍している。エグい?犯罪だがこの人がセーフで、その他の“性加害系”が皆さんアウトになっている線引きも摩訶不思議だ。

 

要はそれぐらい世間の反応は曖昧だ。その時々の“空気”みたいな掴みどころのない雰囲気によって右往左往させられているだけなんだろう。

 

何だかキリがなくなってきた。

 

話がクドくなってきたのでちょっと脱線する。性加害うんぬんが話題になる際に「同意を得ずに性行為を行った」という表現をよく聞く。これって考えてみるとヘンテコな言い回しだ。

 

もちろん「同意を得た性行為」なら何も問題はないから、その反対の意味で使われるのだが、一般の人々は性行為にいちいち同意を求めるのだろうか(笑)。長く生きてきた私だが「もしもし、これからやってもいいですか?」と相手に同意を求めることなどない。そりゃそうだ…。

 

もちろん、無理矢理したことはないが、あの言葉だけ見るとエッチなことを何となく始めちゃうと後になって「不同意性交だ!」として糾弾されちゃう恐れを感じる。怖い怖い。

 

これからは「チューしていいですか?」「オッパイ触っていいですか?」「さてそろそろ合体してもよろしいですか?」と段階ごとに合意を求めないとダメな時代になるのだろうか。そのうち細かいプレー内容を事前に文書で提示して相手の同意署名をもらっていないと逮捕されちゃうような日が来るのかもしれない。

 

セックスにもインボイス?みたいなそんな社会になるなら私もいよいよ亡命を検討しないとなるまい。

 

悪ノリみたいに脱線をしてしまった。

 

ネット上に溢れる過度な正義感の押しつけに違和感を覚えてついつい書き過ぎてしまった。ネット世論という世界は匿名性が前提の一種の安全地帯である。その中で絶対多数派である正義ぶりっ子側に身を置けば何を言っても許されるみたいなケッタイな空気が不快でアレコレとイヤミっぽい書き方をしてしまった。

 

というわけで結論。なんだかんだと書いてみたが、あくまで悪いことを推奨するつもりはない。誤解しないでいただきたい。でも、あえてそんな言い訳がましいことを書かなきゃならないのもイマドキの空気に汚染されているせいだろう。

 

とにかく言いたいことは簡単だ。「皆さんはそんなにご立派に生きているのですか?」。その一点に尽きる気がする。

 

 

 

 

 

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