内臓を覗かれてきた。おまけに私の知らない間に盗撮までされた。いつも南国の海やプールで見知らぬ女性の水着姿を盗撮している私に対するしっぺ返しだ。
オカマでもないのにお尻の穴から挿入されてしまった。カメラを。口からも遠慮なく特殊なカメラが入ってきた。裸を見られるのは恥ずかしいわけだから、裸のその先である中身を見られるのはもっと恥ずかしい。
「恥ずかしさと快感は紙一重だよ」などといつも女性を洗脳するように言い聞かせる私だ。その言葉にウソはなかった。まさに快感に浸る時間だった。
年に一度の胃と大腸の内視鏡検査だ。今年は体調不良もあって予定より早い時期に受診した。銀座1丁目にあるクリニックにはもう5年ぐらい通っただろうか。ある意味「銀座の馴染みの店」?だ。
このクリニックの素晴らしいところは、薬物注射で私にめくるめく快感を与えてくれる点だ。押尾君もここに通えば犯罪人にならないで済んだだろうに。
検査の前に特殊な鎮静剤でコロッと落としてくれる。血液検査の注射のついでにその薬物は注入される。麻酔ではないので、実に緩やかにホワワンとさざなみが押し寄せるように意識を失う。
意識を失うまでの時間が醍醐味。徐々に視界が狭まり、浮遊しそうな感覚にとらわれる。この快感を長く味わいたいために必死でシャキッとしようと抵抗してみる。抵抗むなしく母親の胎内に潜り込むかのように落ちていく。
落ちないようにドクターにとりとめのない話を持ちかけてみるが、あれよあれよという間にロレツが回らなくなる。「来た、きた、キタ~~」とつぶやいて意識を失う。
眠れない夜にゼヒ欲しい薬物だが、以前、ドクターに「売ってくれ」と頼んでも売ってくれなかった。
目がさめる頃には、小部屋の中でポツンと一人寝かされている。本当に検査されたのかも分からないぐらいほとんど記憶はなく、ぐっすりだ。それでもスタートから起きるまでざっと1時間から1時間半程度だ。
有難いことに割としょっちゅう見つかるポリープは2年連続で無し。びらんだとか憩室はレギュラー。胃と食道の境目に気になる色素変化があって細胞検査に回されたぐらいで特別厄介な状態ではなかった。逆流性食道炎は相変わらず好転していないが、その程度なら私にとって充分合格点だ。
それにしても今回の鎮静剤、効きにくかったというか、私がムダな抵抗をしすぎたせいで、ラッキーなことに?普段より多めに注入された。
おかげで検査終了後もフワフワ感がずーっと続いた。それはそれでかなり気持ちいい。
朝から絶食状態で検査が終わったのが午後2時半過ぎ。フワフワ感のまま空腹を満たすためにドカ食いするのが私のお決まりのパターンだ。
今回はタクシーでワンメーターの日本橋「たいめいけん」に行った。この時間なら空いているだろうから、ポリープがなかったことに祝杯を上げないといけない。
鎮静剤とアルコールはフワフワ感と睡魔が増長するのだが、それはそれ。コールスローをツマミにエビスビール。朝から下剤用のドリンクぐらいしか飲んでいなかったので、恵比寿様が五臓六腑に染み渡る。グヒヒ。
単品注文したカニクリームコロッケの登場だ。タルタルソースつきだ。ウスターソースも混ぜてベチョベチョと食べる。恵比寿様も好調だ。最高だ。恥ずかしさに耐えた私の素っ裸の胃が喜ぶ。ウホホ。
まもなく、タンポポオムライスなるものが運ばれてきた。何種類かあるオムライスの中で何となく選んだ一品。チキンライスの上に大ぶりのプレーンオムレツが載っている。
オムレツを真ん中あたりで割るとトロトロフンワリのオムレツがビュワッ広がる。結構楽しい。デミソースとかではなく、ただのケチャップを使うのが面白くないが、オムレツがやたらとウマい。優しい味でオジサン向きだ。ペロペロ食べる。
食後ふんわりしたまま職場に向かう。ダメだ。フンワリモードが消えない。非常階段の踊り場で葉巻をふかしたぐらいでとっとと帰宅してしまった。
ダメダメな1日だ。まあ健康管理も我々にとって重大な任務だ。普通なら1泊2日の人間ドックでやるような項目をほとんど半日でこなしたのだから許してもらおう。
2010年9月17日金曜日
内臓を覗かれた日
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