2010年9月1日水曜日

沖縄ドタバタ紀行

沖縄でドタバタしてきた。まさにドタバタだ。なんともビミョーな数日間だった。まあ文句ばかり言ってたら罰があたるので、「おおむね良し」と考えないといけない。

今回は本島北部の名護をベースに背底島、水納島方面を潜ろうと一人旅を計画。数日前から台風情報をにらんで問題なしと判断して出発。

台風情報というのはあくまで正式な台風になってから更新される。台風に昇格する前の熱帯低気圧があっても「現在台風は発生していません」という表示のままだ。

沖縄方面への台風接近の有無を調べるには、インターネットでフィリピンや中国の天気情報を見るに限る。日本の天気予報では沖縄は画面の端っこ過ぎて参考にならない。

出発数日前からヨソの国の台風情報をチェックしていたが、どう見ても台風の心配はなかったのでノホホンと出かけた。

台風はなかったが、熱帯低気圧がいやがった。天気図を見ずに台風情報だけを注視した私の失敗だ。那覇空港に到着。どうもイヤな雲がたくさんある。憂鬱な気持ちでレンタカーで名護に向かう。

高速の無料化実験という余計なことを実施している関係で結構な渋滞。想定外の事態にイライラする。2時間かけてようやく到着。

日本ハム・ファイターズが春季キャンプで使うホテルに泊まる。ダルビッシュも泊まった宿だ。ちょっと期待していたが、少し高級なビジネスホテルだった。


ホテル裏のディープな居酒屋で遅めの夕食。ソーキの煮付け、ソーメンチャンプルー、スーチカー、豆腐ようあたりをつまみに泡盛をグビグビ。ようやく身体も心も弛緩する。

それにしても沖縄の子どもってどうして夜の10時過ぎでも平気で居酒屋でメシ食ってるんだろう。謎だ。

ほろ酔い気分で水中撮影機材を一生懸命セットして就寝。

翌朝、雷雨で目がさめる。凄まじい悪天候だ。あらガッカリ。気分もどんよりする。そこへ「ゲゲゲの女房」ならぬ「富豪記者の女房」から電話が入る。

鬼嫁の用事をさておき、悪天候への恨み節をウジウジ語る私に鬼嫁が言う。

「グチってるヒマがあったら天気の良さそうなところにとっとと移動しろ。勝手に遊びに行ったんだから、もっと真剣に遊んできやがれ」。

正論だ。グチをこぼしていても何も解決しない。鬼嫁の指示に従うようでシャクだが、素直に行動開始。IPadを駆使して作戦を練る。天気予報では、石垣・宮古方面なら晴れバリバリマークになっている。

撮影機材をばらし、あわてて荷造り。ホテルをキャンセルして、豪雨の中、昨夜来た道を那覇空港に向けてぶっ飛ばす。レンタカーを返して空港にダッシュ。ヘトヘトだ。

ところが空港の航空券発売カウンターには結構な人の列。石垣島で午後からのダイビングに参加するのは、その便に乗らないと厳しい。出発時刻まで残り25分。予約すら無い。さすがにあきらめかける。

ふとiPadの存在に気付く。全日空のサイトに接続すると、出発直前にも関わらずその便にオンライン予約ができた。

搭乗手続きカウンターも混雑していたので、「プレミアムクラスの普通運賃」というアホみないな値段のチケットを予約する。混雑をヨソにガラガラのプレミアムクラス専用のチェックインカウンターへ。すんなり機上の人となる。

1時間弱で石垣島到着。タクシーで目的地である川平(かびら)地区に向かう。川平を選んだ理由はただ一つ。すでに貴重な潜水日程の半日分をムダにした以上、リベンジには「マンタ」しかない。

川平石崎のダイビングポイントは8月や9月ならマンタ遭遇率80~90%とも言われる。私自身、15年前に川平でマンタとの接近遭遇を体験している。世界的にも珍しい場所だ。天気も良いし、フィッシュアイレンズを駆使してマンタを撮影しまくろうと企む。

バラした撮影機材をタクシーの中で改めて組立てる。ヘトヘトだ。目星をつけたダイビングショップには那覇空港から予約を入れておいた。急な1人客ぐらい受入れてくれそうな名の通った老舗を選んだ。

ダイビングショップに到着。急いで支度をする。なんか行動内容が若者みたいだ。中年オヤジの動きとしては確実に無理がある。
ヘロヘロだ。

とりあえず、気合いを入れて午後のダイビングに参加する。図々しくマンタポイントに行くようにリクエストする。

この日、昼前のダイビングでマンタの乱舞が見られたそうだ。他のお客さんの中には同じ場所に潜りに行くことに不満そうな人もいた。私が笑いながらにらみつけたこともあってマンタポイントに出発。

朝からの行動で既に電池切れの私だ。マンタポイントは水深12メートル程度の場所でただボーっとマンタが来るのを待つスタイルだ。ちっとも体力を使わないのでその日の私には好都合だった。


でも、マンタは来なかった。そんなもんだ。まだチャンスはある。この写真のように漫然と皆さんでマンタ待ちをする。

急な日程変更だったので民宿に泊まる覚悟でいたが、ここでもiPadを駆使してみた。ヤフーの旅行サイトから川平の外れにある「石垣シーサイドホテル」に空きを見つける。急きょ予約する。8月終わりの週末にしては乱暴な行動だが、なんとかなるものだ。

ふた昔前のリゾートホテルって感じだ。チェックインの際、ホテルの都合でアップグレードされてコテージに通された。



アジアンリゾート風ログハウスという感じだ。清潔だし、広くて快適。おまけにテラスには専用露天ジャグジー付きだ。

川平地区には繁華街がないため、ホテル内の食堂のようなレストランで夕食。和食と沖縄料理を組み合わせたセット料理を注文して、グビグビ泡盛タイム。

その後、星空を見ながら葉巻をふかして、お疲れ気味だったので早めに寝る。

ここで事件発生。11時頃快適に眠りに落ちて、明け方5時頃目がさめる。何か気分が悪い。そこから約2時間ほど嘔吐と下痢だ。

食あたり?熱中症?思い当たるフシはない。悩みながら吐き続ける。7時過ぎに少し気分が良くなる。レストランで少しだけおかゆを食べて胃腸方面を落ち着かせる。

そんな状態で8時過ぎにダイビングショップから迎えが来た。準備しながらコッソリ隠れてトイレでもう一発吐いておく。マンタに会えればスッキリするはずだ。

その日もマンタは現れず。

夕食時、習慣でビールを注文。口を近づけただけで吐き気復活。全然飲めず。メシだけはしっかりバイキング料理を食べて翌日に備える。

部屋に帰って寝ようとしていると沖縄特有の怪しく光る巨大ゴキブリが現れた。死ぬかと思った。冷や汗を5リットルほど流す。

部屋の殺虫剤でなんとか退治したのだが、ご遺体を部屋の外に護送する作業に手間取る。恐ろしくて何度か気を失ったので時間がかかった。疲労困憊。

さて翌日。無事に朝を迎える。天気は雨。チクショー。マンタの写真は快晴の状況で撮りたかった。

石垣島は天気が悪いと避暑地だ。東京より遙かに涼しい。さてこの日、マンタトライ3回目。満を持して水中へ。ひたすら待つ。結局、ヤツは来なかった。

「3の0」。この時期のマンタポイントではかなり珍しいそうだ。皆さん同情してくれる。ダイビング終了。夕方ホテルを引き払って石垣市内に移動。最後の晩餐は気の効いた店でしこたま呑みながら過ごそうと画策。

市内繁華街そばにサウナ付き大浴場のあるホテルがあると聞き、移動するタクシーの中から予約してみる。「チサンリゾート」というホテル。

重い荷物をタクシーから下ろしている姿を見ても誰も手伝いにこないレベルの三流ホテルだった。チェックインのあと「荷物は部屋に運んでくれないのか」という私の質問に対する答えは「ええ」というステキなお言葉。ついでに「台車はご自由に使ってください」ときたもんだ。

どうでもいいレベルの大浴場のせいでこんな場所で一夜を過ごすことに痛恨の思い。ツキに見放されている。イライラ荷物を運んでいたら裸足にビーサンの足に台車をしこたまぶつけて出血。最悪。

仕方なく、サウナでウサはらし。その後、雨の街に出て行く。どうも調子が良くない。食欲もない。日暮れとともにアル中モードになる普段の私とは別人のような感覚だ。

結局、この日も酒抜き。翌日と併せて3日連続で酒抜き。


結局、ソーキそば一杯だけで今回の旅行の最後の晩餐は終了してしまった。さえない。

翌朝、ホテル近くの食堂でモーニング・ソーキそば。昼出発の飛行機が少し遅延した関係で、空港内の食堂で昼飯。またまたソーキそば。3食続けてソーキそば。

不完全燃焼な旅だった。やはり、8月初旬のビンゴ大会で一等賞を当てた時点で、ツキはすべて使い果たしたのだろうか。

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