2025年3月21日金曜日

少年の心

 

「少年の心を失わないのは素敵!」、「いい歳してバカなのか?」。これは同義語みたいな話である。遠からず還暦を迎える私も時に少年時代のような行動に走ってしまうが、そうなると必然的に後悔することも増える。

 



新橋にあるラーメン屋さん「ほりうち」のチャーシューざる麺だ。ハーフサイズで充分なのにヤケクソみたいにチャーシューがテンコ盛りの標準を頼む。幸せなことは確かだが、最近では食後がちょっと苦しい。

 

脳の中は昔の感覚のままだから何を食べるにしてもテンコ盛りだと条件反射で嬉しくなる。牛丼にしても大人になってからは一度たりとも並盛を注文したことがない。そんな判断を今も続けていることは「男の勲章」だと信じている。バカだ。

 

量の問題はともかく、ふと目にしたヘンテコな商品に目が輝いてしまうのも昔の感覚のままだ。コンビニのカップ麺コーナーに見慣れぬジャンク系を見つけると絶対に買わなきゃならない気持ちになる。

 

先日買ってしまったのはその名も「みんな知ってるウマイやつ・名もなきスパゲッティ味焼きそばハンバーグ弁当風」なる謎めいた商品である。エースコックの商品開発会議でよくもまあゴーサインが出たものだと感心しちゃうネーミングだ。

 



要は洋食屋さんなどでハンバーグなどに添えられる付け合わせスパゲッティである。そんなニッチな麺料理を商品化してしまうメーカーの冒険心を称賛したい。

 

付け合わせスパゲッティを愛する人は意外に多い。私も随分前にこのブログでその話を書いた。

https://fugoh-kisya.blogspot.com/2017/08/blog-post_25.html

 

あの素っ気ない感じ、やる気を無くしたヌルい存在感が魅力的だ。まさに名脇役と言えよう。たいていは味が薄っぺらいのが特徴だ。薄~いナポリタン風味だったり、下手するとほとんど味が無い状態だったりする。

 

主役の肉料理のソースと混ざることでようやくそれなりに食べられる状態になることが珍しくない付け合わせスパゲッティだが、このカップ麺はまさにそこに焦点が当たっている。

 



 「ハンバーグの下敷き」という表現通りでデミグラス風味のソースを絡めて完成する。当然ながら具はほぼ無い。実に勇敢な?商品である。

 

肝心の味はなんともビミョーではあるが、そんなものを嬉々として食べている自分を自己弁護する意味で「それなりに美味しかった」と言っておこう。

 

もっと言えば絡めるソースを半分程度しか使わずにいればもっと高評価だったかと思う。ソースを全量使うと味がしっかり強くなる。当然「付け合わせ感」が弱まってしまう。あくまで薄っぺらい味に仕上がるよう調整すべきだった。

 

ついでに言えば、それを冷めるまで待てばよかった。付け合わせスパゲッティといえばヌルいのが定番だ。熱々で食べたら別モノになってしまう。なんなら常温になるまで待てば感動的な味になっていたかもしれない…。

 

まあ、こんなことを真剣に考察するのも「少年の心」である。飽食社会で生まれ育ったゆえの余裕だと解釈することにしよう。

 

話は変わる。

 

家では簡単パスタを自作することが多い。年齢的には和風あっさり味のパスタを作れば作った方が良いのだろうが、ついついクリーム系に気分が向いてしまい、食後にちょっと胸焼け気味になることもある。

 

でもパスタ料理そのものが若い頃に親しんだ食べ物だからたいていはガッツリ系の味に仕上げたくなる。基本はレトルトパスタソースを使うのだが、この時点でクリーム系を買ってしまうことが多い。

 


 

この画像はカニのトマトクリームというパスタソースを元にカニ缶詰を丸ごと一つ加えた作品!である。エンゲル係数的には破綻しているが、カニ缶詰はふるさと納税で手に入れたから実質的には追加料金ナシである。

 

レトルトのソースだけでは必死に鼻の機能を総動員しないとカニの雰囲気は感じられないが、カニ缶詰を丸ごと追加すればそんな問題は一気に解決して贅沢な気分にも浸れる。悪くない缶詰消化法だと思う。

 



お次はベーコンとツナのクリームパスタだ。こちらはレトルトは使わず一から味付けした。麺つゆやコンソメ、刻みガーリック、牛乳を適当に使って仕上げた。我ながらなかなかの味に仕上がった。

 

このぐらいマトモなパスタを自作できるのにナゼ「付け合わせスパゲッティ」のカップ麺を満面の笑顔で食べてしまうのか…。そんなことを大真面目に考えてしまう日々である。

 

 

 

 

 

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