葉巻を楽しめるバーがひと頃より増えてきたような気がする。外資系高級ホテルの増加が拍車をかけたようだ。アメリカでも、ヒステリックな禁煙運動の反動で、シガーブームが到来したそうだから、日本でも嫌煙熱が高まり続ければ葉巻文化がグッと身近になるかも知れない。
個人的には、葉巻を嗜めることを売りにしているバーは少し苦手だ。なんか格好良すぎて居心地が悪い。「特別な感じ」がことさら強調されている感じがして、こそばゆい。
客層のせいもあるかも知れない。必要以上にスノビッシュな顔をしている人が多い。なんかさりげなくない。まあ現実問題、葉巻の世界にはファッション的な要素が多分にあるため、どうもお気軽感とは遠い空気が漂う。
アマノジャクの私としては、グッズひとつとっても見栄の張り合いのような葉巻の楽しみ方が気に入らない。シガーケースやカッターやライターに至るまで安くてどんくさいモノを選びたくなる。
ティファニーの銀製シガー入れや欧州ブランド製グッズも一応持っているが、頂き物なので大事にしまってあるだけ。普段持ち歩くのは、パンチカッターがあらかじめ付いた安いターボライター。4本入りの合皮のシガーケースにライターを突っ込み、残ったスペースにロブストサイズの葉巻を2本入れておしまい。
アマノジャクというよりものぐさと言った方が的確なのだが、普段小銭入れも持たない私としては、葉巻のために、ごてごてと大きめのカッターやライターを持ち歩くことが出来ないので、安直に「オールインワン」を実践している。
長期の旅行に葉巻をまとめて持参する場合には、ジプロックに保湿剤と葉巻を入れて持ち運ぶ。まったく問題なし。
もちろん、男の趣味はグッズへのこだわりという側面があるため、シガーグッズを愛好する人の気持ちも分からなくはない。要は自分が洒落モノ、伊達男ではないだけだろう。
葉巻を好きになったきっかけは、20代の頃にカリブ海にはまったこと。水中撮影目的で大西洋固有の魚を追っかけ回しにあちらこちらと旅したが、カリブ地域と言えば葉巻がポピュラーなエリア。街中で気軽な専門店を目にすることも多く、根っからのタバコ好きだったこともあり、だんだんと身近になっていった。
はじめの頃は、それこそ肺に吸い込まないという基本中の基本も知らずに、「こんなキツイ煙を良く吸えるな」と現地人に畏敬の念を感じたレベルだった。
シガーカッターもショップがおまけでくれるペラペラの安物を愛用。葉巻自体も無名ブランドばかり。それでも、ダイビングを終えた夕暮れにラムベースカクテル片手にビーチでふかす葉巻は最高の味わいだった。
そのうち、日本でのキューバ産葉巻の正規販売価格を知るにつれ、海外免税店などのバカ安価格を魅力に感じ、こだわりもなくキューバ産葉巻をまとめ買いした。なかには管理状態の悪かったものもあり、それに加えて自宅での管理もずさんだったため、今覚えば随分ともったいないこともしてしまった。
主にダイビング旅行の際に、旅先で楽しむことが私の葉巻スタイルになっていたが、以前、一念発起してタバコをやめてから事情が一変。なんとか禁煙に成功して平和に暮らしていた頃、「吸い込まない」という一点だけで、葉巻への執着が盛り上がり、ヘビーユーザーになってしまった。
現時は、海外の葉巻格安販売サイトをいくつも体験してみて信頼できる所からまとめて購入するようになった。富豪記者を名乗るなら、管理状態の良さで世界的に評判の良い日本の専門店でまとめ買いすれば良さそうなものだが、やっぱり安いものではないため、サイトでキャンペーン商品を見つけてイソイソ買っている。ちょっと貧乏っぽい。
お気に入りは、ファンロペスのセレクションナンバー2。重すぎず、かといって芳醇で深みのある甘さがあって大好き。そのほか、サンクリストバルの各ラインナップも似たような路線で好きだ。一番人気のコイーバは、ロブスト以外はあまり相性が良くない。コイーバロブストは最高傑作といえるが、値段のせいだけでなく、アマノジャク精神からか、あの有名なラベルを手に持つことをついつい敬遠してしまう。なんかアレをうまそうにふかしていると“メルセデスのSクラス的まちがいなさ”って感じがして面白くない。アマノジャクというか自意識過剰か。
煙の話はキリがないので、今日はこの辺で終わり。
2008年1月22日火曜日
葉巻
ラベル: 趣味と健康
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