2014年2月10日月曜日

池袋漂流 南国ファミリー

ブログのタイトルにあるように、一応、富豪を目指す私としては、ここではみみっちい話は書かないようにしている。

松屋の牛丼特盛りが大好きな話とかも書かないし、ぺヤングを絶賛する話も書かない。ましてや「伝説のスタ丼」をたまに嬉々として食べている話も内緒だ。いろいろと「一人言論統制」をしている。

でも、そのせいで私のことを日々特上ウナギをかっ食らい、日々銀座のクラブで飲んだくれている不届きな男だと錯覚している人もいる。

実態はそんな富豪的な日々を送っているわけではない。先日も、池袋の「水着パブ・ワンセット50分4千円」という変な店に連れて行かれた。

ちょっと楽しかった…。

さて「池袋」である。富豪好みとは言えないシュールな街である。職場があるせいで縁が切れない。魔都と呼びたくなる街だが、時々ふらふらとさまよってしまう。

ヤバいオネエサンとなかなか関係が切れないような感じである。深入りしちゃいけないのに時々こっちから誘っちゃたりするグダグダした関係みたいだ。

そんな街・池袋を今日は考察してみたい。

私の勝手なイメージだが、「新宿はバンコク、池袋はマニラ」という先入観がある。歓楽街としての猥雑な感じと危なっかしい匂いのせいだ。

分かる人には分かってもらえると思う。あまり細かく説明するとヤバい話に飛んでいくので割愛する。

垢抜けない雰囲気バリバリの池袋だが、その残念な由緒は古い時代にまでさかのぼる。

江戸時代、「池袋村出身の娘は嫁にもらうな」という伝承がまことしやかに広まっていたそうだ。すべては「池袋の女」というイタい伝説が原因だ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E3%81%AE%E5%A5%B3

池袋のランドマークであるサンシャインシティはもともと巣鴨監獄の跡地である。巣鴨監獄は戦後、GHQに接収され、戦犯を収容する「巣鴨プリズン」になった。

A級戦犯が絞首刑になったのもあそこである。60階建てのあのビルは処刑された人達の墓標だという都市伝説は有名だ。

絞首刑になった人数は60名で、すべて明け方の時間帯に処刑されたから「サンシャイン60」になったという話もある。

江戸時代から近現代までそんなエピソードに彩られているわけだから、池袋はどう頑張っても池袋なわけだ。

いまではコスプレの聖地だったり、中華街が形成されていたり、ごった煮というかモツ煮みたいな気配が池袋を覆っている。

社会人になって以来、この街と四半世紀ほど付き合ってくると、「嫌い嫌いも好きのうち」みたいな変な親近感が湧いてくる。

愛着ではない。愛してないからあくまでも親近感である。でも時に池袋の魔力に吸い寄せられるのも事実だ。魅力ではない。あくまで魔力である。

疲れている時、寝不足でシンドい時、そんなメンドーな気分の時に限って池袋で飲む。投げやりな気分の時も池袋テでさまよっている。われながら不思議だ。


私にとっての隠れ家が西口にある居酒屋だ。ここには基本的に一人で行く。会社の人間と飲む時でもここは避ける。のんびりホゲ~と過ごしたい場所だから一種の聖地?のようなもの。

冒頭の画像の店がそれ。「南国ファミリー」というケッタイな名前の店だ。九州沖縄方面の郷土料理屋かと錯覚しそうだが、ただの居酒屋である。何が南国で、何がファミリーなのかサッパリ不明である。

チェーン店の居酒屋ばかりの街で、まっとうな食べ物を出してくれて、何かとツボを押さえた個人経営の飲み屋は貴重である。

この店もそんな店。かといって、それなりの席数があるから常連さんに占拠されて息苦しいような気配もない。

間接照明や白熱灯の色ではない妙に明るい蛍光灯の光が潔い。それなりにこざっぱり綺麗だし、何よりメニューの品数が物凄く多い。そして結構ウマい。

盛りつけも綺麗だし、ちゃんとした料理を出す。かといって、気取りはないから、高価な酒もある一方で、しっかりホッピーも置いてある。

モノによっては結構な値付けをしている点がまた良い。ただ安さだけをウリにする店だとウマいものなど無いが、南国ファミリーは頑張っている。

画像のシメサバは750円である。居酒屋としては高価である。その分、いつ頼んでも安定してウマい。ヘタな寿司屋のシメサバよりも美味しい。必ず注文してしまう。

普通の焼鳥もある。やきとんだってしっかり用意されている。刺身類はテキトーな寿司屋よりも上等である。ブリ刺し1200円、どじょう柳川1200円、酢蛸650円、さらし鯨ぬた600円等々。池袋のヘタレな居酒屋とは一線を画す。

やきとんは130円とか150円。近隣相場が90円とか100円ぐらいだから少し高めの設定だ。この微妙な価格差が客層にも影響している。

ネクタイを締めたオジサン率が高い。がやがや騒ぐ若者はいない。女子会なんて絶対にない。池袋の残念な店で割とよく目撃する「テメ~刺し殺すぞコラ!」みたいなオーラを漂わせている危ない人も見かけない。

正しい居酒屋、大衆割烹である。

とにかく何でもある。馬刺しもある。カエルの串焼きもある。運が良ければ生きた毛ガニもまるまるボイルしてくれる。エビフライ3本1500円という洋食屋さんもビックリのメニューもある。豚の生姜焼きとかドンブリ類もある。

この店のカウンターで、週刊現代とか週刊ポストがバカの一つ覚えのように掲載している中高年セックス特集を開けっぴろげに読みながら少しづつ酔っ払っていく時間が私の憩いの時間である。

一応、近隣の安酒場に行くよりも富豪的である。自分の独身貴族?ぶりを最も感じる瞬間かもしれない。

便利な店だと思う。

なんかここまで書いてきて、この話を3年ぐらい前にも書いた記憶が甦った。ご記憶のある方、ゴメンナサイ。。。自分の行動パターンがまったく進化していないことにビックリする。

南国ファミリーで酩酊したら、ほぼ100%そのまま帰宅する。若かりし頃、ランジェリーパブだとか、女子大生キャバクラ、ショーパブという名の学芸会飲み屋?に連行されたこともあるが、そんなところに行くなら、帰宅して録画済みの「太陽にほえろ」を見るほうが楽しい。

でも、先日、酔っ払って歩いていた時、「熟女パブ」の呼び込みのお兄さんとひとしきり池袋事情を語り合ってしまい危うく店に入りそうになった。でもちゃんと振り切った。

怖いもの見たさより理性が勝った。私もまだまだ大丈夫だろう。

0 件のコメント: