2009年7月3日金曜日

鮨源 山わさび

山わさびが最近私のまわりで活躍中だ。西洋わさび、ホースラディッシュと呼んだほうが有名だろう。ツンツンガッツリと辛い風味がクセになる。

北海道では非常にポピュラーな存在。寒い気候によって辛味が増すらしく北海道名物といっても大げさではない。

普通のワサビが水辺で栽培されるのに対して、山ワサビは畑の土の中で育つ。爽やかな辛さではなく、力強い辛さはそのあたりに理由があるのだろう。

冷や奴、蕎麦、肉料理の脇役として活躍することが多いようだが、私の場合は魚貝類とセットで味わうことが多い。

若い頃の北海道旅行の際、イカ刺しの薬味として初体験した。そのせいでイカソーメンとかイカ刺しといえば、どうにもこうにも山わさびが欲しくなる。

東京でも、北海道にルーツがあるお寿司屋さんあたりだと山わさびを置いてある。必ずイカを頼んでツンツンとした辛さに身悶えることにしている。

ブリなどの脂ののりが強い刺身に使ってみても美味しい。大根おろしをセットにして旨いものならたいてい山わさびと合う。

以前、網走に行った際に、とあるお寿司屋さんですべての刺身を山わさびで食べさせられたことがある。ちょっと辟易とさせられたが、脂っぽいものだけでなく、意外に貝類との相性も良かった。

先日、ホームグランドともいうべき高田馬場の鮨源で思わず山わさびに遭遇。普段あまり頼まないイカを迷わず注文。スミイカとアカイカを薄く切ってもらったり、ソーメン風にしてもらったりして楽しむ。

どんなイカにも無条件でマッチする山わさびにニンマリ。数日後に函館に行く予定になっていたのだが、近場で北海道気分になってしまった。

でも、この時期函館のイカは真イカ、いわゆるスルメイカだ。活イカ状態ならコリコリ硬い食感が独特。一応、スミイカとは全然違う。

東京ではあまりスルメイカはポピュラーではない。やはり函館に行く甲斐はあると一人自分を納得させる。

なんだかんだ言っても「寿司は東京が一番」。分かっているのに定期的に函館あたりをふらつきたくなるのが私のクセだ。

この日の鮨源でも、「山わさびを東京で味わっちゃったけど、函館のイカは種類が違うから」とか「ボタンエビは函館で食べるからブドウ海老ちょうだい」などと騒ぐ。

食べ物のことだけを考えれば、北海道までわざわざ行く必要は無い。でも、どうにも行きたくて仕方ないので、必死に函館行きの大義名分を作ろうとしてしまう。

「毛ガニだってオレを待っているし・・」とつぶやいていたら、板さんがニンマリと「クリガニ」を出してくれた。青森のほうでポピュラーな毛ガニの小型版みたいなカニだ。

恐るべし鮨源。。とことん東京で充分だぞ!って囁かれている気がした。このクリガニ、ヘタな毛ガニより旨かった。活ガニを店で茹でたそうで、ミソも少ないながら爽やかに旨い。

この日の鮨源では、突出しに出てきた珍味も抜群だった。サバの卵と白子。鮮度がよいせいだろう。味付けはあっさり淡いにもかかわらず珍味特有のコッテリクリーミー感が嬉しい。

ブドウ海老の頭がこんがり焼かれて出てきた。ミソが濃厚でウットリする。さすがに独特の甘みを持つブドウ海老だ。東京には旨いものが集まってくる。


山わさび、カニそして珍味やエビミソにいたるまで東京には良い素材がてんこもりだ。私が北海道で勇んで食べまくるウニだって、鮨源には極上のバフンウニ、ムラサキウニが常備されている。ミョウバンを使っていない無垢な逸品が味わえる。

わざわざ飛行機で函館まで行って、観光客値段の「ウニいくら丼」とかを食べちゃう私は変なのだろうか。

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