その昔、砂糖はかなりの貴重品で江戸時代の一時期は医師が処方するものだったそうだ。そんな貴重品を今の時代は際限なく楽しめるのが嬉しい。「時代ガチャ」の点でいえばラッキーそのものだろう。
料理の美味しさを決めるのはダシが基本だが、同じぐらい大事なのが砂糖だ。たいていのウマいものはタレなどどこかしらに砂糖や水飴みたいな甘味を使っている。私が好きなレトルトカレーの成分表示にもしっかり砂糖は記載されている。
有難いことに糖尿の家系ではないから生まれてからずっと糖分をバシバシ摂取してきた。今も私は辛党ではない。もちろん酒も飲むが、ここ数年は甘みの方により強い魅力を感じるようになってきた。
先日、銀座のバーで甘いカクテルを飲んだ。普段だとバーでは「マッカランをロックでね」とキザったらしく注文する私だが、この日は気心の知れた相手と一緒だったので食後酒だと言い訳しながら最初から甘いカクテルにした。
キウイヨーグルトのなんちゃらカクテルと杏仁風味のなんちゃらカクテルである。画像ではわかりにくいが意外に量があって思った以上にふわふわと酔った。甘いもので酔うって悪くない。
大学生ぐらいの頃、サントリーの一大戦略のせいで世の中に「トロピカルドリンク」なる怪しい酒が出回った。ピニャコラーダ、マイタイ、ブルーハワイ、ストベリーダイキリ等々、音感の面白さと甘いからこその口当たりの良さで若者世代に一気に流行した。
確か渋谷だったと思うのだが、入口で靴を脱がされ、裸足でフロアに案内されるトロピカルバーと称する店にも何度か通った。フロアは白い砂が敷き詰められていたため客はみんな裸足にさせられたわけだ。
バブル到来のハッチャけた空気と相まって若者はみんなトロピカルドリンクを飲みまくった。そしてみんな吐きまくった。当時、繁華街に点在していたゲロの多くがトロピカルドリンクが原因だった。
話がそれた。
この日、甘いカクテルを続けて飲んでちょっとベトベトした気分だったのでバーテンさんに次のおすすめを聞いてみた。
で、アタリだったのがゴッドファーザーだ。アマレットとウイスキーを混ぜただけのシロモノだが、甘ったるいアマレットの分量を加減すればウイスキーがやんわりと甘みを帯びるので私にとってはちょうど良かった。今後の定番にしてみようと思う。
さて、トロピカルドリンクブームは全国にゲロを撒き散らして終焉したが、そこから台頭してきたのが今に至る「なんちゃらサワー」の一群である。
レモン、グレープフルーツが定番だが、青りんごサワーやらカルピスサワーやら怪しい系?もすっかり根付いている。私も居酒屋などではそういう怪しい系を注文したいのだが、さすがに人様の前では気が引けて緑茶割りあたりで誤魔化している。自意識過剰である。
その代わりネットスーパーなどの宅配を使う時はガンガン甘い系の酒も注文する。ジュースというものが根っから好きなんだと思う。ほとんどジュースみたいなサワー類を一気飲みするのは結構楽しい。
正しくない飲み方としては、睡眠薬がちっとも効かなかった時にそれらの甘いサワー類を一気飲みすることもある。さすがにこれをやると効果はバッチリだ。
きっとこんなことばかりしているといずれ痴呆症みたいな副作用に悩まされるのだろう。気をつけないと…。
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